空冷最強?

車体の方は含まず、エンジン単体という話になりますが、
カワサキZ系、J系で、カタログ上最強のものといえば、
Z1100Rと、GPZ1100F系となります。
この最強という言葉に惹かれて、購入を考えている方も
いるかもしれません。
もし、たまたま程度の良いものを、適切な価格で
手に入れた場合は、なんの問題もありません。
ですが、なかなか手に入らなかった場合、無理して
それを購入するほどの価値があるか。ないか。
人それぞれ価値観が違いますので、どれが正しく、
正しくないということではないのですが、今まで触ってきて
感じたことを書きます。
現在、一般的に手に入るもので、ある程度の良いものでも、
今乗ると、当時の最高出力は影を潜め、全く走らなく
なっているものが多いです。
いろいろ理由がありますが、大きな理由としては、
ピストンまわりがへたっていることと、
ヘッドまわりの消耗、整備不良からです。
そして、負圧キャブレターのコンデションが悪くなっていること。
キャブレターの方は、負圧のものにこだわるかた以外は、
キャブごとFCRなどにすればよいので除外します。
ピストンまわりのへたることについては、高出力モデル
ですので、この当時の純正ピストンであれば、
材質などの関係で仕方のないことです。
高出力ゆえに負担が大きく、ほかのモデルより
使い方が同じでも消耗具合は早くなります。
ヘッドまわりも、最初から普通で言えばハイカムシャフトに
あたるものが入っていて、バルブ径は大きく(大きい分だけやや重い)
ポート系もやや大きく、という状態です。
バルブスプリングはそんなに強化型というわけではありませんので、
回しすぎるのはよくありません。ただなんでも強ければ良いもの、
と言うわけではありませんから、レブリミットを守って乗れば
これで充分。
またこのエンジンは、アウターシム式から
DSC00372.JPG
インナーシム式に変わっており、
DSC03572.JPG
この場合、バルブクリアランスを調整するときには、
カムシャフトを毎回外さなくてならず、面倒で、
作業ミスが多くなるところです。それゆえ、カムシャフトを
固定する部分のネジ山が非常に傷んでいるものがおおく、
再生できないほどに壊してあるものもあります。
何が言いたいかといいますと、最初からチューニングエンジン
的な要素が、数多くあるということです。
その分本来の能力を発揮させるには、技術がいります。
先ほど書いたように、純正のままではへたりやすいので
誕生から数十年たった今、オーバホールは必須ですので、
きちんと好調なエンジンにするなら、お店選びが重要となります。
さて、きちんとした好調なエンジンにできたとして、
結果はどうなのか。ここが重要です。
当社のお客様は、レースメインという方はいません。
もし、サーキット重視、とにかくエンジンは中、高回転域
ばかり使いとにかく飛ばす、という方には、このエンジンが
あっているかもしれません。そういうある程度回転を維持しつつ
走ると、高出力が堪能できる方向に作られているからです。
ただしレブリミットは高くないですが。
ところが、Z1000J、R、R2を1100R系と同スペックぐらいに
チューニングすると、普通の方が使う、ゼロからスタートする
街中からのツーリング、同中時々飛ばす。
のような使い方の場合、Z1100R系も良く走るのは当然ですが、
よりよく1100R系より走るように感じるのは、R2、R1系の方が
走るように感じます。特にR2系です。
R2とR1はそんなに大きな違いは感じません。
もちろんこれは、当社で同じような仕様にチューニングした場合の
ことでOH仕様ではありませんし、他店では違うかもしれません。
作業内容が違ってきますので。
全く車体が同じの同条件で比べていませんので、
正確とは言い切れないのですが、そう感じるのです。
それも含め、私のような一般ライダーの使い方で、
J~R2系の方がやや走るように感じるのはなぜか。
と、ここまで書いて時間がなくなってしまったので、
つづきは次の更新時に書きます。

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