FX製作模様4

製作模様の続きです。
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タップを通しプラグ穴を掃除しているところ。
たいしたことではないですが、ねじ山が痛んでいて見落としていると、
後々面倒なことになるので、早めの確認の意味で。
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もし清掃後に修正が必要となれば、ヘリサートやタイムサートなど、
状況に応じて修理します。
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この写真はエキゾースト側で、バルブシートカットすり合わせを
行う前の写真です。
燃焼室のカーボン落としと軽研摩、ポートのカーボン落としまで
終わったところです。修整面研はあとで行います。
今回のエンジンはオーバーホール仕様なので、
ここまでカーボンを落とした後綺麗にするのはやや過剰だと思うのですが、
どうしてもやりだすと綺麗にしすぎてしまいます。
中途半端は結構難しいのです。
このヘッドはとても状態がよく、またオイル下がりなども起こっておらず、
ガイドもほとんど消耗していなかったので、
バルブガイドを交換する必要はないと判断し純正そのままにしています。
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シートカットすり合わせが終わり、光明丹で確認しているところ。
シートカットすり合わせは、エンジンの調子を大きく左右する
超重要項目だと思います。
当たり面は、バルブにあった当たり巾にしなくてはいけません。
またチューニングエンジン仕様の場合は、当たる部分の径もより厳密に
狙った所に合わせます。またバルブスプリングのセット長も絡んでくるので、
そちらも適切なところに合わせます。
といっても元々まともな車体を買ってくれば、エンジンもまともで
シートカットすると大体よいぐらいの数値に自然になってきます。
これが過去にダメ整備を受けてあったりして、
でたらめなシートカットが行われているとものすごく大変です。
でもその場合はたいがい変なポート研磨や、
あちこち壊してあったりしてヘッド交換となったり、
ひどい時にはそれ以外も壊してあって、エンジン丸ごと
買ってきてやりなおしたほうがよい時もあります。
やはりベース車両選びは超重要です。
話がそれましたが、バルブガイドに対し当たり面の角度があっていないと、
この写真の光明丹で色が付いている部分のように均一に当たらず、
混合気のガス漏れが起きます。
そうなれば本来の出力が得られないばかりか、バルブの放熱も悪くなり
問題が起き、またバルブガイドの消耗も早くなります。
写真では解りにくいですが、エキゾースト側のほうが当然高温になるため、
当たり巾はやや広めにします。
シートカットすり合わせのコツはなるべく少ない修正で、
きちんと仕上げることと言えると思います。
それでもかなり時間はかかります。
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これはイン側。
イン、エキゾースト共2バルブモデルのほうが修整する
1本当たりの手間の負担は大きいです。
径が大きいので振れ幅が大きかったり、バルブまわりの部品が
重いのが原因だと思います。
ということはヘッドがらみで、調子が悪くなる割合が高いとも
言えると思います。
オーバーホールしたのに、何か前とあまり調子が変わらない、
という話をよく聞きますが、こういう部分やピストンまわりなどが
きちんとできていないからです。
(エンジン以外の部分は良いとき)
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エキゾースト側のポートの写真。
写真が今一つですいません。
作業しながら撮るものでとても時間的に余裕がないもので。
当社ではここ数年、ポート内は大きく出っ張っている箇所は
リューターで削り、ロールペーパーでカーボンを落としています。
こうすればポート研磨加工のように大きな形状変更はしないけれども、
軽いポート研磨のようになり、調子はより良い方向になります。
仮にブラストのようなものでカーボン落としをすれば、
手間は少なくてもデコボコはそのままなので、
調子はただのカーボンを落としたオーバーホール仕様になりますが、
こういうことを積み重ねれば、軽いチュ-ニング状態の
オーバーホールエンジンになりますね。
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これはイン側です。
写真のほうが、実物より汚く見えて心外だな~。
これはロールペーパーでカーボンを落とす関係で、
小さなくぼんでいる部分や、ペーパーが入りきれない部分が
残って写真では目立つからなのですが。

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