融通がきくことが大切

クルマやバイクの修理や、販売での整備、レストアで、
事細かにネジの1本○○円、ワッシャ1枚の○○円の
見積りを出し、さもうちは「きちんとやってます」
と誇らしげにしている会社があります。
大きな会社ではそういう見積りや、仕様書を
だすのに必要な設備があるところや、
専門の担当者がいるところもあるでしょう。
小さな会社や余計なことに時間を使えないところは
それは厳しいと思います。
他の仕事は解らない部分が多いので一概には
言えませんが、クルマとバイクで、とくに古いものを
扱っている場合
、私の考えではそんな
細かい仕様書、見積書は要らないと考えています。
逆にきっちり細かすぎるものは足を引っ張るとさえ思います。
なぜならば旧車の作業は振れ幅、余裕が必要だからです。
常に車体もエンジンも全部ばらすレストア、
チューニングを行う当社では特にそうです。
旧車は元々フレームの寸法や、エンジン、外装など
全ての物が今の商品のような精度ではなく、
もっとアバウトです。
左右で何mm単位で違っているものもあります。
それも事故等のない、状態の良いものがです。
明らかにメーカーで手直しした感じの物でも
割と強引に寸法を出しているような跡が残っている
物もあります。もちろんその方法が良いから
そうしているのでしょうが。
クランクなんかメーカーでガツンと叩いたあとが
あります。
逆に違いが少なければ、それはたまたま良いと
(旧車の場合)言ってもいいと思います。
ようは乗ってきちんと走り著しく見た目が変でなければ
よいという考えだったのでしょう。
Z系でいえばシートレールが左右でどちらかに
振れているのは普通、それに伴いショックの
上側の位置が変わってきます。
ですので当社でスイングアームを製作する場合は
その都度サス受け側を現物合わせで微調整します。
別にしなくてもいいのですが、
自社の商品なら可能なのでそうしています。
後ろのウインカーのステーが、
なにも当たった跡がなくとも左右が違うのは
ほぼ100%すべての車両でそうなっています。
シートレールの方は、事故などで曲がっているものでなく
メーカー出荷時からそうなっているものについては
当社では修整しません。もちろんベース車両購入時には、
事故で曲がっている感じのなものは購入しません。
これを治すことにより、走りに関係ある
くるってはいけない部分の寸法が変わってしまう
可能性があるからです。
またウインカー部分についてはできる範囲で
治します。
ここは直しても他の部分に影響はなく
治した方が見た目品質が断然よくなるからです。
もともと新車時からそういう精度のものが
40年以上の月日が流れ、使われていたら
どういうことになるでしょうか。
外観から見てとても程度の良い旧車バイクも、
すべてばらしてネジ1本の単位になると色々あります。
その時の対応は柔軟でなければいけません。
あらかじめの見積りや、仕様書がガチガチに
決まっていると、自由な発想、行動ができなくなります。
旧車バイクを美しく、乗っても良く、
維持もしやすいバイクとするのが目的なのに、
そのガチガチの見積書に合わせるのが目的に
なってしまいます。
これでは何のための整備、レストアか解りません。
同じくフルオリジナルの旧車バイクの
(キャブ等、とにかく全てノーマルの物)
レストアとなればこれも仕様書がガチガチに
決まっているようなもので、飾るのならまだしも
走って楽しむのであればとても難しくなります。
ならば当社の持ち味は何も発揮できなくなるので
フルオリジナルにこだわるのであればそれが
得意な店に依頼した方が良い。
また当社のようにレストアの仕事の場合、
受注してからの製作期間が長くなります。
今は、平均1年半ぐらいです。
このように受注してからの期間が長くなると
かかわっていくうちに新しいレストアの技術を
考えついたり、部品もさらに良いものを発見したりして
高品質にできる場合が出てきます。
この時にもあまりにガチガチの仕様書ですと、
融通がきかず変更できなくなります。
先日のブログにも書きましたが、
大まかな部分をお客様が決め、
その他の細かい部分、技術的なことは
まかせてもらう方が良い。このことにも
つながります。