シリンダー下部のオイル漏れ対策

Z系、ローソン系のシリンダーとクランクケース
の合わせ面からのオイルにじみですが、
ここの部分はきちんと作業してもにじみが
出ることがあり、焦って分解したりせず
丁寧に考えその都度判断します。
このZはオイルにじみはでていませんが
このガスケット部分のことです。
DSC06950.JPG
エンジンオイルに100%化学合成の物を使ったり
粘度が低いタイプを使うとにじみやすくなります。
100%化学合成オイルの販売側は決まって「問題ない」と、
口を揃えて言いますが、にじみや漏れがでやすいのは
事実です。
また同じ粘度でも銘柄によっても結構違います。
当然寒い季節より暑い季節の方がでやすいです。
以前テストで使用したオイルは、乗った感じは
パワーも出てとても好きだったのですが、
数キロ走っただけではっきりと漏れてきたのと
エンジンノイズがとても大きくなったため
使いませんでした。
残念ですがこういうこともあります。
オイルに関してはこれがベストというよりも
オーナーさんがどの部分を優先するのか、
というぶぶんがはっきりしているのなら
当社の普通使っているものと違うものを
使っても良いのです。
ただし問題があってもオーナーさんがそのリスクを
おうことととなります
この部分はきちんと作業しても
多少はにじみがでることがある箇所なので、
あまり神経質に考えすぎないことが大切です。
不思議と必要以上に気にしすぎる方のバイクが
調子悪くなる。車もバイクも同じですね。
本質を見失うからでしょう。
特に昔と違い今は情報量が多いので
間違った情報も多くそれを信じ
使い方に誤りがあることが多い。
もしにじみでなくはっきりと漏れている場合は、
エンジンを腰上まで分解し、クランクケース上面と
シリンダーの下面の歪みや傷を修正し、
適切なガスケットを使ってきちんと組みたてます。
使用するオイルも使用目的を考えて選びます。
ですが今回の話はそれではなくあきらかに
漏れてきているときの場合です。
腰上まで分解してガスケットを交換して、
シリンダーやクランクケースの合わせ面には
問題がないのに再度漏れる、などです。
組んですぐには漏れてこずに、しばらく走ると
なんか明らかに漏れてくる。このようなときです。
この場合2番と3番のピストン周辺から
漏れてきます。
この場合シリンダーのスタッドボルトから
つたって漏れてきていることがあります。
この写真はシリンダースタッドボルト組み付け前です。
このエンジンは現在車体レストアとエンジン組立を並行して
完成まで行うZ1000のエンジンです。
ノーマルに近い車体となるので、いつも当社で
販売しているものと雰囲気が違います。
DSC06908.JPG
このスタッドボルト端の4本は、
もともとオイル通路になっており、
ガスケットと、合わせ面がきちんとしていれば
漏れは止まります。
そうでなくピストンの2番3番のまわりにある
8本はオイルがでてくるとまずい箇所です。
原因が解りにくい。
当社ではエンジンオーバーホールの際に
純正の新品スタッドボルトに交換します。
その際オイル漏れの対策か、このように2番3番周辺の
スタッドボルトのネジ部はこのようになっています。
DSC06910.JPG
写真の下の4本は端の4本なので
何もされておらず、上から8本は
(青と赤との部分)対策されているようです。
当社ではこの対策品はイマイチ信用できないので
一度その部分を落として、
DSC06917.JPG
処置を当社で施して組み付けています。
DSC06921.JPG
2番3番の特にオイルラインに近い、
車体で言えば後ろ側4本が
(キャブの前側)漏れやすいです。
Z1はこの部分がエンジン内と貫通していても、
オイルが下に下がるようであまり問題はおきにくいのですが、
後期のZ1000、MK2などはエンジン内とは貫通していないのですが、
それがたまたまオイルラインと見えない部分で
つながっていることがあるのです。
そうなると圧の逃げみちがなく、
スタッドボルトを伝って上の外に出てきてしまう。
それがシリンダー下面からのオイル漏れとなる。
こうなるとまた腰上まで分解して直す必要が
出てきて悲惨です。
知識のないショップであれば治せず、
また漏れてしまうでしょう。
ガスケットを交換したのに治らない方は
このスタッドボルトを疑ってください。
当社のOHエンジンは分解した時に
必ずこの部分も対策して組んでいます。
こういうことはマニュアルにも書いていないので
経験が多くないと解らないため、治せないのです。

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