Z1製作ドキュメント3、良いものは安くはない。

以前にも書きましたが、下で紹介している写真達は
途中経過はメールで送り、その後納車時にまとめて
オーナー様にお渡ししているものです。
2015年当時で一台当たり2000枚ぐらいです。
(公開しているものはすべてではありません)

このように詳しくデータを残すことにより、
当社でもあのバイクはどのように作業したか、
どのような仕様だったか。どの部品を使っているか、
後からでもはっきり解るからです。

持ち主の方も自分のバイクはどのようになっているのか
組み立て前、色を塗る前の見えない部分まで
はっきり知ることができます。

良い旧車バイクを製作するには、
良いベース車両を使い、
良い部品を使い、
あるいはそのバイクにあったものを製作し
ノウハウを持っている人が丁寧に組み付ける。
これしかありません。

適切な良いベース車両を見極めるのは
とても難しいことです。

中古バイクの売買の経験がたくさん
あるからといって(業者さん含む)
本気のレストアをしたことがない人が
ベース車両としてどれが適切か、
はっきりと解るはずもありません。

交換できない部品、修理できない箇所、
旧車特有の入手できない部品は
元々良いものがついていないと困ります。

機能的に重要な部分のボルト、
雰囲気が大切な旧車の世界では、
純正のボルトがついていてほしい箇所も
たくさんあります。

レストアするからといって、ボロボロでは
再生できないのです。
完成の仕上がりがレベルが高いものを目指すので、
綺麗にしたり、修理に必要以上の手間がかかれば
かえって価格は高くなります。

ボロベースでは、再生できない部分は
そのまま残り、完成車もボロになります。

かといってフルレストアするのに
ベース車両の金額が高すぎては
整備やレストア費用が捻出できなくなります。

相場というものは動くものですが、
ご自分の予算から考えベース車両価格が
高すぎるものを買ってはいけません。

車種にある程度こだわるのは理解できます。
でも必ずZ1でないといけないのか、
Z900では、Z1000では?

MK2でないといけないのか、
また、車体番号、エンジン番号まで
こだわるならさらに多く予算が必要です。

車体だけあっても、きちんと走らない。

予算に余裕があるならそれでも問題ありませんし、
私の考えを押し付けるつもりはありませんが、
それよりバキバキに調子が良く、良く走り、
見た目も新車同様か、それ以上。
その方がいいと思いませんか。
バイクは楽しく走れて、かっこよくてなんぼの
乗り物です。

ベース車両選びは
程度ときちんと価格があっているか
見極めができなくてはいけません。

ご自分が目利きと思っている方が
いらっしゃいますが、
修理箇所が多かったり、
必要な部分の欠品、あるいは治せない箇所が
壊れているものを買ってくる。
そんな方ばかりです。

当社のお客様で目利きで良いものを
きちんと選べている方は1人だけです。
20年で一人だけ。
どう思われますか。
あなたもその一人になれますか。

先日旧車(バイクではない)レストアの
第一人者の方とかなりの時間お話しましたが、
ベース車両は自分で現車を見て、
乗って実働車を買うと言っておられました。
もうきっと40年くらいはこの業界に
いる方だと思います。

バイクは乗れる状態である必要はありませんが
同様に見極めは難しいものです。

良い部品を見極めるのも難しいことです。
新品、あるいは新製品、また有名どころが
造ったものだからいって良い部品ではありません。

材質、加工、設計が適切でなく
すぐに壊れてしまったり、
見た目の品質も価格に見合ったものか
判断がつくでしょうか。

かといって加工の際に必ず傷が入る部分に、
傷が入っている!なんてクレームを出していては
取引できる業者はなくなってしまいます。
これはこういうものだ。ということが
判断できなくてはかえって損をします。

再メッキ、アルマイトなどにだしたとして
それが上手くいっているか、
普段出し続けていない人、業者に
判断ができるでしょうか。

これもたいして上手くもないのに
高い業者もあります。

かといって納期も早く、仕上がりもよく、
対応も良い、加工業者もあります。
どこに加工にだしたらいいか、
普通のお店、あるいは個人で解りますか?

当社は繰り返し、繰り返し色々な会社に
出し続け、その中で今一番良いと思われる
会社のみとお付き合いしています。

それでも仕上がりが今一つのことも
良くあり、再度自社で手直しをしたり
あらかじめ多めに注文して、
その中で良いものを選んで使ったりします。

同じ車種のレストア、オーバーホール、
チューニングにしても今まで作業したことのない
人にできるでしょうか。

本当の意味での調子のよい旧車、
あるいは外観の仕上がり、
旧車ならでは雰囲気を保ちつつ
外観を仕上げることができるでしょうか。

1台、2台ぐらい造ったところで
ノウハウなんかすぐにはたまりません。

何十台と、しかも毎回本気で作業し続けなければ
技術も向上しませんし、ノウハウもたまりません。

これら紹介している写真のように、
当社はいつも作業しています。

当社に来店しても、
完成車があることは少なく
(今日はありますが)
首を長くしてお待ちいただいているお客様に
早く納品したいため、
完成するとすぐにテストして納品しますから
完成車にめぐり合えることは少ないでしょう。

ですが現在注文をいただいている
数々の作業途中の物がたくさんあります。
それら各パーツはお見せできます。

来店時には当日でも良いので
事前に必ず連絡を。

ただし塗装など手を離せない作業もありますので、
当日の場合はお断りする場合もあります。

本日前置きの最後に、
旧車にはその当時の物でしか
感じることのできないものがあります。

アクセルを開けた時の豪快な加速、音、振動、
曲がるときの操作感。
そして今の物とは全く違うスタイル。質感。

ですがきちんと整備、レストアしたものは
乗りやすく、ほとんど壊れない。
基本、整備もしやすい。

中途半端にやや新しいバイクで、
旧車に似せたもの等ありますが、
それでは旧車バイクの代わりにはなりません。

回り道は時間とお金の無駄。
本当に欲しいものをまっすぐに。

好みのバイクが最近のバイクなら
最近のバイクを買えばいいのです。

前置きが長くなりましたが、Z1製作写真3です。

 

 

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