Z1製作ドキュメント7

私どもは毎日、カワサキZ系、J系を中心に
旧車バイクのレストア作業を行っております。

その中で求められるのは結果です。
プロなので当たり前です。

その結果を出すためにここに紹介するような
地道な作業を積み重ねています。

ではオーナーになられる方たちはどうか。

もちろんプロのレーサーではありません。
ですので、どうかプロセスも楽しんでほしい。

ラップタイムがどうとか、
最高速がどうとか、何馬力だとか、
レース車両のようなことも魅力の一つだとは
思います。

ですが運転の上手な人ではあっても、
プロのレーサーではないのですから、
そういう数値的なものではなく、
自分の操作により、
どのように旧車のバイクが動いたか、
反応したかを楽しんでほしい。

このころのバイクには何の電子制御もありません。

上手く運転すれば、素直に動き、
良い音がし、長持ちする。

間違った操作をすれば、
思うように動かず、調子も崩す。
最初にきちんとしたものを購入したのに
バイクの調子が悪くなるのが早ければ、
何か間違った扱いをしていないか
考えて見るのが良いです。
なんでもバイクのせいにするのは
間違っている。

そういう人が増えたから、
新しいスポーツバイク、スポーツカーも
間違った操作をしてもカバーする要素が増え、
ダイレクト感が減り、安定志向で、安全志向になり、
面白いものがどんどん、壊滅的に
なくなっているのです。
今一度自分の操作を考えてもいいのではないでしょうか。

私に聞きたい方は、
どんな不具合が起きたか聞けば
可能な限りレクチャーします。

でも間違った運転をしても
勝手に曲がっていったり、
綺麗に加速したり、
普段の足なら、集中力が低いとき、
体調の悪い時もあるので、安全マージンは
十分にとったものの方が良いと思いますが、
趣味の物なのにそんなものに乗って
面白いとは思わない。

また簡単にはても加えにくい。
だから飽きる。

バイクは集中して乗るべきだ。
機械がダメなものに電子制御で
ごまかしても。これもダメ。

間違った運転をすれば、
ダメだということをきいてくれない。
それでいいじゃないですか。

上手く運転すれば、
最高に楽しく、気持ちが良い。
スパッときまる。
完調の旧車バイクは楽しいですぞ。

でもそんなことより早く納車しろ~。
とご注文いただいている皆さまは、
思っていると思います。
とにかく頑張ります。

さて、Z1の製作写真の紹介ですが、
その時撮影に使っていたカメラがごく近い部分の
撮影が上手くいかないものだったので、
バルブシートまわりの良い写真が一枚しか
ありませんでした。
(その後故障でカメラは変更)

その関係で、
最近別のカメラで撮影した、J系のヘッドで
バルブシートカットすり合わせ作業を
行い撮影したものを先に紹介します。
こちらの方が解りやすいと思いますので。

この後紹介するZ1、あるいは今までのすべての
OHエンジンもこのように作業しています。

このバルブシートカットすり合わせ作業は
エンジン作業のとても重要な箇所で、
今まで入庫したオーバーホールやチューニング
作業を他社さんで行い、分解したエンジンで
ここがきちんとされていたものは
見たことがありません。
(不具合があって分解するからかもしれませんが。)

理由として考えられるのは、
古い車両なのでエンジンの整備作業で
バルブガイドが交換されているものが多いのですが、
それによりバルブシートとバルブの位置関係がずれ
それをきちんと修整するのは技術と手間が
かかるので、でたらめになっていると思われます。

ですので古くても純正出荷時から
手を加えられていないものは、
当たり幅は大幅に広がっているものの、
状態は良いものが多いです。

作業者はできないなら手を出すべきではない、
そういう箇所です。

また他社のものを批判するなら、
自分で作業したものをきっちり見せてから、
批判するべきだ。
人のことだけ悪く言うのは好きではない。

これがJ系(ローソン系含む)のバルブシートカット
すり合わせが終わったヘッドです。

この作業が終わったら洗浄し、
バルブのセット長を簡単に測定します。
元々の状態が良く、きちんとした寸法のバルブで
あれば、自然と良い数値になります。

それはビッグバルブを使う時も同様です。
この下の写真はこれから組み立てを紹介する
Z1の物で、唯一ピントがあったもの。
色塗り前です。

光明たんでのチェックは先程も書いたように、
(オレンジなっている部分)
きちんと出来ていれば、
力を入れずともバルブに薄く光明たんを
塗ってバルブをバルブシートに当てると
こうなります。

厚く塗ってはダメ。

軽く当ててきちんとこうなれば、
作業はOKです。

ではZ1製作模様の紹介です。
今日はヘッドの組み立てです。

 

 

 

 

この後、ヘッド単体での
バルブクリアランスの調整を行います。

先にあらかじめクリアランスを測定、
調整することにより、もしシートカット作業で
間違いがあっても、
(クリアランスが適正に調整できないなど、
分解しないと修正できないようなこと)
事前に気づくことができ、修整することが
可能です。

エンジンを全部組み付けたうえでクリアランスを
調整していると、間違いがあった場合には
もう一度ヘッドをクランクケース、シリンダーから
分離する必要があり、大ごとになってしまいます。

またヘッド単体ですとシムの調整などが
容易で、組みたての速度も速くできます。

もちろん本組みではなくカムチェーンが掛かって
いないので、正規のクリアランスにはなりませんので、
あくまで仮のクリアランス調整で、
広めにしておく方が良いです。
カムチェーンがかかりテンションがかかると
少し狭くなるので。

名前が書いてあった部分は消してあります。
では続きどうぞ。

 


これでヘッドは完成。
埃が入らないように保管し、
他の部分を組み立てます。

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