余計なことはしない。必要なことはする。

やたらとオイル交換をしたがる人がいます。一番最初に手を付けやすいからですからね。やたらと無駄に交換すればお金を捨てているのと同じです。また丁寧に落ち着いて作業しなければかえってゴミを入れてしまったり、かえって痛めてしまうこともあります。

メンテと言えばオイル交換。これは昔からの刷り込みといいますか、30年40年前の技術の基準そのままの考えを持ち込んでいる人が大勢います。先輩方の意見をうのみにしてはいけません。もちろん当社の取り扱い車種は古いバイクがメインですが、オイルそのものの性能が大きく向上していますし、エンジンもオーバーホールなどすれば使用している部品がそもそも違います。
エンジンそのものが本来の調子を発揮していて、点火系も良い、吸排気系も良いのであればたいして走ってもいないのにしょっちゅうオイルを交換する必要などないのです。ビトーR&Dに勤めていた時もデモ車がたくさんあり、オイル交換なんてほとんどしていませんが、何のトラブルも起きていません。

枝葉は言い出すときりがないので端折りますが、一番気にして欲しいのが、古いバイクの場合はまずエンジンそのものが本来の調子であるか、キャブレターの調子が良いか、そしてキャブ自体のセッティングがエンジン、使用しているマフラー、乗り方にあっているかです。

エンジンの調子が悪ければ燃焼温度が下がることが多いのでそうなると混合気がきれいに燃えません。そうなると燃えないガソリンがオイルをどんどん希釈していきます。これはとても良くありません。
こういう事が先です。

古いバイクはとりあえず走れていたとしても、キャブの調子が悪い物が多く(私が最初に買ったZ1000MK2もそうでした)これもガソリンのじゃぶじゃぶ状態になりますからどんどんオイルを希釈していきます。エンジンの状態が良い時、悪い時、使用するマフラーによって本来はキャブを調整すべきですが、旧車バイクに、あるいは古いバイクでなくても、純正キャブレターは社外品の例えばFCRキャブのようには微調整が出来ません。

まとめるとエンジン、点火系も調子が良く、キャブセッティングもあっていれば、オイルの劣化は少ないわけです。オイルの性能は大きく向上しています。となると本来の性能を発揮している旧車バイクは昔ほどにオイル交換の必要はなし。例えば毎回3000キロで交換してするのが習慣になっていても、それが1000キロ、2000キロ過ぎ5000キロ走ろうが問題ないわけです。年末交換予定が来年春になっても良いのです。ただしオイルの量は時々チェックして、減っていればその分足してください。

もちろん、サーキットを走ったり、高負荷な走りをする時はオイルはまめに交換する必要があります。
ところがほとんどの方は多少飛ばして走るにしても、オイルが痛むほど高負荷というところまでは達していません。

ですが、気にして欲しいところもあります。昔とは気候が大きく違い夏は大変暑くなっています。そういう時に空冷のバイクでわざわざ渋滞にはまるようなところに走りに行くのはバイクを壊しに行くようなもの。オイル交換していないことより、そちらの方が古い空冷バイクは負担が大きいのです。

どうしても夏も乗りたければ8月、9月の特に暑い時だけ、早朝走るようにすれば問題解決。

もちろん仲間とロングツーリングに行ったりすればやむを得ず渋滞にはまる。そういう状況になることもあるでしょう。でもできるだけそういうところは避けるほうがいいに決まっています。
私なら真夏は水冷バイク軍団とは一緒に走りませんね。自分のバイクの方が大事です。

もし皆さんのバイクが本来の調子であり、チョイ乗りが少なく(一度乗れば20キロ位は走る)高負荷なな走りをしないのであれば、過剰にオイルを変える必要はありません。そんなことにお金を使うぐらいなら、タイヤの空気圧を1か月に一度チェックしたり(普通の空気でよい)早めにタイヤ交換したり、車検時に悪いところが見つかったら早めに治す。無駄な高いオイル交換代を使わず、本来の調子でないキャブを換えてみる。ローンを組んで良い店でエンジンの整備をする。確実に結果が出る所に使う方が良いと思います。

オイルを換えることも気になるかもしれませんが、古いバイクは車体のねじが緩んでいないかチェックするのも大事です。締めすぎて壊す人もいるので、増し締めでなくて良い。緩んでいないかをチェックしてみるのはどうでしょうか。1円もかかりません。これは必要なことです。

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