極上ニンジャ整備車両を作る(1)

販売車両

まずは販売時にどのような完成形にするかを考えます。
このニンジャは約1年前に当社のお客様が乗っていたものを
買取したものです。

今回、エンジンは好調で、オイルは交換済みなので
プラグを交換、部分的にレストアする程度として、
車体の整備、ニンジャは塗装が弱く錆びやすい部分が
ありますからそこのレストアをします。

話が突然で分かりにくいと思われる方は、
一つ前のブログ、整備とは何かをお読みください。

まずは外装を外し、再塗装に出します。
今回は黒系の純正タイプにします。

塗装屋さんにはこの車両とは別に、
通常のルーティーンとして旧車バイクの色を
常に送って塗ってもらっているので、
1セット終わったら次という感じに
なっています。

今回のようなそれとは別にイレギュラーで
頼む場合は、すき間時間など空いた時に
作業をしてもらうために
かなり早めに依頼しておく必要があるのです。

予定では1年後という感じで。

ラジエターを熱対策として変更するので
それに関係する部品として、
チタンマフラーを集合部まで完成させます。
今回はテストで特別な材料で製作したもので
普段より焼け色が強めに出るタイプです。

材料を別に用意しないといけない為
値段もだいぶ高くなってしまいますから、
今回だけかなという感じになっています。

ラジエターなど周辺の部品を外し、
普段掃除できない部分をある程度掃除します。
これは作業中汚れず、作業に集中できる
ようにするためです。

掃除は最終組付け前に念入りに再度行います。

次にブラスト処理し、加工するのに合わせて
一部切断加工したラジエターステー
(オイルクーラーステーも兼ねた)
を仮付します。

まだ曲げ加工をしていない状態ですが
この真横から見た感じを覚えておいてください。

マフラーとラジエターや、オイルクーラー、
各ステーはすき間の余裕がなく、
ギリギリの寸法になるのでこのようにマフラーを
先に製作してからでないとステーの加工などが
出来ないわけです。

ラジエター側の加工も同時にすすめます。
今回はZRX1100、1200系を使用します。
これは冷えすぎず、ニンジャの純正よりは冷えて、
見た目の印象を大きく変えずに済むものを
考えた結果です。

これを使用すると決定するまで、
他の車種も実際にラジエターを購入し、
機能だけでなく、コストの面でも
一番適切と思われるなものを選びました。

サイズ的には少し大きくなっている程度ですが、
段数が増え、水の流れ方も違うので
改善されます。

まず右、上側のホースの出方が違うので加工しました。
ステーも仮のものを作ってボルトで仮付け。

ZRX系にはラジエター左右にカバー取り付けのため、
この部分に雌ネジが切られています。

それをなくすために言ったん溶接します。
これは機能上でなく、見た目をよくするための加工です。
再塗装前にならしてきれいにします。

続いて、ラジエター下側の取り付けをどうするか
散々考えた挙句、純正同様の形状で固定できるように
部品を作り、ラジエター下側に溶接することにしました。

続いてステー側です。この写真はある程度
加工が終わった後です。

写真では純正との違いが解りにくいですが、
写真中央のパイプとラジエターステーは
純正を一旦切断し、新たにこの位置に
製作、取り付けしたもの。

ラジエターの大型化に伴い、パイプを
数センチ下側に移動し、純正の取り付けステーを
加工し再溶接しました。

さらにそこにオイルクーラーの板状の
プレートも溶接。

ステー下部の元々のパイプをマフラーの
曲げ具合に合わせてやや手曲げ風に曲げて
溶接したところ。

ステーの一番下のところ。
オイルクーラーの取り付けステーになりますが、
ここの部分もさんざん考えた挙句、
シンプルにこのような形状にしました。

オイルクーラーの位置や、ホースとの兼ね合いが
あり、どこにも寸法に余裕がなく、
またオイル交換時の作業性などなかなか
難しい所が多いのです。

加工後に仮付したところ。
どこもかしこもギリギリにせざるを得ない
構造なんですよね。

ラジエター下側の取り付けはこんな感じです。
本組みの時はここにゴムのダンパーが入ります。

オイルクーラーのステーも製作しました。
オイルクーラーコア背面部の風抜けが良いように
強度を保ちつつ開口部を大きくしています。

ちなみに完成し塗装したときの写真はこのようになります。

出来上がるとなんてことないですが、
考えて実際に作業する時間が
ラジエター、ラジエターステー、
オイルクーラーのステーだけで
80時間くらいかかってます。

ただつけるだけならそうでもないのですが、
見た目をなるべく自然して、機能面も
問題ないようにして、と考えつつ、
整備するときになるべく作業しやすいように
(面倒ですがお客さん自身でもオイル交換
などができるように)
と考えると、あちこち寸法もギリギリなので
難しい所が多いのです。

作業時間は塗装などレストアは除いて。
何日休みがつぶれたことか。

初めての作業はこんなものですが。

極上ニンジャ整備車両を作る(2)
に続きます。

この整備模様を紹介している
販売車両のGPZ900Rはこちら









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