なんといい趣味

日記

今回はGPZ900R製作模様の続きは
お休みします。

・旧車バイクへの誤解
古いバイクに対して、壊れる、維持費がかかる
など間違った認識を持たれている方が、
いまだに多く見受けられられます。

こんなに面白いものをそれだけの理由で
乗らないのはもったいない。

ここに書いている内容は、
私が知る範囲の国産4サイクル旧車バイクに
限定されますが、
1970年代以降の国産旧車バイクあれば
故障は本当に少ない。

こんなに壊れず、運転して楽しい、
維持がしやすく面白い乗り物は
本当に少ないと思います。

車に比べれば保管スペースも狭くて済む。
車重が軽いので足回りや車体のへたりも
起きにくく、構造がシンプルなので
余計なものをつけたりしなければ、
そもそもトラブルが起きる箇所自体が
少ない。

それでも旧車バイクについて
あちこちトラブルの情報が
行き交うのは言うのはなぜでしょう。

私に言わせれば取り扱いが間違いでなければ、
そんなことは起きねーよという事ばかりです。

まず正しく整備がされていない。
これがほとんどの原因。

整備とは、今私のブログ
極上ニンジャ整備車両を作るで具体的に
内容を紹介しているように、
当たり前のことをどこまでするかだけです。
近道や、楽なことはない。
もちろん、予算によります。

まずは分解してできるだけ掃除して
悪い所や消耗しているところを
探し出します。

そもそも汚れが付いたままでは
どこが悪いかを判定できません。
したがって汚いバイクは整備されていない。

それにプラスして
今は悪くなくても定期的に交換しなければ
いけないゴムやシール部品を交換するなどの
作業をすることです。

もちろん電気系、配線回りのチェックも
含みます。出先でいきなり走行不能になる
原因は殆ど電気系がらみです。

それと重複する部分はありますが、
その車種特有の弱点部分の改良を施すこと。

解りやすい部分の具体例をカワサキ
Z1のクラッチ回りで上げます。

Z1からMK2系の後期モデルに変わっていくうち
クラッチレバーASSYの形状が
全く変わっています。

この写真はZ1に後期型MK2系のレバーASSYを
取り付けたもの。
こちらの方が断然半クラッチなど扱いやすく、
きちんと切れるようになる。


それだけ換えても不十分で
エンジンのフロントスプロケットカバー内の、
クラッチレリーズ機構も構造が
変わって改良されています。
これも同時に行う必要がある。

Z1系はこのレリーズがクラッチレバーを
握った際に力が逃げてしまうような構造に
なってしまっているので、
それを改善するために変更されています。

力が逃げると、クラッチがきちんと
切れなくなったり、半クラッチ時の
操作がしにくくなります。

と同時にクラッチケーブルも悪ければ
交換。かつ油圧クラッチものと違い
ケーブルの取り回しはフリクションが大きく
ならないように急な曲げなどがおきないように
組付ける。

可能なら、エンジン内のクラッチディスクと
クラッチプレート、クラッチのスプリングも
交換。

そうすればますます、クラッチの切れ
が良くなり、半クラッチ操作もしやすくなり、
かつ全開、上まで回して滑ることもなくなる。
さらにギヤのシフトチェンジもしやすくなり、
ニュートラルも出やすくなり、当然
トラブルも遊びの調整さえ適切にしていれば
ほぼ出ない。

こんな整備しないわけにはいきませんね。

クラッチはこんな感じ。

クラッチレバーASSYは他のメーカーの
旧車バイクもZ1の形に似たものが多くあり、
それを交換するだけで操作がしやすくなるものが
あります。

ただ社外品も多く売られており、
改善になっておらず改悪になっている
商品もあります。

それと、Z1でいえば点火系がポイント式です。
これを無接点のフルトラ式に換える。
皆さん当たり前にしていることです。

ポイント式もきちんと整備すれば
殆どトラブルは出ませんが、
接点がある関係で定期的に調整が必要なのと
関連する部品が劣化して、
完全に火が飛ばなくなってしまっては
いないけれども本調子でないという、
あいまいな状況がおきたりします。

ポイントが悪いのかな?と思う時は
そもそもエンジンの調子が悪くなった時
です。

火は飛ぶがあいまいな状況な時、
こうなるとキャブか、点火系か、
エンジン本体かの原因特定まで
結論が出にくくなってしまいます。

むしろ、点火の火花が飛ばないとなれば
すぐに原因を判断できるのですが、
実際にはもっと中途半端な症状の方が
はるかに多いのです。

ですから修理が難しくなり、
その車種の経験がなかったり
部品の在庫を持っていなければ、
バイク屋さんが一発ですぐにきちんと治せずに
何度も修理に出す羽目になります。

バイク屋さんによってはその都度お金も
とられますから治っていないのに
修理代がかさむ。気持ちもへこむ。
文句も言いにくい。

そう言うことは避けるべきです。

ですので、あらかじめ、
エンジンの調子が悪いとなった時、
点火系の不具合がないと判断できる状況に
納品時整備されていればいいわけです。

後はキャブか、エンジンのコンプレッションが
悪くなっていると判断できます。
(たまにテンショナー、アイドラーなどの
絡みでバルブタイミングがおかしいなんて
いう事もある)

キャブも純正の雰囲気が良いのは解りますが
消耗品です。見た目は何ともなくても
良い混合気を作り出す状況になってない
事がとても多いです。

またエンジンの仕様がボアアップされていたり
マフラーが変わったりすれば、
それに合わせて本来ならセッティング
も変更できなければいけません。

その微調整がそもそも純正キャブは
得意な構造になっていない。
キャブは本来微調整ができることが
大切な部分です。

そこがあらかじめ新品のキャブで
セッティングもきちんとした状態で
納品されていればどうでしょうか。

エンジンがもし調子が悪いとなった時、
キャブが新品、オーバーフローなども
していない、点火系も悪くない。
となればエンジンそのもののどこかに
原因があると特定できます。


こういう整備、改良を一部だけ行われた
車両なのか、全体に行われた車両なのか、
あるいは全く行われていない車両なのか、
それによって納車後のトラブル、維持費が
全く違ってきます。

整備や、改良がもし車体全体に
正しく行われていれば
乗って楽しく維持費がかからず、
トラブルが少なくて済む。

もし部分的な整備をされたものであっても、
過去のまともな整備士が行った
整備状況が解るものが記録として残っていれば
今度の維持に計算ができる。
その分車体全体の整備がされたものより
価格が安ければいいわけです。
これは筋が通っている。

ただし、古いバイクによくある
車体全体をばらしての作業となった時には
整備する人で出来上がりの完成度が
全く違います。

多くばらすわけですから、上手くない、
経験がない、作業が雑な人が作業すれば、
ばらした量に比例して、
トラブルの量も増えると思って
間違いない。余計なことはするな、
という事です。

そうなるぐらいだったら
その余計な作業をせずにメーカー出荷
そのままの方がむしろトラブルを
抱えなくて済む。

だったら、オリジナルの状態で保管されて
いたようなもので、
かつ消耗するほどではないけども
時々乗られているようなものを
買えばいい。

ただし、
これがZ1のような50年も前のバイクであれば
そんなものは、ほぼないですね。

かりに新車時の状態で、
素晴らしい保管状況で置かれていたとして、
そのまま乗れるかといえば、
それは無理。金属部分は消耗しないとしても、
ゴム類や、シール類、またキャブや
ケーブル類も年数と共に動きが悪く
なってしまうから。

金属部分も動かしていないと
摺動部分の調子が悪くなる。

やっぱり機械ものは適度に乗ることで
調子を維持できるものです。
乗っていないのに調子悪いは、
乗っていないからこそ調子が悪いのです。

やっぱり飾るのではなく乗る前提なら
分解しての整備は必須なわけです。

だから整備済みといって売られているものを
鵜吞みにせず、どれぐらいのレベルの人が
作業をしたのかをいうことが大切に
なってきます。

きちんと整備された良いものは少ない。
ですがぜひ一度本来の調子で走る旧車バイクに
乗ってみてください。

思った以上に乗り易く、楽しく、
今のバイクには無いものが沢山得られますから。
そして維持費は新しいバイクと同等ぐらいにしか
かからない。
なんといい趣味なのでしょうか。

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