古いバイクの適切な販売価格って
いくらぐらいなのか?
当社で販売価格を決める時には
私自身でこのバイクを買う時にいくらなら買うか、
ということを大切にしています。
自分でも買わない、内容が伴わないものを
人に勧めたりはしません。
ハッキリ言えば当社で販売したどのバイクも
内容から考えると価格は安いと思っています。
もちろんその判断はお客さんがすることなのですが。
当社で過去にレストアや整備をしてから
販売したバイクを、今のオーナーさんが
本当は持っていたいと思っていても
色々な理由で手放さなくてはならない時が
あります。
本音を言えば少しでもどのバイクも
もっと高く買い取って上げたいという
気持ちがあるのですが、
それでもオーナーさんの希望の金額には
至らないこともあります。
その理由は先ほど書いた、
自分でこのバイクを買う時にいくらなら買うか
ということが最優先だからです。
販売したバイクについては、
現在の相場、販売時の整備やレストアの内容
一番詳しく私が知っています。
当社を開業してからしばらくした
約20年ぐらい前、2000年代後半ぐらいから
多くの製作時データを写真で詳しく残しており
それにプラス、エンジンなどであれば
クリアランス、重要な部分の締め付けトルク、
セッティングなど、どの様な作業をしたか
メモも残してあります。
記憶があいまいでも調べれば
何をどのようにしたかもほとんどの場合
解るわけです。
写真データについては1000枚~2000枚に
及ぶこともあります。
それを考えいくらで販売するのが
適正なのかを判断します。
フルレストアや大掛かりな整備を施したバイクは
オーナーさんが当社に戻してくれることが
多いですが、
数は少ないですが現状販売車両で安く販売した
バイクについてはオーナーさんとのつながりも
希薄です。
それで大手の買取販売店の方が査定価格が
高くなる場合もありますから
他店に流れてしまうこともあります。
それらバイクは、走ることは走るものの
今後もかなり整備が必要なバイクであり、
本来安く売られていなければいけないはずなのに
すごく高い販売価格で売られてます。
そのような価格のバイクはすぐには
売れませんが、1年ぐらいのうちには
買われていきます。
買う人が正しい情報、経験を持っていないの
でしょうね。あきらかに大損です。
そのバイクにはその価格の価値が
ないことを私は知っています。
そのようなバイクを高い値段で誰かが
買ってしまうから、
金が儲かればよいという店が
さらに高値で古いバイクを販売し
古いバイクの値段がさらに上がってしまう。
確かに今は何でも価格が高くなっています。
その中で例えばカワサキZ系の重要な部品、
アイドラーアッセンブリー
部品番号12057-002は私の記憶では
1個1万円以下で買えていました。
今は17710円。ほぼ倍になっています。
しかもカワサキの部品は私たち業者でも
ほぼ定価でしか購入できません。
つまりやり取りの手間など考えると
売れば売るほど赤字です。
これもそのうち欠品になり、代替社外品で
さらに高い価格でないと買えなくなるでしょう。
古いバイクは新しいバイクと違い
整備とレストアに手間(時間)、
つまり費用が必要になります。
ですがそれら部品の高騰があっても
古いバイクでまともに整備やレストア
されていない状態の悪いバイクの価格が
高すぎる。
整備をしない(あるいは最低限しかしない)
ということは価格の高騰など
関係ありません。
部品を買って使用しないわけですから。
そして売れやすいように見た目が
良くなるような作業だけを最低限施す。
それらの内容の伴わない古いバイクを
高い値段で買ってしまう人が多くいるので
古いバイクの値段がどんどん高くなって
いるわけです。
このことの繰り返しで
ほんの10年前までは本当に好きで買えていた人たちが
買えなくなっているのです。
私はどうもそれがいいこととは思えない。
このようなことを続けていれば
世の中には整備がされていない
まともに走らない古いバイクであふれることになります。
そうなれば本当に状態の良い古いバイクを
知らない人達は、
古いバイクは故障ばかりでまともに乗れない、
そう考える人ばかりになってしまうでしょう。
古いバイクが今以上に価格が高くなってしまえば、
値段が高くても買える余裕のある人たちのみの
趣味になってしまう。
物には何でも適正価格があるのです。
今の古いバイクの販売価格は
中味のない物でも高すぎる。
プロである私が見て、そう思います。
高くても買える人は、全体として数が多くないので
今部品を作ってくれている業者さんも
数が売れなくては部品を作るのを辞めて
しまうかもしれませんし、
懸命にまともな古いバイクを納品している
当社とつながりのあるようなショップさんも
続けていけなくなるでしょう。
そこで、古いバイクでも
まともな価格で販売されるよう、
この様なまともな整備がされていない
古いバイクが高い値段で売り買いされないように、
小さな力ですが動きます。
まず今回、
当社は今手元にある販売車両のZ900の
仕入れ価格を公開することにします。
このZ900の車両仕入れ価格は
車体価格170万7304円
当社までの配送料
21700円、
合計172万9004円です。
Z900としては高い方になります。
今回仕入れ価格が高い理由としては
オリジナル状態に近く、
全体に程度が良いから。
オリジナルに近いものでも程度が
悪ければ価格は下がります。
オリジナルに近くて程度の良いものは
分解組み立てをされている箇所が少ないため
エンジン、車体共に壊されている箇所が
少なく、まともなものを納品するという
前提であれば、修理箇所、交換部品、
レストアに対する手間が減ります。
もちろん仕入れ価格が高すぎては
ダメですが、同じ金額で販売するなら
程度が良く、お客様にとっては
結果的に安く買えることにつながります。
これは当社が徹底してこだわっているところです。
この車両をベースに必要な整備を施し
販売しますが、今回は販売価格も公開します。
さらに整備や、部分レストアした箇所なども
全て写真、解説付きで公開します。
販売価格は購入者が確定していないため
決まっておりません。
それは購入希望者さんのご連絡いただく
タイミングにより
購入希望される方のこういう物に乗りたい
と言う希望と予算を聞きつつ、
当社で考えるしなければいけない作業は
必ず整備してからの販売になるからです。
つまり内容によって価格が変わるからですね。
今回は販売価格を公開するので
その旨了解の方のみでお願いします。
販売価格、仕入れ価格、
作業内容を公開し、
そして一般に売られているZ900の
具体性など全くない
整備済みですと言われている車両と
比べていただきたい。
上っ面レストアしたものと、
公開する誰が見ても解る状態で価格と、
内容の比較をしていただきたいのです。
こうすれば、ここまで整備したもの、
手間がかかったものが
どれぐらいで手に入るのかが実感できます。
ただ高いものを買うのではなく
中味(どのような整備、レストアをしたか)
解った上でこの金額なんだという
ことが解れば、
大して整備など施されていない、
古いバイクが好きでも何でもなく
ただ儲かればよい、
あるいはまともな整備ができない店から
買う人は減っていくでしょう。
今回のZ900は現在初めて依頼する
業者さんに外装の塗装を依頼をしています。
当社の今まで依頼している塗装屋さんは
超一流ですが、忙しく納品まで
時間がかかります。
少人数で品質にこだわっているため
これは仕方がありません。
当社では常に新しい塗装屋さんを
探しています。高品質、適切な納期、価格で。
このZ900の塗装はオリジナルのものが
ついていたので
別の外装セットを準備して
錆取りの対策をしたうえで送り
新たな業者さんに一緒に送って
塗装依頼しています。
上手くいけば今後の納期の改善にも
なるので、塗装屋さんは常に探しています。
またキャブレターはFCRに交換します。
キャブレターは現在22~23万ぐらいはします。
つまり現段階で車両代と合わせると
200万以上はかかっているわけです。
そしてエンジンは全分解しての
整備、エンジン外観はレストア、
車体も必要な部分の整備と
必要な部分はレストアを施して
ノーマルに近い雰囲気のものを
納品いたします。
これらの作業を全て公開します。
販売価格は300万円台から
400万円ぐらい。
この価格で今の価格高騰の世の中で
どこまで整備や、レストアなど
出来るのか。
ぜひ購入していただき、今回の
当社の考えにご協力、賛同していただける方を
募集いたします。
お問い合わせは当社問い合わせフォームから
お願いします。
次回は過去に実際に販売した
Y様GPZ750、ノーマルマフラー
マグタン取付仕様の
整備模様を紹介します。
この車両もエンジンは降ろして
整備しています。
古いバイクはこういうことが
当たり前にならなければならないと思います。
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