旧車はあなたにあわせてくれません2

先日の話の続きになりますが、
エンジンを全然回さないで乗り続けるということは、
どうなのか。
先日のブログで、製作された時期も関連すると書きました。
Z1時代であれば道もすいていて、今ほど暑くはなく、
アクセルを開けて走れる状況であったと思われる。
みたいなことです。
当然メーカーがテストするときも、その条件でのテストだったと思います。
何十年か後に暑い日が多くなり、渋滞が増え、
乗り手側は、普段快適な車に乗り、車やバイクが自分の運転の
間違いを知らないうちフォローにしてくれる。
それが普通となり、バイクや車がフォローしてくれることに慣れた人たちが、
休日に旧車を運転する。そんな未来を予測するのは不可能です。
ですから、渋滞にはまり続けるテストは少なかったでしょうし、
エンジンをかけて、一度も上まで回さないで一日が終わる。
そういうエンジンの使われ方を、想定はしていないと思われます。
そうなると、そのテストではおこらなかった不具合が生じます。
先日ブログに書いたキャブのこともそうですが、それ以外に
エンジンの熱の入り方も大きく違ってきます。
今までエンジンを見続けていて、まわし気味で乗られる方の方が当然、
熱的には厳しくなり壊れそうな感じがします。
ところが、設計的な問題や、ガスケットの材質、シールの材質などの関係で
漏れやすい箇所以外で、実際にエンジンのオイルが漏れたりするお客様は、
圧倒的にゆっくり走り続ける方が多いのです。
部分的な、熱の加わり方が違ってくるのだと思います。
それが製作した時の使用条件と大きくかけ離れた使い方であれば、
問題が起きやすくなってしまうでしょう。
水冷エンジンは空冷エンジンに比べ、その違いが少なくてすみます。
ウオータージャケットがある程度、温度を一定に保ってくれますから。
ですが、空冷エンジンは乗り手の扱い方によって、熱の入り方が
大きく変わりやすいのです。走れば温度が下がり、止まると冷えない。
外気温が高ければ冷えず、外気温が低ければどんどん冷える。
また慣らし運転後に、徐々に回していって普通に乗るように
なっていくわけですが、適度に回して、エンジンに適度に熱が
入った状態で負荷がかかる。
オイルが入っていますから、直接金属どうしが触れるわけでは
ないですが、オイルをはさんで金属どうしのその出っぱったりしていて
回転の抵抗になる部分が小さくなっていく。
そうすることによって、抵抗が減り、よく回り調子の良いエンジンに
なっていくのではないかと思います。
実際に運転上手で、納車時よりバイクの状態が良くなっている方も、
たくさんいます。
逆に不可が小さすぎれば、圧力がかからずその出っ張りは小さくならず、
そのまま残る。
ですから、エンジンの吹け上がりは重く、ガサガサ回り、本来の調子を
味わうことはできない。同じお金を払っているのに。
適度に熱が入った状態でということもとても大切で、
要は、メーカーがそのような使用条件でつくり、
テストもしているのですから、それを全く無視した乗り方では、
バイクも傷んでいくし、本来の調子を得られない。
逆に昔どのような考えで作られていたかを考え、
どのような使用方法が適切かわかってくれば、
調子よく、壊れず、パワーも出ているという車体、
エンジンに乗れるのです。
今のバイクや、車はどうか。
技術が進み、そんなことを考えて乗らずとも、
変な乗り方をしても、渋滞にはまることが多くても、
上まで回さず、熱が変な入り方でも、そこまで見越して
設計し、必要なモノを作ることができる。
勿論完璧ではないし、コストの問題もあるので、
今ひとつの箇所があるのはあるのも解ります。
それでもいろんな悪い条件も見越して設計し、
昔よりはるかに技術があるので、
運転の上手な人が乗っても、そうでない人が乗っても
旧車ほどに違いが現れない。
ですが、そういう余計なものがついているものほど
面白さは減っていくでしょう。
究極はこけないバイクかな。
話がそれましたが、そういうものではなかった旧車バイクでは、
バイクの方に合わせるべきところは、あわせて乗ることが
大切なのです。
50代以上の、昔から車とバイクに乗り続けている
先輩方のバイクは、割合で言うと故障が少ないです。
無意識のうちに旧車と言われるモノの扱いが、適切に行える術を
持っているのだと思います。
そしてこの部品はもともとこういうものだ、と解っているので
いろいろ余計な心配もせず楽しく乗れる。
もしこのブログを見ている方で、
「旧車っていろいろ難しそうだな」と思う方がいるかもしれません。
でもそうではないのです。
もともとそういうものだという部分はたくさんあります。
例えばエンジンのノイズは大きいです。
エンジンのオイルも減ります。同じように走っているつもりで、
同じような距離を走っていても、減る量も違ってきます。
それは、同じように使う側が思っていても、機械側から言えば
同じではないからそうなっているだけのことなのです。
エンジンがよく走って、特別大きなノイズも出ていないのなら
心配する必要はありません。
一般の方から見れば、どれぐらいまでが正常で、
どこからが異常かどうかは、判断は難しいでしょう。
そういう時の判断のために専門店があるのではないでしょうか。
なんでも今の基準で考えてはいけません。
余計な心配はしないで、今の50代以上の方が無意識におこなっている
簡単な操作法、そして、ここまでは気にしなくて良いという部分を、
アドバイスを受けながら会得する。20代~40位の方は、
先輩のバイク乗りに学びましょう。ただしまともな人に。
そうすれば、故障少なく、調子も良い、
そんなバイクに乗り続けることができるのです。
解らない場合は私に聞いてください。
そこは気にしなくていいですよ。そこは気を使ってください。
と、できる限りお答えします。ただし電話で。
最後に。闇雲に回したり、高負荷を続けたり、暖機運転も
ろくすっぽせずに負荷をかけたりすれば激しく壊れます。
物事は何事も適度に。です。

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