面出し

今現在当社で販売する車輌、あるいはOHや修理など
エンジンの作業をする際にしている作業があります。
それがこれ。
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特注というほどではないのですが、それ用の大きなサンドペーパーを
オーダーで作ってもらい、それを定盤の上に貼り付け面出し加工をしています。
一般に売っているものですと小さくて足りず上手く作業できません。
要はたいらにするだけなのですが、考えて作業しないと、
漏れが治らないばかりか、かえって悪くなります。
カバー類は固定するのが難しく、機械で面研などをするのは難しいので、
このようにすることにしました。
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ここで紹介しているものは一部ですが、すべてのカバーに行います。
エンジン本体側は、傷、メーカーの加工ミスなどあれば
その部分だけ修理しますが行いません。
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慣れて、要領が解ると大きい物以外はそれほど難しい作業ではないのですが、
丁寧に行う必要があるので結構時間がかかります。
程度にもよるのですが、2台分するとなると準備や片付けを含めると
一日仕事になるような、地味ですが結構手間がかかる作業です。
いつから始めたか、正確な記録はないのですが、
ここ1~2年のことだと思います。
それ以前に作業したもの、いま整備などで分解作業する際、
必要だと思うものは新品でも全て行うようにしています。
これはオイルのにじみ、あるいは漏れに対してそれを減らすのに有効です。
なにぶんZ1系で約40年前、MK2系でも約30年前のバイクですから、
年月が経つとともに大きく歪んだり、部分的にくぼんだようになっていたり、
過去の整備した人間が悪いと、その時に痛めてしまっていたり、
多かれ少なかれ面は出ていない状態です。
当然エンジン側も弱いカバーほどではないですが、多少はそういう状態ですので、
お互いに状態が悪いままで組み付けると、余計オイルにじみが増えるのは当たり前です。
この作業を始めたきっかけは、新品のカバーを組み付けたのにもかかわらず、
オイルにじみが出たのがきっかけです。
そのときから新品でもなんでも、各カバー類はすべてチェックするようになったのですが、
極めて程度の良いものでも、面が出ていないものが多いのが解りました。
さて実際にこのように作業するようになってからは、
元々の設計やガスケットの材質などの関係から漏れやすい部分も、
以前よりだいぶにじみも少なくできました。
見えない部分ではありますが、なんせ古いもの相手ですから、
こういう部分も大切にすべきことだと思います。
こうやって年々作業の量が増えていくので、
いただく金額は変わらないのにどんどん労働時間が長くなる。
面出しするから、メッキ加工を3社使い分けするから
追加料金くださいなどとは言えないですもんね。
ですがこのような作業こそ、旧車バイクを長く楽しんで乗るのに
排気量を何ccにしたとか、マグホイールつけたとかの
解りやすい派手なことではないものの、とても大切なことだと思います。
ちなみにこれは、これから分解作業するカワサキZ系は、
すべてしたほうが私は良いと思いますが、
同じカワサキでもローソンなどのJ系、スズキの刀などは
ヘッドカバーのガスケットの材質などは漏れにくいものですので、
慌ててする必要はありません。
分解することがあれば確認し、必要であればするという程度で良いと思います。
また同じZ系でも前期型のZ1、Z2の方がモノが軽いため、
肉厚が薄くMK2系より多く歪んだり曲がったりしているようで、
より効果的です。

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