FX750製作模様8

今日の大分は、春らしい天気で暖かく、
出社時信号待ちしていると、スタンドで給油している
CBのボルドール2を見ました。
手慣れている感じでいい雰囲気です。
どんな道具であっても、あれぐらい自然に
扱えうことができるほどにはなりたいと思います。
私は20年以上になる花粉症持ちですが、
車の窓を閉めて走るのが好きではなく、
バイクのように風をうけながら走る方が好きです。
この時期にまだ納車できていないお客様のバイクの
ことが頭に浮かび、申し訳ないと思いつつ、
やはりバイクは春と秋に走らなければと思います。
FX750製作模様の続きです。
ピストンとシリンダーのクリアランスを測定します。
使用するピストンはこれ、JB製鍛造ピストン。
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信頼できる会社にボーリングなど依頼していても
人間はミスをするので、ダブルチェックの意味で
必ず測定します。
こういってはなんですが、こういう必ずすべき
作業を省き、交換すべき部品を交換しない、
あるいは品質の低い(金額が安いとは限らない)
物を使って旧車のレストア、整備ごっこをすれば、
おのずから悪い結果がついてくるのはあきらかでしょう。
お金も手間(時間)もかけず良いものが手に入る
わけはなく、ある意味旧車をきちんとした状態で乗ると
いうことは、今買える新車を買うことよりも
(仮にそれが高額なものでも)贅沢な本当の
大人の買物と言えると思います。
何せ一番大切な時間とお金の両方が必要なのですから。
あっと、結婚しているなら家族の理解も必要ですね。
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ピストン裏側。
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マイクロメーターでピストンをまず測定。
JB製はコスワースピストンと測定場所が異なり
ピストンスカートの端ではなく、
端から10mm程度リング側に近い箇所を測定します。
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ボアゲージでシリンダー側を測定。
縦、横のそれぞれ3か所ずつ、6箇所測ります。
測定の際に測定傷が入らないように少し気をつけます。
その時の室温は必ずしも一定ではありませんので、
ライナー打ち替えボーリング作業を依頼した会社に
問い合わせして測定した時の数値を教えてもらい、
その時の数値と私の測定した数値を両方確認することも
あります。
冷機時の適正なクリアランスは、ワイセコなどより
大きめとなります。
ノーマルピストンと中古シリンダーの
クリアランス測定の場合はばらつきがあることも多いので、
もう少し測る箇所を増やす場合もあります。
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ピストンリングです。
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この後リングの合口隙間を測定するのですが
その前に合口のエッジの部分の面取りをします。
解りにくいですがこの写真は面取り済みで、
セカンドリングです。
ピストンリングは、私がコスワースピストンを
扱い始めたころとは形状が変わっています。
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シリンダーにピストンリングを入れ、
ピストンを入れて、リングがシリンダー上面に対し
斜めにならず、平行になるようにします。
入れるピストンのリング溝位置に合わせれば
自然とそうなります。
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リングを入れたところ。
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シクネスゲージで測定。
ピストンリング形状が変わってから合口隙間は
以前のものより大きめになりました。
トップリング、セカンドリング、
オイルリングはシクネスゲージで測定し、
オイルリングに挟まれるエキスパンダーは
目視で確認します。
以前は2本リングタイプのピストンもあった
メーカーもありますが、今は3本タイプが
主流になってます。
測定が終わり問題がなければピストンに
ピストンリングなどの組み付けを行います。
今までピストンとシリンダーのクリアランスに
問題があったことはなありませんでしたが、
リングは隙間のないことがあり、交換してもらいました。
確認は大事です。
こうしてきちんと作業を順を追って行えば、
仮に後日問題がおきたとしても、写真も撮って
ありますし、この部分には問題ないことが解ります。
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ピストンリングを組み付ける前に、
ピン部のサークリップを片側組み付けておきます。
サークリップも先が曲がったタイプに代わっていますが、
私はこのタイプは組み付けにくいのであまり好きでは
ありません。
ピストンリングを組み付けるときに、ピストンと
ピストンリング部分にオイルを塗る関係で、
サークリップをリング組み付け後に組み付けると、、
オイルべたべた状態で作業がしにくくなります。
またオイルを塗った後にはどうしても埃が
付着しやすくなるので、このタイミングで行えば、
リング組み付け後にはすぐにピストンをしまえ、
埃がつきにくくより良いと思います。
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リング組みつけ前。
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オイルリングから組み付けます。
オイルは塗りますが必要以上には塗りません。
組み立て作業がしにくくなるからです。
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ピストンリング組み付け終了。
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いったんビニール袋に入れて保管。
当社は狭いので、エンジン本体を組み立て中に
このような作業をすると、エンジンの大きい部品で
場所を取られ、作業に集中することが難しくなるので、
先に組み付けておくようにしています。

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