雑感。

今までも繰り返し書いてきたことですが、
きちんと整備できる人が少なくなってきました。
あるいは作業した本人は整備をしているつもり、
なのかもしれませんができていない。
そういうことを目の当たりにすることが
多くなってきました。
特にここ数年、特にひどくなってきたことは
間違いない。
当社取り扱いの旧車バイクのエンジンでいえば、
5大整備悪はこれ。
①ネジ部分の破壊。おもにボルトを緩めたときに
固着しておりボルトが折れたりしてそれを
修理するときの作業がダメでもっと悪くしている。
できないなら、できないと言いなさい!
②液体パッキンをあちこち塗らなくて良い所、
あるいは塗らない方が良い部分まで、
とにかく全てに塗ってある。
そういうダメ整備を受けているエンジンはだいたい
各カバー類、ガスケットを間に挟んで組み付ける、
傷を入れてはいけない合わせ面に深い傷が
入っている。もっと丁寧に作業して!
③エンジン分解時にプラスチックハンマーで叩いて分解、
あるいは、本来こねる箇所等があらかじめ設置されており、
こね棒などで慎重に作業すれば何も壊れたり、
変形することなどないのに、金属のハンマーで
直接エンジンをたたいて分解するアホ。本当にいる。
ついでに空冷エンジンのフィンも折ってくれて
いたりします。もう何も触らないで!
④エンジンを分解して整備作業をしているにも
かかわらず、本来優先して交換、あるいは修理、
加工などをしなければいけない部分をそのままにしてある。
予算などのからみがあるのは理解できるが、
あまりにも悪質なものがある。
先に交換すべき、修理すべき部分に手を加えて!
⑤上からエンジン全体に薄く色を塗って
ボロをごまかしてある。
売るための作業ばかりでなく使う人のことも考えて!
特に旧車は代わりの部品が簡単には手に入らない。
当然エンジンがこれであれば車体もひどい、
ということは簡単に予想できます。
これを避けるのであればなるべく下手に整備をしていない
ベースの車両を手に入れ、作業できる人に整備やレストアの
作業を託すしかありません。
仕入れに自信がなければ、作業してもらう人に探してもらう。
知ったかぶりは痛い目を見ます。
ただ普段旧車の作業をしたこともない人(会社)に、
今までのお付き合いの延長線上で依頼すべきではありません。
それではいくらやる気があってもノウハウがないのだから、
お金はたくさんかかってもできるものはたかが知れています。
整備できる人を育てるのには時間がかかる。
何年もかかる。その基本ができてから
さらに一生覚えることがある。
教える側にも教わる側にも、そして会社にも根気がいる。
コストがかかる。
やたらと営業マンを増やしたり、広告にコストをかけ、
お客さんの入る数を増やすことばかりに目を向けている
会社が多い。
その裏でコツコツ経験を積み上げていかなければ
いけない整備士はくだらない作業や、
プライドを無視した扱いで疲弊して辞めていってしまう。
「クルマ、バイクは趣味でいい」と言い、
本来好きでついた仕事なのに辞めていき、
全く違う仕事に就く。
何度この話を聞いたことか。
そんなことでいいのでしょうか。
良い整備士が消えれば結局自分たちの
気に入ったクルマやバイクは
誰が整備してくれるのでしょうか。
こういう話を責任ある立場の方から聞くことが
圧倒的に増えてきました。
私自身もそう感じます。
今現在はこのような状況ですから、
20年ほど前に比べ依頼する側が良い整備を
受けようを思えば、あるいは良い整備とはいかなくても
今まで何の苦労もなく普通の整備は受けられたのに
それすら難しくなってきています。
過去とおなじレベルのサービスを受けるのによりコストと
手間がかかるようになったと言わざるを得ません。
より高品質なのもを求めればより大変になります。
私も車の方は依頼する側なのですが、
とても難しくなってきました。
クルマの方は実用で使っているので
代車、あるいは時間の関係でディーラーさん
の方がいろいろと都合が良いのですが、
お願いしていた整備士さんはみんな
現場を離れ工場長やさらに上の役職になったり
してます。
また移動などで勤務地が遠くなるとまた都合が悪い。
代わりの人は簡単には育たない。
良い店でも足車はやはり遠いと大変。
車種によって得手不得手もある。
この辺の状況は皆さんがバイク屋さんに
作業依頼する場合となんら変わらず、
情報を地道に調べ、実際に連絡を取り、依頼し
確認をとっていくしかありません。
今現在使っているトランポは以前の勤め先
のメーカーとは違うので何のコネもつながりも
ない所で買い(近いから)、クルマは問題ないの
ですがオイル交換作業でさえ、毎回きちんと
できていない。
「いらっしゃいませ」とにこにこ顔で近寄ってくるより
大切なことがあるでしょう。
工具買うより腕磨け!
と言われていた整備士の時代を思い出すのです。
皆さんのまわりではどうですか。

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