本年の締め(さらに文変更しました)

本年も無事に一年過ごすことができました。
すでにご注文をいただいているお客様、
そして日頃から整備等、ごひいきにしていただいているお客様、
そして部品の仕入れ先、各取引先の皆様に感謝いたします。
ありがとうございました。
年末年始のお休みは明日からとなっております。
年始の方は本日のはかどり具合で変わりそうですが、
5日あるいは6日からとなると思います。
来年もよろしくお願いいたします。
すでにお客様にメールなどで年末のご挨拶を
いただいている方もおりますが、年賀状も書かず
ロクに返信もなくということで申し訳なく思います。
年末年始は燃え尽き症候群のため、
全くやる気のない状態ですので、
そちらの方は来年、車体の作業をきちんとする!
ということでご容赦を。
すでにご注文をいただき、長きにわたってお待ちいただいて
いるお客様には、特に申し訳なく思っております。
良いものを、少しでも早くお届けできるよう努力いたします。
本年の締めに先日納車いたしました、
Z1完成写真をご紹介。
お時間があるときに隅から隅まで
見ていただければと思います。
感想もお待ちしております。
パソコン等の方はぜひ拡大して見て下さい。
写真は下の方にたくさんあります。
ここから下の文は、小島様Z1のHP掲載用の
コメントとなります。その関係でやや読みにくいかも。
カワサキZ1(関東 小島様)
このZ1は関東にお住まいの小島様から平成26年の3月に
ご注文いただきました。
完成したのは27年の12月、長くお待たせすることと
なってしまいました。
ベース車両にしたZ1は、あらかじめ当社で
フルコンプリート用に購入していたものです。
通常当社で在庫車両を持つことは少なく、
(ご注文いただいている分の作業が詰まっており、
在庫してもその車両の作業まで手が回らないため)
逆に無理しても在庫しているものに関しては、
その時の相場より良い条件で購入できていることが多いです。
そのため、お客様の第一希望の車種、年式ではないことが
あるものの、通常と同じ支払い金額なら、より高いレベルでの
販売が可能です。
ただそのような車両はなかなかでてこないのですが、
小島様にお問い合わせいただ時にはたまたまこのZ1を
在庫しており、小島様にこの車両をお勧めしたところ、
そのZ1をすぐに購入していただきました。
小島様はステンレス製のブレーキディスクを希望
されていたので、そのころから入手が難しくなってきた
ロッキード製4ポッドキャリパー3369にかえて、
私も新しいブレーキキットを用意する必要があると思い、
ブレンボ製削りだし4ポッド、それに合わせリヤも
ブレンボ製2ポッドでブレーキキットを製作しました。
当社では旧車バイクは眺めるだけの物ではなく、
きちんと走ってこそ価値があると考えていますので、
ブレーキ回りの部品は走るうちに消耗するのが
当たり前と考えます。
そのブレーキの部品にあまり特別なものを使うと、
後々維持するうえで難しい部分がでてきます。
その関係でブレーキディスクは径、厚み、デザイン
などを考えた上、市販されているアウターディスクに、
インナーを部分オーダーで製作、性能と先々の維持を
考えたものとしています。
フロントのパッドは付属品、リヤパッドのみ交換して、
前後とも扱いやすく適切な効き具合としています。
さらに効きを得たいのならフロントのパッドも
交換するのもありかと思います。
今回エンジンは1105ccのフルオーバーホール仕様、
クランクシャフトはZ1のものではなく、フィーリング
の良いものを目指し、重めのウェブのクランクを使い、
今回金額はやや高くなってしまいましたが、ベアリング
なども交換し使っています。
この組み合わせですとアイドリングからフィーリングが良く、
日常よく使う回転域からとてもスムーズでノイズも少なく、
そこから高回転域に向け気持ち良く吹け上がっていきます。
ノーマルピストンでこの重めのウエブとの組み合わせは
ダルな部分もありますが、JB製73mm鍛造ピストン
との組み合わせでは、レスポンスも気持ち良く、そして
扱いやすく、峠道グルグルでなければ、日常使いから
ツーリングにとても向いている、私もとても好きな
お勧めのエンジンです。
車体回りもフレームからレストア、補強し、ネジの1本、
ワッシャの1枚まで考えて組んでいます。
場所によって指定箇所でない所もネジロックを使っています。
整備の際に緩まなくなるのも困るので、高強度物は少なめ
に使用し、軽強度タイプで樹脂も使えるもの、金属用などを
使い分けます。
ネジ、ボルト類は全てに無駄に長くならないような物を
使います。場合によっては長さを旋盤で削り調整してから
メッキにだしています。
スプリングワッシャは緩み止めとしてはそれほど効果的では
なくても、雰囲気も大切なので、機能と雰囲気を考え場所に
よっては使います。
ネジ類は見た目だけでなく整備のしやすさ、必要な強度など
を考えてます。
ネジ類を含めメッキ品は再メッキ品、新品を必要に応じて
使い分けます。
小さな部品のクロームメッキ品は再メッキの仕上がりに
ばらつきがあるため、場所によってステンレス部品を
作ってバフがけして使います。
これで美しく仕上がり、ほとんど見分けがつきません。
私の以前の勤め先の社長の車が当時ロールスロイスで、
メッキ品だと思って(錆びやすい部分なのに錆びて
いない)良く良く調べたらステンレスのバフがけで
びっくりしました。
再メッキの際はただ丸投げでなんでも同じメッキ屋さんに
出すのではなく、それぞれの部品に必要なメッキの種類に
応じて、どのメッキ屋さんがどの種類のメッキが仕上がりが
良いか実際にだしてみて調べ、仕上がりが良かった
メッキの種類に合わせそれぞれの会社に依頼しています。
もちろん金額も考えます。高くても仕上がりが良いとは
限りません。バイク屋さんでも同じ金額で良い物と
そうでないものを売っているのと同じです。
またメッキにだす前の下処理を当社で行い、なるべく
自然で美しくなるようにしておりますが、それでも
うまくいかないものに関しては数台分余分に出して、
良いものを選んで使うようにしています。
配線まわりは先々好みで交換する可能性がある
ハンドルのスイッチ回りを除き、余分な長さのある
配線は切断して加工し適切にしています。
(今回ETCの電源、アンテナなども)
口で言うのは簡単で、地味な作業ですが、
とても時間がかかります。
使用する純正形状の部品については、今までの
経験の積み重ねで、安い社外品が売られていても
ダメなものは避け、高くても純正品を使い、純正品が
販売終了の物で社外品を使わざるを得ない部品も
そのまま使うのではなく、必要な箇所に修整を加え
なるべくトラブルが出にくいようにしています。
メーターは繊細な部品でなかなか思うように内外
仕上げるのが難しい物です。
社外品が売られていますが壊れやすく、今現在は
純正品をレストアして使っています。
車体についているメーターがレストアできない状態の
物も多く、レストア作業だけでなく、ベースのメーターを
新たに購入することもあり社外品に比べかなりの手間と
コストがかかります。
小島さんのZ1はついていたものが使えました。
メーターは一度メーター屋さんで分解してもらい、
外側の見える部分の部品を当社に送ってもらいます。
(リングのカシメも含む)
そしてその外側の部品を当社でレストアし、再度
メーター屋さんに送り、メーター屋さんで内部の修理、
希望の文字盤、新品のガラスを製作して組み付けて
もらってます。
その後当社に納品してもらい、組み付けの際の細かい傷を
できるだけ当社で再度落としてから車体に組み付けています。
シートも今回からシートのしわがなるべく入らないような
対策を思いつき、対策を施しました。
シートのベースは当社でレストアし、スポンジは私が削って、
表皮はいつも頼んでいる内装屋さんに頼んで張ってもらってます。
シートの専門屋さんに送れば簡単に、費用もそれほどかからず
作業してくれますが、部分的にはいいのですがシート全体で
見ると気に入らない部分が出てくるので現状ではこうしています。
旧車は機能だけ良ければいうものでもない。
などなど、ここに書いてあることはほんの一部ですが、
書き出せばきりがないほどの作業を施した75年式Z1。
一度組み付けた部分が、長いお預かり期間の間に
さらに進化し、再度ばらして作業した部分も数知れず。
お客様にお渡しする作業模様を記録した写真は、
当社の記録用としての部分もあり、やや過剰に撮って
しまいましたが約2000枚にもなっていました。
旧車バイクを欲しいと思ったきっかけは、ほんの些細な
ことかもしれません。
ですが、そこから先は自分の価値観をしっかり持ち、
年式がどうとか、回りにこう言われるからだけではなく、
自分の本当に欲しい、必要なものはどんなものなのか、
考えるのが大切なのではないでしょうか。
入口は見た目から入るのは普通だと思いますが、
ほとんど機能的には同じものに、片方はベース車両
300万円、もう一つは150万円。むしろ機能的には
150万円の物の方が良いこともあります。
そんなことが多くなっています。
ベース車両を購入するだけで予算を使い果たし、
まともに整備やレストアができない状態で走って
いるものを見るととても残念に思います。
このころの車両はきちんと走るようにできれば、
普通のバイクでは体験できない、素晴らしい世界が
待っています。
きちんと機能を復活させ、スタイルも見た目も美しい、
誇りを持って乗れるそんなバイクがたくさん走るように
なればと思います。
ここから小島様Z1の写真紹介です。
DSC06462(2).jpg
DSC06476(3).jpg
DSC06486(2).jpg
DSC06511(2).jpg
DSC06493(2).jpg
DSC06503(3).jpg
DSC06274(2).jpg
DSC06412(2).jpg
DSC06542(2).jpg
DSC06544(3).jpg
DSC06628(2).jpg
DSC06532(2).jpg
DSC06537(2).jpg
DSC06540(2).jpg
DSC06538(2).jpg
DSC06606(2).jpg
DSC06549(2).jpg
DSC06534(2).jpg
DSC06323(2).jpg
DSC06577(2).jpg
DSC06580(2).jpg
DSC06582(2).jpg
DSC06329(2).jpg
DSC06668(2).jpg
DSC06603(2).jpg
DSC06300(2).jpg
DSC06360(2).jpg
DSC06697(2).jpg
足回りです。
DSC06608(2).jpg
DSC06610(2).jpg
DSC06250(2).jpg
DSC06612(2).jpg
DSC06522(2).jpg
DSC06643(2).jpg
DSC06314(2).jpg
DSC06366(2).jpg
DSC06389(2).jpg
メーター、ハンドルまわりです。
DSC06566(2).jpg
DSC06346(2).jpg
DSC06276(2).jpg
DSC06557(2).jpg
DSC06559(2).jpg
DSC06564(2).jpg
DSC06575(2).jpg
DSC06691(2).jpg
DSC06598(2).jpg
DSC06626(2).jpg
フロントブレーキスイッチです。
DSC06304(2).jpg
DSC06561(2).jpg
DSC06680(2).jpg
DSC06574(2).jpg
エンジン回りです。
DSC06519(2).jpg
DSC06684(2).jpg
DSC06554(3).jpg
DSC06524(2).jpg
DSC06373(2).jpg
DSC06634(2).jpg
DSC06621(3).jpg
DSC06624(2).jpg
DSC06283(2).jpg
DSC06670(2).jpg
DSC06693(2).jpg
マフラー回りです。
DSC06461(2).jpg
DSC06319(2).jpg
DSC06640(3).jpg
DSC06308(2).jpg
DSC06617(2).jpg
DSC06553(2).jpg
DSC06372(2).jpg
おまけ。
DSC06448(2).jpg

コメント

タイトルとURLをコピーしました