自分らしく走れるバイクが一番面白い

近々、おそらくここ1カ月以内に
関西、関東方面に行きますので、
直接引き取り可能です。
もっと早くなることもありますので、
引き取り希望の方は、超、お早めにご連絡ください。

新規の方、今までお取引のある方、
どちらも大丈夫です。東北方面の方などは
ある程度南下してしていただき、
例えばどこかで落ち合うことも可能です。

自走の方の場合は、最寄りの駅まで送っていきます。

では話が変わります。
私が初めて大型のバイクで自分で購入したバイクは
GPZ900R(ニンジャ)のA-7の黒、
フルノーマルでした。

今でもある全国チェーンのバイク屋で
買ったのですが、
ニンジャの購入理由はいたってシンプルで、
見た目が好きだったことです。

他のバイクは当時眼中にありませんでした。

後で自分でフルチューン仕様にして
乗りましたが、
乗ってももちろんいいのですが、
それプラス、とても良い音で走ります。

世の中、電気自動車などにかわっていくのかも
しれませんが、内燃機関の音がしない乗り物に
とりたてて感動もしません。
ただの足ならいいのかもしれませんが。

ニンジャは今でも好きなバイクの一台で、
自分のもので作るならストロークアップはしないで、
鍛造ピストンでボアアップ、ポート研磨仕様で、
レスポンスと音を楽しんで乗ると思います。

ニンジャを買うまでは
大きい排気量のバイクは免許取得のための
試験車と知り合いの私有地内で軽く乗った練習の
大型バイク以外は乗ったことがなかったため、
(ちなみに乗ったバイクはたぶんGSの750
だったと思います。)
ニンジャには今まで体験したことのない加速など、
見た目だけでなく運転しての楽しさを期待しました。

ところが残念なことに、これはかないませんでした。
ニンジャの名誉のために言っておくと、
以前どこかで書いた記憶がありますが
買った店がいいかげんで、「フルパワーモデルです」
と言っていたが、まず、そうではなかった。

ニンジャは外観から簡単にフルパワーかどうかは
解らないのです。
すぐに買ってから自分でフルパワーにしましたが、
正直に書くとそれでも今いちでした。
全て反応にダイレクト感がなく、
ワンテンポ遅いのです。しかも曲がりにくい。

今なら、お金がなくてフルローンになっても
ホイールとタイヤ、ポジション、
リヤサス、FCRキャブレター、マフラー、
フロントのスプリング、イニシャルアジャスター、
フロントのマスターとブレーキパッドは買った
その日に換えると思います。
ここまでして、むしろこれがスタンダードなのでは?
と思えるぐらいです。面白いバイクになります。

逆に言えばそこまで手を加えないで
手放してしまえば、単に見た目の
カッコイイバイクで、本来のニンジャの
乗って楽しい所を知らずに終わってしまいます。
本当にもったいない。

金銭面で手を加えられないということもありますが、
純正主義でオリジナルから一切手を加えないという
考え方の方もいます。

それはそれでも自由なので良いと思いますが、
歴史的価値があるものはそのまま保存、
できるだけ維持することに賛成するとして、
私達が自分のために見て乗って楽しむバイクについて、
よく私が書く、面白いバイクとは?
私はこう考えています。

自分らしく走れるバイクが一番面白い
楽しいバイクで、
その目的のためにバイクに手を加える。
私達(当社)はそのお手伝いをしている。

自分らしく走るということは、
走る場所、走るペース、どのように使うか、
そのような機能面でのことはもちろん、

故障などの不安な部分をなくすこと、
どのような見た目、スタイルで走るか、
それを達成するためにバイクに手を加えることで
世の中に一人しかいない自分に合った物が、
自分らしく走れるもの。
美しさを求めるなら、それも自分らしさの
一つと考えます。

機械ものですから、取り扱いに
正しさは必要ですが、
(ダメだと調子悪くなるので)
あくまで自分にバイクを合わせるのです。

私の様にバッキバキに綺麗な物に仕上げ、
エンジンも最高に調子の良いものが良く、
それを大切に使っていくうちに、
自然に少しずつ傷が入ったり、
劣化することも含めて楽しみたいという人もいれば、

機能的に状態が良ければ、年式相応に
やれていても良いという人もいるでしょう。

古いバイクに道具をたくさん積んで
ツーリングや釣り、旅に出たり、
それで傷だらけになっても、
それが一番の自分の楽しみなら、
それに合わせたバイクを。

高負荷で走りたおしたい方もいれば、
景色を見ながらのんびり走りたい方もいる。

それが自分らしく走るということで、
何でも型にはめて、これが正しいと
人にもそれをあてはめようとする人がいますが、
自分らしくは人が決めるものでは
ありません。
人に言われても、私はそんなものは無視します。

堅い仕事で決められているのら、
9時から5時まで働かなくてはいけないかも
しれませんが、
趣味のバイクまでつべこべ言われる必要はない。
私も以前は使えなくてもやたらと速い物が好きでしたが、
最近はアクセル全開にギリギリできる
速い物が好きになってきました。(笑)

のんびりロングツーリングするなら
ニンジャでフルノーマルでもいいと思いますが、
自分らしく走らせるには絶対に手を加えた方が
良いバイクで、勘所を押さえて上手に手を加えれば、
とても楽しいバイクになります。

良いニンジャをお持ちの方なら私の書いていることが
納得できると思います。
あまり手を加えていない物や、
少しくたびれたたニンジャを持っているなら
簡単に手放さず、
自分らしく走れるように適度に手を加え
乗ると楽しいです。違う世界が見えます。

特に手を加えたいのはホイール、
キャブ、マフラーです。ホイールはマグで。
特に気をつけないといけないのはマフラーで、
マフラーがダメだと全く楽しく走らなくなる。

900ccで一気筒あたりの排気量が
225ccしかないことが理由の一つです。
Z1は900ccですがヘッドが2バルブで、
ニンジャは4バルブ、それも関係あります。
ポートの形も後のモデルとは結構違います。
合わないマフラーだと、低中回転域が
スカスカ、レスポンスも鈍くになります。

当時大分ではニンジャに手を加えられる良い店はなく、
(それが勉強して、手を加えられる店を自分で
開こうと思ったきっかけではあるのですが)
しばらくニンジャに乗った後にZ1000MK2の、
マフラー以外フルノーマル車を買うことに
したのです。
(ニンジャは後日同じ年式の物を再購入しました)

MK2はキャブがいまいちで
いつもややガソリンくさく本調子で
なかったのですが、
それでも乗った瞬間に楽しいと思えるバイクで、
これだと思いました。

エンジンの最高出力はニンジャより低く、
スペックから見れば1000ccの排気量以外
なにもこれというところがなかった。

それでも乗れば楽しかった。
スペックは参考程度で良いのです。
乗って感じることが偉い。
気にいった一番の理由はダイレクト感でしょう。

ついていた純正キャブは
ニンジャと違い強制開閉式のもので、
アクセルを開けた瞬間に速くはないものの
すぐに加速を開始する。
最近の車の様にゴム紐が伸びるような
所は一切ありません。

2バルブで1000ccですから、
その辺の一般道を走る時にトルクも充分で
トルク豊かに走ります。
ぎくしゃくせずに穏やかにも走れるのです。

そしてMK2のカッコが気にいっていたので、
その時は思うように反応し加速する、
ゆっくり走るのも楽しい、それだけで
充分だったのです。

でも考えて見ればニンジャも
強制開閉のキャブレターに変更して、
マフラーを変更する。
排気量が足りなければボアアップすれば、
自分の期待するように加速して、
ニンジャの気にいったスタイルはそのままに
自分らしく走れます。外観は綺麗でしたし。
当時はそれができなかったので、
車両を入れ替えました。

自分で店を開くきっかけになったので、
結果的には良かったと言えます。
増井君に今でも言いますが、
当時、当社の様な店が遠くてもすでにあり、
知っていたなら、
自分で独立するなんてことはなく
お金を頑張って働いて作り、
全部お願いしていたと。

結局このあとMK2は、
しばらく乗っていくうちに6000回転ぐらいで
ボコついて上までスッキリ吹けなくなったり、
(キャブが悪い)
ヒューズが切れて止まったり、
リヤサスが縮んだままになりシャコタンに
なったりして問題がでてきましたが、
これは整備不良でバイクのせいではなく、
全て防げます。
現代でもそんな整備不良バイクを平気で
売っている店もたくさんありますが。

先ほど自分らしく走れるバイクが面白く、
そのために手を加えると書きましたが、
持ち主の方に言われたからと言って、
何でものその通りにするわけでは
ありません。

言われた通りにできない時、
それはそのバイクの良いところを
ダメにする改造です。

気持ち良く曲がるところが持ち味なのに
それをなくしてしまう改造。
アクセルを開ければぐっと加速するバイクを
加速しないようにしてしまう改造、
本来壊れないところを壊れやすいように
してしまう改造。
こういうことはしたくない。

そのバイクの良いところを感じられた時に
楽しさも感じられるわけで、
間違った改造とは、
160キロ投げられるプロのピッチャーに、
140キロしか投げられないフォームを
教え、強制するようなもの。

そんな本来の調子を発揮できない状態を見て、
人は心から楽しめたり、感動したりしない。
だからそんなことはしたくない。
でも持ち主の方はプロではないので、
何がダメなのかは解らなくて当たり前です。
何でも好きに話してもらい、
ダメならば、理論だてて、なぜダメなのか
説明します。その時に聞く耳を持ってほしい。

その上でただ重くて太いホイールを
つけたいのなら他に出してもらうしかない。
サイズを少し落とし、軽いホイールを選んでくれるなら
そのバイクの良いところを生かし楽しく走れる。
そういうことです。

私はつまらない物を
いいですよ!と言い、お金を得るためだけに
嘘を言って売ったりはしない。

つまらない部品をたくさん作って
一台を作り上げて売り、利益を得ることに
全く興味なし。自分が良いと思うものを
売ります。
持ち主の方に言われた通りになんでも
するわけではないけれども、相談し、
より理想に近い1台を作ることはできる。

それにあせって一度に完成しなくてもいい。
長くバイクも店も付き合っていくうちに徐々に
理想に近づけていければいいと思います。

ただし、順序は大切で、
調子の悪いエンジンなのに、
問題のない純正の足回りを
変更するのは反対です。

あれもこれもと、
一つも完成せずに中途半端にするのが
良いとも思えません。

古いバイクの作業は、
整備するにしても、レストアするにしても
きちんと作業しようとすればするほど
手間がかかります。

その中で、外注だったり、
他人に作業を任せることで、
手間がかかり効率が悪い部分の回転を良くし、
利益を増やすという考え方もあります。

何でもこだわり過ぎると、
単価が高くても利益がでなくなります。

ところが持ち主の方からみて、
自分らしく走れるバイクを造る、
そのお手伝いをする。
そういう事を大事にするのであれば、
多くの人に分業してそれぞれに作業して
もらうことが必ずしも良いとは思えません。

頭が何人もあると車両が完成した時に、
見た目も乗り味も、まとまりがなくなるのです。

複数の作業をしなくてはいけない、
例えば、車体を補強し、エンジンを製作し、
マフラーを作り、セッティングを施す。

こういうときに、考え方が一つで
まとまっていなければ一貫性が生まれません。

と言っても全てを一人ではこなせません。
そこで社内であれば目指す方向が同じになるよう、
考えを理解してもらえるように、
何度も話し。伝える。
技術的なことはくり返していくうちに
何とかなります。
まず頭で考える方向性を一致させることが
大切です。
これは簡単なことではありませんが、
曲げずに続けることが大切です。

当社でも外装の塗装など、外注の作業が
多くはないのですがあります。

それを例にあげれば、
塗装をしている業者はたくさんありますが、
その中で当社の考え方を理解してもらえる所は
少ないです。もちろんただ金額が高ければ
良いということもない。

幸い、今お願いしているところは
気を利かせてくれ、たいへん良い仕事を
してくれます。

それ以外では、部品の手配をしたり、
その都度お付き合いしている会社で、
逆にミスがでることもあり、当社が迷惑を
受けることもあります。

ですがすぐに当社は注文を辞めたりしません。
きちんと対応する気があるかどうかが大切で、
そういう気持ちがあれば、お付き合いしていくうちに、
どんどん良い方向に進んでいきます。
そうなれば納品するバイクの品質があがり、
持ち主の方の自分らしく走れるバイクに
近づいていきます。

先日部品で思いがけないない不良品がありました。
その旨注文した会社に連絡したところ、
その悪い部分を現物で確認する前に、
素早く対応してくれ、問題はあっという間に
解決しました。

通常であれば、グダグダ言うところもありますし、
こちらの言うことを信用せずに
物を見て確認できないと対処できないという
店もあります。
そうなれば大きく時間をロスしてしまいます。

でも普段から良い店を選んでお付き合いしていれば
いざ問題が起きた時も極めて早く問題の解決が
できます。

社長業に専念し、現場は人に任せるというのも
経営の面では良いのかもしれません。

ただ好きなことを仕事にした私にとっては、
それは自分のしたいことではないので、
できることはこれからも首を突っ込んでいきます。
したいことはまだまだたくさんあるのです。

ただし好きでもない物、良いものと思っていない物を、
手間がかからなくて簡単に儲かるからと
人に薦めたりはしませんよ。
そんなことは好きなことを仕事にできた幸運な者として、
恥ずかしいことだと思っていますから。

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