旧車バイクの望むこと(4)ヘッド編序章

旧車バイクの望むこと

旧車バイクの望むこと(4)エンジンヘッド編
調子の良いエンジンにするために特に重要なヘッド編です。今回は軽く序章みたいな感じで書かせていただきます。

次回フェイスブックだけに実際の当社の作業をアルバムにして、写真の方にコメントする形で説明しますので詳しくはそちらを見てください。ブログの方にはアップしたことだけ紹介します。

ヘッドの作業は普通のショップさんにはできないことも多く、外注になることも多いと思いますが、その中でも一番重要なのはバルブとヘッド側のバルブシート当たり面の密着具合と、バルブがシートのあたり面に対してなるべく斜めに当たらず、真っすぐに当たることです。

バルブとシートのあたり面が斜めに当たると、組んですぐは調子が良くてもバルブとバルブガイドの摩耗が早く進み、調子が落ちるのが早くなります。それこそ1年も経たずにです。

その旧車バイクの整備で重要な作業を、バルブシートカットすり合わせと言っていますが、自社でできない時に外注に出すのなら、それが出来上がってきた時にその作業がきちんとできているかを、頼んだ店の人がきちんとチェックできるかどうか、またうまくいっていない時に修正できるかが重要です。

ではきちんとチェック、修正するには?となるのですが、実はある意味結論ぽいことになるのですが、確認する人自身が、バルブシートカットすり合わせ作業をした経験があり、なおかつ見よう見まねなどでなく、きちんと作業できる人でないとチェックできない、また修正できないというのが私の考えです。

理由なのですが、バルブシートカットすり合わせ作業は、ぱっと見よくできていそうでも、とても微妙な細かい部分のちょっとしたことが出来の良し悪しを左右することが多く、それが解らない場合、でき上がってきたものが良いか悪いか解らないのです。

そうなると外注作業が良かろうが悪かろうがそのまま受け入れることになってしまいます。それでは悪かった場合は、バイクの持ち主の方は悲惨ですよね。

今まで何度も開けてエンジンで実際に見ていますが、実にひどい物が多い。これなら消耗していても純正のまま何もしてないほうがいいというものが本当に多いのです。

2バルブエンジンと4バルブエンジンの場合、4バルブ物の方が2バルブ物より年式が新しい物が多く、またバルブ自体の大きさ、重さが影響するのか(2バルブの方が大きく重い)2バルブ物の方が痛んだり、消耗しているものが多いです。

消耗してくると、バルブと、バルブガイドも減ってきます。4バルブエンジンはバルブガイドを交換する必要があるバイクはほとんどなく、私も約20年以上今の仕事をしていますが、4バルブエンジンでバルブガイドを交換する必要があったものは1台しか遭遇したことがありません。意外と程度が良いのです。

それに対し2バルブエンジンでは最も取り扱い数の多いZ1系は、ガイドの材質が消耗しやすい物で、ほぼ毎回バルブガイドを交換しますし、後期物のZ1000系、J系もかなり多く交換します。

となればこのバルブガイド交換作業の良し悪しもヘッドの良し悪しを左右します。そしてバルブガイドを交換したときにミスがとても多くなります。バルブとバルブシートの当たり具合が大きく変わってしまうからです。

となると4バルブ物より、2バルブエンジンの方がミスが多く難しくなります。ただ4バルブは数が多くポートも小さいのでそれはそれで大変なのですが。
そしてより多くの空気をスムーズに流すためのポートのカーボン落としと燃焼室の状態を整える必要もあります。

これら作業がエンジンオーバーホール時のヘッドの作業であり、このヘッドの出来具合がエンジンの調子、その調子が長持ちするか否かを大きく左右します。
ではその辺の作業を次回、説明させていただきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました