その整備士、敵か味方か?

当社のお客様に限らず、
問合せやご質問いただく中で、
ふとダメ整備士の共通点があるのに
気が付きました。

そのバイク屋に初めて訪れた時、
あるいは数人整備士がいる店あれば、
初めて話す人もいるでしょう。

その時、持ち込んがバイクに対し、
あそこが悪いここが悪いとしか言わない人が
います。悪い部分しか言わない。
これは気分が悪い。
これ、敵とみなしてよく、ダメ整備士の典型。

それはなぜなのか。

ごくまれに古いバイクでは
過去に間違った触られ方しかされていないものや、
騙されて大きな事故車だったり、
本当にほめどころがない、買い替えた方が安上がり
というバイクもあります。

ですが、そういうことはとても少なく、
10年で一人なんてものです。

どんなバイクにもいい所がけっこうある。
それに気づけない能力なしなんですね。
お前本当にバイクが好きなのか?
給料もらってるだけか?と聞きたくなります。

少なくてもある程度大切にされ、
綺麗にされているバイクで
悪い部分しかないというものはないでしょう。

たとえ不具合があって店に持ち込んだ時や、
点検などで悪い部分がないか診てもらう時でも、
言い方が悪ければ気分が悪いものです。
私のようにこの業界に深く携わっていてもそうです。

こういう人物や、店は、はっきり言って
本当に意味での自信がない人たちです。

ですから自分や店を少しでも大きく見せようとする、
優れていると見せよう、優位に立とうとする。
くだらない。

私が思うに、優れた整備士の方たちは
皆さん間違いなく自身の経験、
出してきた結果に誇りと自信があります。

ですから無理に大きく見せる必要もなく
自然体、余裕がある。
回りを悪く言う必要もないし、
ましては不具合は指摘しても、
それ以外のことを言う必要はない。

ですから入庫してきたバイクに対して
冷静に見ることができますし、良い部分も
しっかり見つけることができる。

質問すれば的確に答えが即答ですし、
解らないところは調べます、か、
解らないと正直に言うでしょう。

ですからしょーもない、どうでもよいことばかり
しか言わない。なんてことはない。

例えば、新車で購入したが
長く乗ってあちこちオイル漏れや不具合がある、
と持ち込まれたとします。

でも私たちからすれば、新車で購入して、
過去すべて何が起こってきたかが解る。

どう乗ってきたか、メンテナンス、
あるいはトラブルがあったとしても、
それがすべてわかっているという事は
レストアを仕事とする側から見れば、
それは素晴らしいバイクです。

ですから30年乗ってきたとして、
くたびれてきていても、そういう素晴らしく
良い部分も話に出るのは間違いありません。

その中でここが問題あるのでこうしましょう。
予算に合いますか?どうですかという話になりますね。
これでコミュニケーションが成り立つ。

ところが来店して、これはマフラーの音が大きくて
車検に通らないだの、キャブはノーマルがいいだの
ついている部品はダメだの聞いてもいない
どうでもいいことだけを言うア〇整備屋。


まあ、私も過去に車のディーラーに勤めて
いた時のことで考えれば、
ディーラーの整備士にそういう人が
多いのは事実です。

ですがディーラー勤めの人でも、
本当の意味で車に愛がある人は、
多少問題がある改造などされていても
悪いことだけ言ったりはしない。

過去に自分自身もこそっとそういう改造などを
してきた人たちでもあるからです。
だからお客さんの気持ちが解っている。
だから柔軟に対応してくれる。

ここではっきり言っておきたいことは
もし、その整備士が会社勤めでなく、
自身で会社を興し、自分の会社であったなら
そういうことを言うかどうか。

生活が懸かってくれば、私は言わないと思います。
勤め人整備士は少々ミスをしようが、
お客さんに嫌われようが毎月給料が振り込まれる。

だからお客さんの本来の目的である
ここを修理したい、点検してよく見てもらいたい、
チューニングして良く走るようにしたい。
カッコよくしたい。

なんて大事な話を無視して
自分の言いたいことだけ言っている。

これがもし、自分一人の個人事業で
経営者兼、唯一の整備士となればどうだろう。

もってきていただいた車両に対して
悪く言うだけではなく、どうやったら
そのお客さんの願い、希望がかなえられるか
真剣に考えるのではないでしょうか。

私とて、できるだけお客さんの希望の
予算で何とかならないか真剣に考える。

したがって持ち込んだバイクや車に対して
悪いことだけしか言わないは使えない敵です。

私たちのできることはそういう店にはいかない。
あるいは担当を変えてもらう。
こちらで対処するしかない。

こういう覚悟のない整備士の仕事はダメです。
十中八、九失敗に終わる。

それは交換しないくて良い部品を換えられたり、
修理依頼したところが治らず、何度も何度も
修理に出したのに結局治らない、
という事につながる。

そういう整備士が治せたとしても
それは単に運が良かっただけ。
たまたまで、何度か出せば、失敗ばかりとなる。

それがエンジンオーバーホールや、
車体を購入など大きな金額だったら
どうだろうか。

悔やんでも悔やみきれない。

整備士も話せば大体のことは解ってくる。

ほっといても給料が入ってくる、
自分の仕事の成否が直接自分の生活に
かかってこないとなれば、
結局は他店で購入したバイクは
他人事となっていくわけです。

まあ自分で売っといて後は知らんという
ようなことも良く聞きますが。

要はこれしかないというところまで
追い込んで仕事をしていないわけです。
最後の粘りこそが品質、仕上がりを決めます。

聞くべきはそのお客さんがどういうことを
望んでいるかであり、
今持ち込まれたバイクの状態が自分の考えと
違うからと言ってケチをつけたり
悪く言うことではない。

そのお客さんがこれからどうしたいか、
何を望んでいるかに耳を傾け、
自社でできないことであれば、
できないと伝えればいい
だけことです。

持ち込んだ自分のバイクに文句だけ言う
整備士の言ったことなど聞く必要はありません。

優れた整備士を探しに行きましょう。
どこかに必ずいます。見つかりますよ。

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