極上ニンジャ整備車両を作る(9)

販売車両

私のブログ販売車両ニンジャの製作模様
1~8の続きになります。
地味な作業が続きますが、
基本整備は地味な作業の積み重ねです。

リヤのインナーフェンダーの裏表、
隅々まで掃除をします。

この部品インナーフェンダーを外して整備すれば
フレーム側の作業も細かい所まできちんと
行うことができます。

ほぼ錆びているバッテリケース内の
ボルトを交換、組付けました。
バッテリーケースは前のブログで
清掃したところを紹介しています。


次は必ず整備しておいた方がよいクラッチの
レリーズ関連の部品。

ブレーキ関連などと一緒で
吸湿性が高いオイルが使用されている為
オイルを交換していないと内部が
錆びてきて使えなくなってしまったりします。

このバイクは車検ごとにオイル交換は行っているので
大丈夫ですが、シールを交換しておきます。
状態が良い車両はこういうところの内部も綺麗です。

ニンジャH2の方はシール単品では部品がでなくて
ASSY交換でした。ASSYだと後で欠品になりやすいから
嫌なんですけど。

組付けたところ、プッシュロッドが当たる箇所に
グリスを塗っています。

先程の写真には無い、黒いスペーサーが見えます。
この部品が良く割れているので、こういうところも
チェックしておきます。

クラッチホースのクランプです。
ゴムの部分を外すことが出来たので
再メッキしました。
こういう箇所が綺麗なニンジャは
ほとんどないと思います。

当社でも毎回しているわけではありませんが、
完成まで予定まで時間があり、
段取りを上手く組みたてできた時には
フルレストア車でなくても
こういうことができます。

次の写真はクラッチレリーズ機構を組付けたところ。
ブレーキホースは当社で長さ、ひねりを調整して
製作しています。
長さはもちろんですが、ひねりを現物合わせで
製作することが、綺麗でトラブルの少ない
ものにできるコツです。

ブレーキホース類と一緒できちんとした
整備車両はブレーキホース、クラッチホースの
ラインが長すぎず、短すぎず、とりまわしも
きちんとしています。

マスキングテープが貼られている箇所は
フロントスプロケットカバーで、元々
色剥げが起きやすい部品で、
今回も剥離して再塗装してあります。

ラジエターのキャップを交換します。
この部品は外からも見えますから、
機能面も、見た目両方から交換しておきたい
部品です。
良く社外品にされる方が多いですが
純正品で良いと思います。

キャップ交換、この写真を撮った後、
下につながっているリザーブタンクに
つながるホースをきれいにしました。
一つよくなれば他の部品もバランスを
とったほうが良い仕上がりになります。


ハンドルストッパーにかぶせものが
見えますが、アップハンドル化に伴い
切れ角の調整でつけています。
剛性の高いしっかりしたものを作って
取り付けています。
この方がハンドルをめいいっぱい切った時の
感触がフニャフニャにならず良いので。


次にリヤ回りを組付けていきます。
写真はタンデムする時につかむバーです。
ニンジャのタンデムバーはデザインが良く
物もしっかりしていて良い部品だと思います。

この部品も色剝げや劣化しやすいので
再塗装してレストア。ボルトは
再メッキでなく新品。

基本純正の色は剥げやすく、
きちんとレストアしておけば
その後は綺麗な状態を楽に維持できます。

カワサキの新品ボルトはやたらと高い。
部品も私たちディーラーでない
一般のバイク屋は定価でしか買えなく
なってしまいました。

タンデムバー取り付けに使用する
カラーとダンパー。
カラーは見えなくなりますが再メッキ済み。
ダンパーは亀裂が入りやすい部品で
交換しておきます。

ETCのステーです。元々ETCはついていたのですが
古いタイプで今後問題があるかもしれないので
取り外しました。
ですが今後取り付けがしやすいようにステーは
レストアして残すことにしました。
テールカウル内に取り付けます。

反射して見えにくいのですが、ETCのステーを
取り付けたところ。


次はただのダンパーで解りにくいですが
リヤフェンダーのナンバー灯のステーに
使います。

先ほどのダンパーをリヤフェンダーに
組付けたところ。

ダンパー内に挿入するカラー。
古いバイクの整備をしていると
こういう部品は長く使っていると
意外と錆びてくるので、
先を見て綺麗なものに交換して
おきます。

今だけ良ければよいというのは
予算にもよるが胸を張って整備している
ということにはならない。
だから作業していない箇所が
購入後にトラブルがでる。
拝んで壊れないでと言っていても意味なし。

こういう組付けて見えなくなる部分を
どう考えるかが整備屋の良心で、
大体整備済みと言っていながら
ほとんどの場合チェックすらしていない。

納品後の事を考えるなら、細かいところまで
チェックし、どうするかを考える。
できるだけプロでない方が
気付かないところも気が付いて
効率よく作業しておくのが大切。

全てをすればフルレストア車のように
高価になるし、どこまでするかは
その人、整備士次第。

雰囲気で取り扱い車種や、
それに準じた車種なら外観から軽く
見ただけでもきちんと整備されているか
大体判断できる。
それは普段紹介しているような
作業をしているから。

大したことではないが、写真はカラーを
組み付けたところ。

ナンバー灯の部品。
ステーは再メッキ。
電球は当然交換しました。
こういう電球は意外と在庫していなかったり
ですが、今回は大丈夫。

金色のメッキの部品は再メッキできない
形状なので清掃して再使用。
配線のチューブと、カプラーは交換して
セミレストアし、先ほどの部品を
組付け。ついでに端子の接触なども
問題ないかチェックできる。

リヤフェンダーにナンバー灯を組付け。
金色のメッキの部品は錆止めを塗っておいた。

ナンバー灯の取付ボルト。この取付ボルトは
錆びてしまうので、綺麗なものに交換。

ナンバー灯のカバー。
今回は清掃して再使用。
取付ボルトは交換。

取り付けてみると、ボルトを交換した
事が生きてくるのが解る。
リヤフェンダー自体は作業前に裏表清掃済み。

リヤフェンダー回りを組付けたところ。
配線類で再使用する箇所はあらかじめ清掃し
異常がないかチェック済み。
リヤのウインカーは新品。

リヤフェンダーとナンバープレート部に
取り付けられるリフレクター。
研磨清掃して再使用。
面倒ですが、研磨清掃するかしないかで
取り付けた時に全く印象が違ってきます。


Z系や国産の旧車なども本当に良いものを
手に入れるなら、
適切なベース車両を元に、
作業できる技術がある人がきちんと
整備+プラスレストアをするしかありません。

そうなると特に近年ではベース車両の
価格が高い上に、さらに費用がかかると
いうことになります。

ニンジャも良いものは数がとても少ないが
今はまだZ系ほどまではなっていない。

良いものが適切な価格で買える時に
購入するのがベストです。

例えば今はZ1000MK2よりも高くなってしまった
FX750、私は20年前にこのバイクは
クランクを換えればMK2同様なのだから
お買い得と言い続けていました。
その頃は30万円で買えていたのです。

その時手に入れた方は今本当に良い思いを
されており、口々に「今だったら買えねー」
と言っています。

Z系にしてもニンジャにしてもCBにしても
整備をしているプロの方ですら
まともな良く走る状態を知らない方が
とても多い。

そして仮に本人が嘘をつくつもりが
なくても180度間違ったことを言う。

まともな旧車は乗り易く、扱いやすい。
エンジンの始動性良く、
思うより曲がり、止まります。
そしてよい音がする。
そしてなにより見た目が優しく個性的で
カッコが良い。

今回はここまで。
内容が地味ですね。
ですがようやく終わりが近づいてきました。
極上ニンジャ整備車両を作る(10)に続きます。

整備、部分レストア模様を紹介している
GPZ900Rはこちら








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