これは先日このブログで紹介した、クランクを掃除したもの。
1時間ほどかかりました。
あのまま組むと思われると嫌なので念のため。
自分の人間の小ささを感じます。(笑)
ここから下は、当社で販売した車両のZ2の
エンジンになります。
このエンジンはオーバーホール仕様でそのヘッドです。
写真にはありませんが、同時にZ1-Rのエンジンも作業しています。
こちらはカーボンを落とす前、修正面研終わっています。
このZ2は、1オーナーもので、実走行距離が解るほど
大変状態が良かったので、一部のみガイド交換しました。
このような写真を撮って、オーナーさんにメールで
送ったり完成時にデータで渡すようにしています。
だいたい車体1台まるごと作業の場合が約1000枚以上
くらい、時間は受注から、完成まで1年ぐらいです。
同じくそれのエキゾーストポート側。
インテークポートで純正の大径インシュレーターを取り付け、
段差を確認しているところ。
純正インシュレーターは高いですが、
品質が確実なので。けちるところではありません。
キャブを交換し、エアクリーナボックスがない状態で、
キャブがグラグラする、締めるバンドが節度なく
いくらでも締まっていく。締めたらまだそんなに
古くないのにゴムに亀裂が入った。あるいは走行中に
キャブが抜けた。(実話です)
などの経験がある方はインシュレーターを純正
新品に交換しましょう。
その後段差を削り取り、ロールペーパーで仕上げたところ。
ポートは写真が撮りにくいので、やや見にくいのはご勘弁を。
その後ポートのカーボン落とし、各部バリ取り、
燃焼室の軽研磨作業まで終わったところ。
今日の写真にはありませんが、
このあとにプラグのネジ山の掃除と、バルブシートカット
すり合わせを行います。
イン側
EX側
あくまでこのエンジンはOH仕様なので、
ポートはカーボン落としと出っ張っている部分の除去です。
会社勤めの時はインシュレーター部の段差の除去と、
出っ張っている部分の削除はしていませんでした。
その為独立当時は、私もしていなかったのですが、
だんだんエスカレートしてポート研磨に近くなっています。
かなりサービスしすぎだと思うのですが、
出っ張っている部分と、段差があると気になって、
とりたくなってしまうのでこうなってしまいました。
ちなみにポート研磨になると、拡大になる部分が
かなりありますので、また内容が全く違ってきます。
OHの時にきちんとしたポート研磨を知っていれば、
削ってはいけないところ、削ったほうが良いところが
解って加工するので必ず調子がよくなるのです。
いわゆる当たりのエンジンを作るのです。
よく持ち込まれた調子にの悪いエンジンで
削ってはいけないところを削ったり、変に削って
デコボコになってたり、波打っていたりします。
ひどい場合ですと修正できませんから、余計なことは
しないで、できる人がすべきです。
私はこのへんはビトーR&Dで教えてもらいました。
大変貴重な技術です。
これによりエンジンの出力が大きく変わることは
ありませんが、スムーズに気持ちよくエンジンが
吹けるようになります。
数値だけではあらわせない、持ち主だけが
得られる快感です。
エンジン内は見えませんが、小さなことのつみ重ねでできています。
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