ハイカムシャフトについて

日記

今回はずいぶん前に書いた内容でハイカムシャフトという部品について、再度書きたいと思います。

通常はハイカムと言っています。
この文章を読んでいる方の中にもハイカムを組むと乗りづらくなるイメージを持っている人がいるかもしれません、それなに?っていう人もいるでしょう。

誤解を招きやすいのですが、ハイカムは自分の使用目的と自分に合ったカムを選べば、とてもすばらしい部品で乗りにくくなったりすることもなく悪いところなど何もありません。

とはいえ、部品自体は10万円ぐらいはしますし、良い商品の欠品が多くななってきました。

数が売れない車種は儲からないので減らさざるを得ないというところでしょうか。タサキチューニングでは日本のヨシムラ製品を使っていますが、ローソン用のカムなどはずいぶん前に欠品になっています。特に調べたりはしていませんがラインナップは減っていっているのかもしれません。

ハイカムは大雑把に言えば出力特性を変える部品で、ちょっと極端に言えば7000回転で一番力が出るエンジンを9000回転で一番力が出るように変更するものです。

一般的にはそのぶん、日頃一番使う低、中回転域のトルクは減少します。

その度合いは商品にもよるのですが、よいピストンを使ってボアアップし、他のエンジンの作業もきちんと行われていれば(過激なスペックなハイカムでなければ)乗りにくくなったりしません。海外のものは使ったことがないので私には解らないですが。

実際に正しく組み付けた場合の効果は、
▼マフラーからの音に歯切れが出てとてもすばらしい音になる。
▼出力特性にメリハリが出て乗って楽しいバイクになる。特に高回転に向かって駆け上がっていく感じが楽しい。(9000回転がレッドゾーンだとすると6000回転ぐらいから回転が延びより力強くなる)
▼低回転、中回転息でトルクが出すぎていてややギクシャクして乗り難い場合、スムーズになり乗りやすくなる。特にコーナーで扱いやすい。
▼耐久性はきちんと作業すれば特に問題なし。ニンジャなどを除いてほぼ一生もの。

ハイカムシャフトを生かすには、他のパーツとの組み合わせが重要です。
ニンジャのようにカムシャフトが痛みやすい車種で、実際にカム山に傷など入って交換する際に、ハイカムシャフトだけを組み込む人や店がありますが、そのような状態では楽しく乗れるようになることは稀です。

特にニンジャなどは元々排気量が小さめで、高回転型のエンジンですから、日頃よく使う回転域のトルクが余計に足りなく感じてしまうからです。このような理由で全く楽しくないエンジンに、カムだけ交換するとなってしまう場合もあります。

たとえばGSF1200のようにもともとのポテンシャルがあり、しかも排気量が大きく、そしてネイキッドモデルの為元々低中速を重視したカムが付いている。しかも状態が良いというエンジンであれば
ハイカムシャフトに換え、キャブレターを交換するだけでもポンと出力が上がって乗りにくくもない場合もあります。GSF1200の場合、エンジンだけで車体に手を加えないと出力が上がって真っすぐ走りにくくなってしまうほどです。(スイングアームの強度が足りない)

この場合でもキャブレターをFCRなどに交換してセッティングをすることや、きちんとしたマフラーを使い、正確にバルブクリアランスとバルブタイミングもとる必要があります。
バルブタイミングをとっていない悪質な店はごろごろあります。そういう店は素人です。

ハイカムシャフトの能力を生かすには下記の事が大切です。
▼ボアアップ、圧縮比アップ、点火系の変更等で低中回転の
 トルク不足を補う。
▼ポート研磨、ビッグバルブ加工など空気がより多く吸い込むことができる、
 ハイカムの能力をより生かすようにする加工。
▼きちんとバルブタイミング、タペットクリアランスを調整する。

▼バルブスプリング変更、セット長調整などによるサージング
 防止、カムシャフト逃げ加工、インナーシム化などを行う。
▼ハイカムシャフトを生かす適切なマフラーの使用。
▼同じく適切なキャブレターの使用と、キャブレターセッティング。
▼適切な品質、硬さのエンジンオイルの使用

等々すべて出来れば、すばらしく乗って楽しいエンジンになります。よってこれらがきちんとできる店選びは大変重要でそれができる店はとても少ないですね。

どれかが欠けるとむしろノーマルより乗りにくくて楽しくないエンジンになってしまいますし、多く実際に体験しました。チューニング仕様にするにはそれなりの費用がかかりますが、それだけの価値があり、外観が変わらないのにまさに特別なバイクに生まれ変わるわけです。
もし今までチューニング仕様のエンジンに乗ったことがなければ、一生に一度くらいは所有してみるのが良いと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました