販売車両兼試乗車の整備模様の続きです。
(3)の方でキャブの整備をしましたが、
それに関連して燃料関係です。
川の流れのように上から下まで調子よく
しなければトラブルの原因になります。
今回は外装の再塗装を行いたかったので、
あらかじめ塗装屋さんに塗装をお願いしてあります。
ニンジャの外装セットも以前は安く買えていたのですが、
かなり高騰しており、
あらかじめ塗っておいて入れ替える
なんてことができなくなってしまいました。
ですので今回のように長く乗らない時に
塗装のお願いをしておくのがベストです。
塗装に出す前に新品のタンク以外の物で
錆などが発生しているものに関しては
あらかじめ錆をできるだけ除去し、
同時に錆止めの処理もしておきます。
錆止めの処理は間違った方法で行われる
事も結構あり、当社でも海外から仕入れたもので
その間違った処理を手直しするのに
大変難儀した記憶があります。
最近ではGSX750Eですね。
これは本当にてこずりました。
錆止めの処理で完全に錆が止まるわけでは
ありませんが、複数台お持ちで
乗っていない期間が長いなどでなければ、
問題が起きることは少ないです。
再塗装を行う場合はガソリンを完全に抜いた
状態になりますが、それでも掃除では
取りきれない小さいゴミが
タンクの隅などに残っています。
再度ガソリンを入れ、
乗り始めににはフィルターなどにも引っかからない
この小さなゴミがキャブに流れることがあり、
オーバーフロー(キャブからガソリンが
流れっぱなしになる現象)が起きることも
あります。
当社では納品前に走行テストを行いますから
ある程度防ぐことができますが、
それでもオーバーフローが起きてしまうことも
あります。
これは特にアクセルをあまり開けない慣らし運転中や、
慣らしが終わっても、ゆっくり走りすぎな方などは
起きやすいです。
何でもバイクのせいにするのはやめましょう。
まずは自分の運転の仕方や取り扱いに
問題がないかも少しは頭に浮かぶくらい
余裕がないと。
ただし、これはまともな状態のバイクを
手に入れた前提です。
お客様の中でも問題が起きた時に、
まず自分の取り扱いを気にする方には
大きなトラブルは発生しません。
どんな道具でも適切な使い方というものがあり
それからあまりに外れていると
大きな問題につながります。
またバイク側をどんな扱いでも
トラブル少なく走れるようにと
いうことだけを優先しして製作していくと、
どんどんつまらない乗り物になっていきます。
そんなつまらない物なら自動運転車に
乗っているのと同じです。
古いバイクや、スポーツバイクなんてのは
そのスタイルと音、そして運転を楽しむ
ためにあるわけですから。
今回のニンジャのタンクは状態も良く、
軽い清掃のみで使用しました。
これの前オーナーさんのおかげです。
タンクの再塗装をなどを行う時には
燃料コックの状態も確認します。
意外と燃料コックが悪いと
ガソリンを入れた後は整備がしにくいので
後々面倒な事になることが多いためです。
このニンジャやZ1000MK2のような
負圧タイプのものは
燃料が止まらなくなるもの、
じわじわガソリンが出てくるものが多く、
Z1系の強制開閉のものはコックが硬くなって
使いにくくなるものが多いです。
今回も分解して中の部品を交換し、
外観は少しレストアしました。
続いてメーターの整備です。
これも分解時にまとめて行っておく方がよい
典型的な作業です。
Z系などの旧車バイクのメーターは
整備しても時々トラブルが出てしまうような
繊細なものですが、
ニンジャなどの純正メーターは殆ど
トラブルは起きません。
ですので今回はできる範囲で綺麗にすることと、
電球をすべて交換することがメインになります。
電球をすべて換えて納品している店なんか
ほとんど聞いたことはありませんが、
整備済みとして販売するならぜひ
行っておきたい作業です。
もちろん電球をすべて交換しても
まれにすぐ切れたりすることもあります。
これはスパークプラグなんかも同様で
不良品に腹を立てても仕方ありません。
今回使用するメーター。
この車両は元々国内仕様なのでこのタイプでは
ないのですが、いつか使おうと
中古の良品を手に入れていました。
最近は良いものはほとんど手に入りません。
メーターを変えると、イグナイターや、
配線回りも加工しなくてはいけなくなるので
かなり面倒ですが、今回は私が好きなので
行う事にしました。
ちなみにZ系などで針が下からくるタイプは
好んで使用したりはしません。
このメーターはメインがマイル表示で、
内部の青い文字はキロ表示となります。
ベースにしたニンジャがキロで2万キロちょい
でしたので、メーター屋さんに頼んで
マイルで同じ走行距離になるように
してもらいました。
まずメーター裏側のカバーの内外掃除をしました。
次に電球を一つずつ外して交換していきます。
どこを交換したか解らなくなることがあるので、
交換したら黄色のペンでしるしを入れてます。
あまり変わり映えしませんが
裏側はついでに掃除してあります。
ここのステーとメーターの間に入っているダンパーも
交換しました。こういうところがきちんとしていると
メーターのいらないぐらつきが減って
良いのです。誰も気にしていないかもしれませんが。
ステー、ナット、ワッシャは清掃して再使用。
組み上げました。
カバーのボルトは状態が良かったので、
清掃して再使用。傷んでいる場合は交換か、
なければ再メッキします。
こういう小さな部品の積み重ねが
フルレストア車ほどではないにしても
極上中古車への近道です。
今回、このガラスが入ったメータカバー側はまだ新品が
出たので迷わず購入し、使用しました。
ご覧のような仕上がりです。
新品だとこういうトリップ回りがきちんと
仕上がります。
今回はここまで、
極上ニンジャ整備車両を作る(5)に
続きます。
作業をしているニンジャはこちらになります。
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