販売車両GSXR1100の整備紹介(3)

GSXR1100販売車両整備

GSXR1100整備模様(2)の続きです。
前回フロントフォークの組み立てまで完成していたので
フレームにステムとフロントフォークを組付けます。

トップブリッジはいつも目にする気になる箇所ですが、
たいがいカギにつけているキーホルダーなどで傷が
入っていたり、
見すぼらしい感じになっていることが多いです。
今回のものは比較的綺麗だったのですが
他の作業ついでにレストアしてあります。

クロームメッキのトップナットは純正品がまだでますので
交換しました。でなければ再メッキしますが。
クラッチマスター回りは後で変更するため仮組です。

今回はハンドルも可変タイプに交換してあります。
この頃のバイクはハンドルが遠くて低いものが多く、
それが本来乗り易いバイクを扱いにくくしていることが
とても多いためです。

ただし、ハンドルや同時にマスターシリンダーを
変更すると、今回の車両のようにカウル付きのバイクの場合
ハンドルを切った際にあちこち干渉する箇所が出てくるため
後にいろいろ調整する必要がでてくるため手間がかかります。

この関係でそれ用に現物合わせで加工や、
部品も作ったりする必要がありハンドル交換と
簡単に思われるかもしれませんが、意外と簡単な
ことではありません。

こういう面倒なところは伝わりにくいのですが、
後にこの部分の調整だけで12時間ほど時間を
使っています。
ここはポジションとケーブル類の取り回し、
はんどるろっくも絡んでくるためなのですが、
こんなとこにこんなに時間を使っているとは
誰も知らないと思います。
てきとーにつけるなら誰でも付けられます。

フレーム回りもご覧のように綺麗ですがあらかじめ
ばらしたときに清掃してあります。
ばらしたときにしか掃除できないところは多いですよね。

今回使うビトーR&D製スロットルホルダーキットです。
写真にはありませんが、スロットルワイヤー(ケーブル)も
付属しています。
最近は古いバイクにはこれよりも目立たない純正ベースの
ものを使うことが多くなってきましたが、この頃は
まだ発見できていなかったためです。

スロットルキットは使ってみないと良いか悪いか
解りにくい商品の筆頭ですが、本当にダメな商品が多く
(アクセルが重い、開度狭すぎ、動きが渋い、
買ってすぐは良いがすぐにアクセルが重くなる、
節度がなくふにゃふにゃなど)
まともなものを使ってほしい商品の筆頭です。
それだけで走りが良くなります。
キャブがノーマルなら換えなくてよいと思います。

このスロットルホルダーキットは汎用品なので
グリップの長さに合わせて
端を旋盤で削って長さを調整します。
この写真は削り終わったところです。

スロットルホルダーキットの変更に伴い幅が狭いタイプの
ハンドルスイッチの配線を加工して使用します。
この写真は加工後。良い商品で、あること自体が
ありがたいのですが価格は安くないですね。

使用するブレーキ側ブレンボ製マスターシリンダー。
ブレーキスイッチ付きで大変すぐれた商品です。

キャリパーを換える前にぜひこれだけでも試してほしいと
思います。たまに新品なのにグリスが適切に塗られていなくて
キュッとか音がしたりするもののも稀にありますが、
その時はグリスアップしてください。

最初からきちんと塗っといてくれとは思いますが
そんなことでいちいち腹を立ててはいけません。
価格と、本質的に考えれば文句のない商品です。
よい所を見ず悪い所ばかり探して何が楽しいのでしょうか。

リザーブタンクはもう一回り大きいものを
使いたいのですが取り出しの角度など良い商品が
見つかっていないので、このタイプを使っています。

こちらはクラッチ側です。GSXR1100(87年式ぐらい)
の純正マスターではつながりが遠くなってしまうので
それだけで扱いにくくなります。

750の方はそれほど不自然ではないのですが、
1100はこちらの商品に換えるほうが断然良いです。
ニンジャ用のものと同じ商品です。

半クラッチのつながりが自然な位置にできますし、
つながる位置も細かく調整できます。
しかも軽くもなる。
またGSXR1100にマフラーとFCRキャブレターを
良いものに変更すると出力アップして、
高回転時クラッチが滑ってしまうことがあります。

この時にクラッチを滑りにくくする対策を施すと
純正マスターシリンダーのままだと
クラッチがやや重くなります。

この時にクラッチマスターをこのブレンボ
ラジアルポンプタイプに変更するとその重く
なる部分が相殺されて、クラッチが重くなることなく
クラッチ回りの滑り止め対策ができます。
消化しているGSXR1100もテスト時に滑るように
なったため対策を施しています。

これはずいぶん昔、バイカーズステーション取材時に
フロントフォークのスプリングと共に佐藤編集長から
教えてもらった大変良い商品です。

たいしたものではないですが、売られているもので
気に入った形の物がないので作ったハンドルの
バーエンドキャップです。
(数を多く作っていないので非売品)
昔売られていたカワサキ純正のバーエンドキャップの
形状に似せています。
こういう良い商品もどんどんなくなっていくわけです。

各部グリスアップをしてから、スロットルホルダーキット
回りを組付けたところです。

今日はここまで。
販売車両GSXR1100の整備紹介(4)に続きます。

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