前回のステム回りまで組付けた後の作業です。
キーシリンダーのカバーを外し清掃をします。
配線などに異常がないかなどチェックして、
カプラー、端子などもおかしいところがないか
確認します。こういうところのはんだ付けが
とれかけていたりすることが稀にあります。
配線の保護チューブが硬くなって破れていたりすれば
交換したりします。
清掃や給油など整備が終わったキーシリンダー。
キーシリンダー固定のボルト。
どこにどの種類のボルト、長さ、ワッシャの種類も
解るようになるべく記録を残しておきます。
大切なことなので。
純正の雰囲気は大切にしているつもりですが
必ずしも純正と同じにするわけではありません。
この写真のようにスプリングワッシャを使うことは
少なくなりましたね。これは純正のままです。
チェック、清掃が済んだキーシリンダーを取り付けました。
レストアしたヘッドライト回りのフレームを組付け
清掃したホーンを組付けたところ。
整備紹介(1)の方であらかじめ清掃、
組付けが終わっているヘッドライトASSYを
組付けました。
GSXR系の程度の良い車両はヘッドライト回りも
傷んでいないものが多いので、分解して清掃すれば
かなり元の状態に近くなるのが良いですね。
アッパーカウルをつけると見えなくなりますが、
こんな感じです。
続いてウインカーの電球交換と内外の清掃をします。
今回レンズの研磨は程度が良かったため行わず、
ボルトは再メッキしました。
パッキンの状態も内部の状態も良いです。
フロントウインカーのチェック、清掃、電球交換が
終わりました。清掃前と印象が異なるのが解ると思います。
つづいて、タンク下付近の作業を行います。
これはヘッドライトのリレーです。
清掃して腐食などないかチェックします。
異常なし。
イグニッションコイルなどタンク下付近のパーツです。
清掃し、チェックしていますが状態が良いので
再使用です。
イグニッションコイルですがこの写真からも
状態が良いのが解ると思います。
もちろん新品でも問題があることもありますから
絶対壊れないというわけではないのですが、
何でもゼロリスクにすることは不可能で
出来ることをきちんとするという事です。
イグニッションコイルを固定するボルトとカラーです。
こんな長いカラーを使用しているのは純正物としては珍しい。
タンク下付近のメインハーネスのカプラーを
外したところです。
全てのカプラーを外してチェックはしませんが、
状態により外して端子を磨いたり交換したりします。
少し前の事で忘れましたが、このカプラーは清掃ではなく
交換したと思います。これも状態により判断します。
これがガソリンタンク下、フレームの内側の写真です。
ピンぼけですが、チェック清掃が終わった
イグニッションコイル、リレー類を取り付けたところです。
エンジンのヘッドカバーは汚いままですが、
この後ヘッドカバーガスケットを交換するので
その時に掃除をして組付ける段取りです。
続いてヘッドライトにつながるハーネスのチェックと
清掃を行いました。
続いて左のハンドルスイッチのチェックと清掃です。
ご覧のように内部の状態も良いことが確認できます。
カプラー側の清掃、チェック後。状態が良いです。
良い車両を仕入れていればこういうところも
傷みは少ないものです。
外観の掃除も終わり、左ハンドルスイッチの作業完了。
先程チェック清掃したヘッドライトにつながるハーネスを
組付けたところ。左側。
なおハーネスの取り回しは使用する部品が純正だけでは
ない関係で、純正と同じにはなりません。
作業をしながら変更してしていきます。
こちらは右側。
ここで再び整備紹介(1)で電球交換や清掃、
修理が終わっているメーター回りを組付けます。
カプラー、配線などの取り回しは仮のものです。
後でETCのアンテナなどを取り付けるため、
その絡みで取り回しが変更になることが多いからです。
次に右ハンドルスイッチの準備をします。
カワサキの幅の狭いタイプを使用します。
そのままではつかない為、
カプラー回りと配線を加工して使用します。
この写真は加工後。
右ハンドルスイッチの準備ができました。
ここで今回使用するFCRキャブレターの準備をします。
今回はマグ風のボディのタイプを使用。
写真ではスロットルケーブルを取り付けるステーは
そのまま無加工の状態ですが、GSXR1100は
タンクがキャブ側に飛び出ている形状で、
そのままだとスロットルケーブルのあたりがきつく
よろしくない為、後に加工したのですが
写真は撮り忘れました。
その車種専用の商品でもこのように多少加工が
必要なものはとても多く、そういう物は都度加工や
調整をします。
それをするかしないかによってお客さんは
お金を支払うのに手に入れるバイクの完成度は
大きく違ってきます。
キャブなどもろくにチェックもせずそのまま組付けて
しまっているところが多いでしょうね。
まずフロート側を開けて、油面の高さが基準内に入るように
なっているかフロートの高さをチェックします。
次にスロージェット、メインジェットなどの番手を
チェックし、必要な場合はあらかじめ変更しておきます。
次にパイロットスクリューの開度をチェックし、
各部ネジ類の緩みがないかもチェックします。
フロート側を閉め、次にジェットニードル側の蓋を
開けてジェットニードルに何が使われているか、
クリップの位置が何段目になっているかチェックします。
チェックが終わったら組付けます。
セッティングを変更しない時でも毎回
このように必ずチェックします。
それが当たり前。
ジェットニードルを元に戻し組付けたら、
フロート側と同様各部確認できるところは
ネジ類が緩んでいないかをチェックしつつ、
スロットルを開け閉めして、同調が正しいか確認、
リンク類の調整にもおかしいところがないかを
確認します。
これらのことは基本、キャブの出荷時に正しく
調整されているはずですが、組付け時には
メカニックがチェックすべきだと
私がビトーR&Dにいた時にも、そのように
教えられたものです。
要はメカニックの仕事は受け取った部品を
ただそのまま組付けることではなく、
自身で確認、調整しつつ組付けることです。
そのまま組付けるのが仕事だと思っている整備士が
多いですね。それは間違い。
スロットルの同調なども確認し、トップキャップを閉めました。
次にアダプターを取り付けます。
FCRキャブレターの同調確認は目視でよい。
アダプターを本体に取り付ける時は液体パッキンを塗って
締め付けですが、よく液体パッキンが沢山はみ出て
そのままにしている人がいますね。
そういうことを平気でする整備士にまともな人は
いるとは思えませんね。
ご覧のようにふき取っています。ここまでする必要は
ありませんが。
ファンネルを組付けてキャブの準備が完了。
オイルクーラー回りをこぎれいにします。
本来パイプはメッキ仕上げですが、
カシメて作られているため、再メッキには出せない為
軽く塗装しました。と言っても意外と面倒。
この部分はメッキより塗装の方が実は錆びにくくて
良いと思います。
近年の当社でエンジンOHするGPZ900Rの水回りパイプは
メッキしてから塗装する事が多いですね。
オイルクーラーとフレーム間に入るゴムのダンパー類と
カラー。カラーは再メッキだったか新品だったかは忘れました。
こういうゴム部品の純正部品がまだ出るのが嬉しい所。
交換しておきます。
オイルクーラーを仮組み。仮組みなのでボルトは
とりあえずのものです。
フィンが曲がっている箇所などはできる範囲で
修正し、面倒ですができる範囲で清掃。
フレームのダウンチューブです。外したついでに
掃除をしておきます。
今回はここまで。
販売車両GSXR1100の整備紹介(5)に続きます。
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