販売車両GSXR1100の整備紹介(8)

GSXR1100販売車両整備

実際に販売納品した
GSXR1100の整備模様の続きです。

フロントスプロケット周辺の写真です。
この辺りはチェーンの油分が飛び散り、
1万キロも走れば、かなり汚れていて普通です。

またどのバイクでもニュートラルスイッチや
充電系の配線なども通っていたりしますから
その辺の整備も兼ねて清掃と整備を行います。

クラッチを切ったりつないだりするための
プッシュロッドが見えますが、
その中央のシールは欠品になりやすいので
何個か在庫してます。
GS750のエンジン分解整備をした時も
この部品が欠品で、海外を探しても見つからず。

とにかく何にしても
汚れを落とさないことには状態の確認が
出来ませんから、現状販売車を除いて
当社の販売車両はこういうところもチェックします。
そもそもエンジン降ろして整備するものが
とても多いのですが。

フロントスプロケット、チェーンを交換したところ。
アウトプットシャフトにねじロックを塗ってあるのが
見えます。
チェーンとスプロケットを交換すると
走る時のスムーズさが違い、気持ちよく走れます。

ナットを組付け。
カワサキZ系など、車種によってはこのナットは
緩みやすいので車検ごとに緩んでいないかチェックします。

そういうことをしないでナットが飛んだなんてのは
整備をしていないのがダメなだけで、
そのバイクが悪いわけではないですね。

何でもバイクのせいにするのは間違いで、
車種ごとに必要な整備をよいタイミングでしているかです。
車検や点検の時に確認するのが良いですね。
まずろくな点検ををしないでトラブルが心配、
古いバイクや、輸入車に乗れないなんてのは
もったいない話です。

リヤブレーキのトルクロッド。レストア済み。
純正で両端をわざわざ斜めに溶接してあります。

この方が溶接する部分が長くなり
強度が増すという考えだと思うのですが、
これは今のコストダウンの考えからは逆の考えで
今は溶接の長さをできるだけ減らし、
短く溶接出来るように部品が作られていますね。
典型的なのはフレームなど。

GSXR系はフローティングマウントなので
トルクロッドが長いですね。
見た目よりも軽く作られています。

ピロボール部分は問題なかったので
清掃、グリスアップして再使用でシールは交換。
部品番号が逆さまですが、
写真ではトルクロッドの向きをそろえたかったので。

ボルトは再メッキ。こういうのもサービスなんですよね。
部品とのバランスでどうするか決めています。

トルクロッド反対側。凝った作りなのが見えます。
あちこち初期型GSXRのこういう本気の部分が
お勧めなのです。
この本気が車体、エンジン共に貫かれています。

ここまで来て、ようやく整備したキャリパー
メッキした各ボルト類を使って組付け。
キャリパーのレストアって本当に面倒なんです。

トルクロッドフレーム取り付け側。
ボルトの強度区分7が見えます。
ボルトはそれほど神経質に考えなくても良い箇所もありますが、
簡単に変更してはいけないところもあります。
要は何も考えないで何でも換えても良いというわけでは
ないという事。

前に書いていますがスプロケットは交換。
スプロケットボルトは再メッキでナットは交換。
ホイールのハブダンパーは状態良く再使用。

リヤに続き、整備したフロントブレーキ回りを組付け。

キャブレターを差し込むインシュレーター
純正サイズのものはたしか欠品ですが、
キャブレターをFCRに変更するので
それに合わせた口径のインシュレーターに変更。
何用だったかは忘れました。

インシュレーターはオーリングが入るタイプです。

インシュレーター交換後。
バンドは再メッキ。
ヘッドカバーにつながるオイルラインは
清掃して組付け。
手前に見えるのはメインハーネス。

エンジン下側のエンジンマウントとボルト。
ステーはアンダーカウルを固定するための物。
このステーはカウルの位置に全く合わないので
後に加工しています。
この頃のバイクは純正のカウルの取り付けボルトと
このステーのナットの位置が著しく合わないものが
多くあり、そのまま無理やり組むとカウルがすぐに
割れてしまいます。

このステーの位置調整は結構難しく、
手間がかかります。

エンジンマウント回りを組んだところ。

こちらはオイルクーラーの取付ボルト。
ゴムのダンパーも交換。

エンジン回りのボルトも綺麗にしています。

この部品はエンジンのオイルラインのメクラで再メッキ。

ガスケットを交換。このガスケットは
ネジを緩めた程度なら毎回交換する必要は
ありません。

メクラを取り付け。後ろ側にネジが切られているのは
ここにセンターカウルを取り付けるから。

アッパーカウルのステーと取付ボルト。
ちらっと見えるのはハンドルロックの
キーシリンダー。

ここで先に用意しておいたマフラーを取り付け。

これはガソリンタンク後端を固定するステー。
シートなどを外さないと見えない部品ですが、
よく錆びているのできれいにしたくなる部品です。
再メッキしてあります。

ダンパーとカラーを取り付け、
フレームに取り付けたところ。

この部品はガソリンタンクにつける
ゴムのモール。
新品部品が出るのが嬉しいところ。
長さは自分で切って調節するタイプです。

このガソリンタンクの溶接部分に取り付けます。
溶接されたところの厚みにばらつきがあり
そのせいで上手くつかないところが結構あります。
ス四の五のしながらの取り付けになるため
結構時間を要します。

この部分はフレームに当たることがあるため
モールはきちんとつける必要があります。

取り付けるとこんな感じですが、
曲がっているところなども取り付けにくい。

続いて分解して燃料コックの整備です。
オーリングなどを交換して、
つまりがないかないかなどチェックします。
負圧のダイアフラムは部品が出ないので
再使用。

この頃のGSXR系の燃料コックはあまり作りが
良くなく、後でONとRESは問題ないのですが、
PRIにした時にも負圧がないと燃料が流れないことが発覚。
それだとダメなのでちょっとした
PRI使用時の取り扱い方法を納車時オーナーさんに
説明しPRI使用時も燃料がでるようにしました。

燃料コック完成。


燃料コックをガソリンタンクに固定する
ボルト、ガスケットとオーリングも交換します。

燃料コックのレバーをブラストして
ボルトは交換します。

見えにくいですが、取り付けるとこんな感じです。
地味な作業ばかりですがこれが整備です。

販売車両GSXR1100の整備紹介(9)に続きます。











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