DUCATI 900ss 完成写真集 整備内容追加しました(売約済み)

販売車両

不思議なもので、同じ車種の販売や整備の続くことが
多いのですが、900ssや油冷初期モデルのGSXR系も
たまたま程度の良いものが入手できて紹介が続いていました。
今後はしばらく間が空きそうな気配です。
なんか潮目の変わる時があるわけです。

そんな中、この写真集の900ssは後期モデルに
なります。ぱっと見の前期モデルとの違いは、
ゴールド系のフレーム、外装のロゴなどが
解りやすいですね。

外観以外でももちろん各部変更がされていますが、
カワサキZ系などの前期後期の違いを比べれば
基本部分は大きな変更ないと言っても良いぐらいで
購入時は前期後期よりも程度を優先すべき車種になります。

不思議なことに後期モデルの方が程度の悪いことが多く
この様な低走行で程度の良いものはほとんど見つかりません。

低走行物でも保管状況が良いものはほとんどなく
大概錆び上がっていて、フルレストアに近い作業を
施さないと乗れないというようなものが古いバイクに
多いのは私のブログで常々言っています。

そんな中、この900ssはエンジンを降ろして
腰上を分解。(内部は消耗なくとてもきれい)
シリンダースタッドボルトをステンレス製から
鉄製のものに交換。
ヘッドもばらして各部を点検、新車のような
状態でしたが、バルブクリアランス調整を
してから組付けました。
そしてクランクケースなどエンジン各部を
増し締め。

オイル漏れをしやすい箇所のシールを交換し
タイミングベルトと、悪くなってはいませんでしたが
ついでにそれ関連のベアリングを交換。

クラッチはプレート類と、スプリング、
オイルとフィルターは交換。
オイルはDUCATIにはモチュールがよく使われて
いるのかな?ということですが
モチュールは使っていません。

FCRキャブレターに交換。
それに伴いスロットルキット回りを交換。
スロットルケーブルも動きが悪くなりにくい
良いものを使っています。

オイルクーラーホースのフィッティングの
レストア。

エンジンカバーの色剥げが多めにあった部分を
ブラスト処理して塗装。
各部オイルにじみの出やすい部分は対策して組付け。
インテークのマニホールドをレストアして組付け。

エンジンも一旦ひっくり返して隅々まで
できるだけ掃除して整備後に車体に載せました。

マフラーはビトーR&D製マフラーに
当社製サイレンサー作って組み合わせてあります。
エンジン始動時は歯切れの良い音がしますが、
乗っている時は純正の音の大きさと大きく
変わらないようになっています。
純正の音が元々大きく感じる音だとは思います。

マフラーのステー(タンデムステップ兼)
はノーマルのマフラーも取り付けられるように
そのまま残しましたがレストアしました。
ステーには純正のマフラー取り付けのための
大きな穴が開いており、そのままだとかっこ悪いので
色々思案しましたが、メクラを作って取り付け。
いい感じに出来ました。


フロントフォークはシルバー部分はレストア。
分解整備して組付け。セッティングは純正に近い物。

スイングアームはブラストして再塗装
エンジン側の取り付け部のベアリングは
状態良くグリスアップで再使用。

リヤショックはオーリンズ製に交換。
900ssはいい位置で見えるのが中々カッコが良い。

車体は部分的に分解しつつほぼ全バラに
近い状態までばらして各部を掃除、
フレームの左側には入庫時のガソリン漏れのため、
色が傷んでいる部分がありますが、
今回は剥げている部分のみタッチアップで
そのままにしました。中途半端に治すと
かえって不自然になるかもしれないという判断で。

ハーネス類の傷んでいる箇所を修正。
ヒューズボックス内のヒューズを交換し、
それとは別についているメインの板型ヒューズを交換。
これはカウル内の目につかない部分についているのですが
古くなると劣化して電流が多く流れていなくても
切れたりするので。
その辺では売られていないですし。

ウインカーとテールランプ球交換。
ばらしている時でないと換えにくい
メーター球とヘッドライトのバルブを交換。
ヘッドライトの向きはカウルを取り付けると
下側が調整しにくいのでダブルナットを付け
カウルを外さなくても好みに調整できるように
してあります。車検の時にも便利いいですし。

バッテリーとレギュレーターを交換。
丁度よいサイズのバッテリーがないので
選択が難しい。

そして容量が大きくなく、(無駄がないともいえる)
ダメになっていることが多い重要なフレームの
ステムベアリングも交換。
同時にトップブリッジレストア、
アンダーブラケットブラスト処理。

ハンドルは純正を垂れ角の変更加工をして組付け。
元々なぜか垂れ角0度のものがついているので
これは大切な加工で、断然乗り易くなります。
次に作る時はもう10㎜程度上にあげるつもり。
さらに乗り易くなります。

前後キャリパーは新品に交換。
フロントブレーキ、クラッチのマスターシリンダーは
ブレンボラジアルポンプタイプに変更。
社外品の大きい径のタイプに変更されていた
レリーズキットは、内部のシールがまだ
手に入ったため、それを交換。
それに合わせて前後ブレーキホース、
クラッチホースを当社で製作。

リヤのブレーキマスターは新品に交換。
ステップ類は分解グリスアップ。
左側ギヤチェンジのリンクは
動きの悪くなっていたピロボールなど交換。

ホイールベアリングは点検しましたが
問題なくて再使用。
ホイール関連は内外清掃してタイヤを
新調して組付け。バルブは一つ交換。
チェーンも交換。

ガソリンタンク内の整備、できる限りの
漏れ対策をして、タンク内のフューエルポンプを
一旦外して点検後、ホース、フィルターなど交換。

ガソリンの量が減った時に点灯する
センサー類は問題ないことを確認。
タンプキャップもその作業に伴い
一旦外していますが、その際にシルバーの
部分はレストア。タンクキャップを
外したりはめたりするのも結構大変。

元々程度の良かった外装を薄皮一枚磨き、
スクリーン、テールランプも研磨。
右側に立ちごけの傷がありますが、
タッチアップなどで対処。
良い色合わせができているので、
後々の事を考えこの方がよいと判断。
下手な補修をすると時間が経ったときに
納品時は良くてもその部分がかえって
劣化して目立ったりするので。

全てではないですが車体各部のボルトや
ステーなど再メッキか、新品に交換。
色が黒系のものは今回塗装を施し、
樹脂系のワッシャを交換して組付け。

シート内に十分なスペースはあるものの
小物入れの形状からやや取り付けにくい
ETCを取り付け。

ナンバープレートのステーは今回純正を
加工してレストアして使用。

多くの作業があって端折っていますが
整備はこんな感じ。

この900ssを乗って感じるのは、
まず軽い服を羽織るような感じで乗れること。
整備をすればするほど良く走る典型的な
バイクだと思います。
重箱の隅をつつきまくられ余計なぜい肉が
ついたバイクには無い乗り味です。
上手く操作できればできるほどそれに答えて
くれます。

80馬力程度の数値だけで見ればたいしたことがない
エンジンを実際に乗ってアクセルを開けて走れば
2バルブ空冷エンジンが存分に存在を主張し
トラスフレームと共にグッと加速し
スポーツライディングはここにあるという走りをします。

かといってゆっくりと流す走りも快適にできる。
シート高も低い。

私のような仕事としていると、
どんなに見た目が良くても乗って走りが良くない、
楽しくない、主張がないものをヨシ!とは思えない。

単純に速い遅いという基準だけでは造れない世界が
あるのです。

古いバイクにはメーカーが自らの誇りや、
決して譲らない部分、自社のバイクは
こういうものだと信じた主張が多く感じられる
バイクが多くありました。
見た目にも走りにもそれぞれの個性が
あったのです。

はっきり言えば2気筒でも4気筒でも
メーカーが信じる部分が感じられるバイクが
良いと私は思っています。

主張がはっきりとわかるバイクは面白い。
ただしその主張を感じるためにも
良い整備、一通りの整備が大切なのです。

それはチューニング車両も同じ、
よくできたチューニング車両には造り手の
考え方がはっきりと反映され、
その部分に乗り手側も共感できれば
世界に一台だけのさらに楽しい乗り物に
なるでしょう。

このバイクで言えば、軽量なホイール、
今のエンジンに慣れてから行う
レスポンスの向上ですね。
逆を言えばこの2点しか思いつかない。

では上記を踏まえた上で写真集をどうぞ。

当社の販売車両情報はこちら。

https://www.tasaki-tuning.com/info/index.html

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