カワサキ空冷GPZ750の純正swing arm pivotと
言われる箇所のベアリング回りを整備している時に、
メーカーのいわゆる不良品ぽい箇所がありました。
走行距離が1万キロ未満、分解の形跡がない
車両ですから、メーカーが組み立てて
そのままだと(あくまで推測)思われます。
ニードルベアリングの方ではなく、
スイングアーム左前側の、
ボールベアリングが入っている箇所の
サークリップがきちんと入りきって
いない状態でした。
その不自然な部分を分解してみると奥の方に
少し問題があると思われる箇所があり
ベアリングが奥まできちんと入れにくい状態でした。
ですがそこの部分を手直ししてベアリングを
入れてみますが上手くいきません。
もう一度ベアリングを外し、
よくよく計測などして確認してみますが、
大きく数値的に変ということは
ないのですが、
最終的にはベアリングが圧入される部分の
寸法に若干問題がありベアリングのおさまりが
悪い状態でサークリップ方向(外側の方)に
押し出されてきていると結論をだしました。
おそらくスイングアームを製作するときに
溶接、加工作業した段階で少しミスが出ていた
ということですが、
スイングアームを製作した会社も、
これぐらいはいいだろうということで出荷
されたのだと思います。
実際新車で販売されてから1万キロ位は
そのまま走っていたのですから、
走れなくはない、という感じでしょうか。
今回その部分は修正が難しいと判断し、
スイングアーム自体を交換することにしました。
こういうものを在庫している店は少ないと
思いますが、GPZ750のものは数本持っており
交換しました。
結果的に悪い部分を見つけられてよかったと
思っています。
相変わらず自分だけは納期早く、
金額面でも安くて良いものが手に入るなどと
お花畑状態の人がいます。
そんなものがあるなら私も欲しいですが
古いバイクの未整備車でそんなものあるわけない。
結局整備や、レストア、乗り易くするための
改善などの費用を用意できるか、
その費用をいただいてそれを実践する技術が
店側にあるかです。
今回のように車体全体の程度が素晴らしく
良いバイクでも、分解してみるとミスが
見つかったりすることもあるわけです。
また当社でも通常のバイク屋さんよりも
圧倒的に1台あたりの作業量が多いので
どんなに何度もチェックをしても
人間のすることですから100%ミスがないわけでは
ありません。
(そのために保証を付けている箇所がある)
ただ、何も分解整備もせず、費用も手間もかけず
良いものなどありはしません。
最近はお問い合わせいただくお客様も
繰り返しそのことを書いているせいか
最初から整備費用がいるということを
ご理解いただいている方が増え、
嬉しく思います。
最近もある車種のバイクがうちの整備済み車より
高く販売されているのを見てしまいました。
旧車販売店の大手ですな。
こういうのを知識のないで買う人がいれば
調子乗って店もさらに高値で売りますし、
古いバイクは故障だらけなんていう間違い情報が
出回ることになるんですよ。
見ただけでたいした整備なんかしてないのが
解りますよ。
もちろんベースにする車両の状態、
そして車種によりその整備しなくてはいけない
範囲が変わり、それぞれ違います。
また中古車の場合、過去の整備の具合によっても
大きく変わります。一台一台違うわけです。
今回のGPZ750のように悪い箇所を発見するたびに
繰り返しになりますが事前に発見できてよかったと
思うわけです。
ただそれぞれのバイクには公差というものがあり
その範囲なら良し、という寸法なり、
乗り味というものがあります。
それを超えて良くしようとすると
大体元の状態より悪くなることが多いです。
運転して何の問題もないのに
わざわざ費用と手間をかけて部品を
交換してみたりなんてことですね。
これは予防整備とは違います。
例えばスポークホイール。
削り出しのホイールなんかに比べ
上下左右に振れがあったりします。
外観は綺麗に仕上がっていて、
乗ってみて何の問題もないのに
ある時それが振れていることが解った場合、
どうするか。
それはタイヤ交換の時に修正できるなら
しても良い、というぐらいで
修正しないのも正解です。
なんせ乗って何の問題もないわけですから。
私が自分のバイクなら何もしません。
チューニングの世界では、バランス取りだったり
より摺動抵抗を減らしたり振れを少なくしたり
なんてことを追求して、実際にその作業をして
よりパフオーマンスが向上したりします。
ですが、ほとんどの方が持っている
古いバイクはそれよりもはるか前の状態で、
悪い部分や傷んでいる箇所を修理したり、
調子を崩している箇所を調整したり
する方が先です。
それをしないうちに乗って何も問題ない箇所を
分解してみて良い結果を出すということは
とても難しいことです。
先程のスポークホイールでも
元の状態よりも、厳密に作業するということは
腕の良い方に作業してもらう必要があります。
その人はどこにいるのでしょうか?
仮に調べた情報でスポークの張り直しに
出したとして、今より良い結果が100%
でるでしょうか。
一度ホイールとブレーキディスクを外し、
タイヤを外して組みなおす。
その際にミスが起きないでしょうか?
またその際にタイヤの銘柄を変えたりして
いまより乗り味が落ちることはないでしょうか?
元々乗って良い状態のものを分解して
作業をするということは
費用と見合わないことが結構あるのです。
そんなことをするぐらいなら
古くなったチェーンを交換したり、
減っているタイヤを交換したり、
それこそタイヤの空気圧を調整したり
する方が(タイヤの空気が減っている
車両は実に多い)
いや、何か月も乗らずに放置よりも
月に1度は乗ってあげるほうが
遥かに良いのです。
今日はもう一つ。
バイクの面白さ、楽しさについて。
自分もよく運転して楽しいだ面白いだ
書いていますし、言ってもいます。
同時に現代の高出力車に乗った時の違和感、
これは何なのだろうと考えていました。
150PSから200PSオーバーなど
ハイスペックのバイクにバイクをかじったばかりの
初心者が乗り、意外とマイルドなどと
のたまったりする。
150PSなんて初期型油冷GSXR1100より出力は上。
このバイクマフラーとキャブ換えるだけで
快音と共にめちゃくちゃ良く走ります。
マイルドにしてるのは当たり前だろ。
お金さえ払えば(免許も)
そういうハイスペック車を、
誰でもそれほどの金額を払わずとも
今は買うことができるから。
誰でもとりあえず運転できるように
アクセルを開けても本来の出力を
発揮しないように制御してあるんでしょ。
あるいはその辺の運転者の声をある程度無視して、
より走りをうたうバイクに乗ってみると、
私のようにチューニングバイクに慣れた
運転者でも面白くない。
その理由は?と考えてみると
私がバイクをコントロールしているのではなく
バイクにコントロールされているからだと
思います。
よく聞く言葉ではありますが
ハイスペックなバイクの方が能力が上で
乗っけてもらっているというような。
つまりバイクとの調和ができていない状態です。
こういう状態だと運転している時に
タイヤが路面をつかんでいる状況だったりが
解りにくくて安心して乗ることもできない。
結果としてこけたりする。
どんなに高出力なバイクでも
運転者の技量が伴わなければバイクに乗せられた
状況になり、それは面白くない。
私とて、たまにすごく速いバイクに乗り、
アクセルを開けてみたくなりますが
せいぜい直線で開けるだけで、
それだけだとすぐに飽きます。
タイヤと体が暖まってから10キロも走れば充分です。
乗りこなそうなどとは思わない、
場所も限られますし。
ですからそういうバイクは何台も持てる
余裕がある人だけでいいのではないでしょうか。
そこで登場するのは古いバイクたち。
排気量は400ぐらいのものからボアアップして
1200ぐらいまで選べる。
この中で自分の技量や使い方で自由に選べる。
結局ある程度高回転域までエンジンを使いきれる方が
運転して面白いのは確実なのです。
技量以外にも使用する道路の状況などでも
大きく変わってくるかもしれませんね。
またエンジンだけ良く走っても
車体がついてこないとアクセルを開けられないので
結局今の高出力車に乗っているような
フラストレーションが溜まる。
足回りがノーマルに近い状態なら
カワサキZ系なら1100ccぐらいのものが
とても良いと思いますし、
足回りまで手を加える予定があれば
1100~1200でさらにヘッドチューニングを
加えても良い。使うカムシャフトでも
印象はかなり変わります。」
その他の車種でも750、1100でも
それぞれに良いバイクがあります。
高速道路を走ることが少ないなら
日本の道には750~900のバイクは
とても合っていますし、車体的にも
軽めのものが多いので技量的にも
殆どの方が扱えると思います。
これがゆっくし流しても良いし、
とっつきが良いので、天気が良い時に
短い時間でも乗る気分になる。
また400ほどの気軽さでもないので
適度に緊張があるので事故や転倒なども
減らせる。
先日、販売車両DUCATI900SSの
オーリンズ製リヤショックのスプリングが
届きました。
国内にたまたま在庫がなくイタリアから
取り寄せたのですが、マグタンにホイールを
変更した時のリヤスプリングレートが
合っていない感を正すためです。
結果は大正解で、マグホイール装着による
軽快感と、よく一般道で走る
60キロ位からのスピードで曲がる時の
旋回性向上を乗り心地を損ねることなく手にできました。
まるでこれが本来の純正のような扱いやすさです。
900のツインは適度なドコドコ感と
上まで回せる適度な出力と車体の軽快感。
少し暖かくなってくると始動はセル一発。
ミラーは振動で揺れていますが、
豊かなトルクで中速域コーナーの脱出時の
加速が最高に気持ち良いのです。
そしてコーナー立ち上がりからの
デスモドロミック機構による
独特なレッドゾーン付近までの回転感。
これらのことが思い出され、
天気が良いと無性に乗りたくなるのです。
派手な赤の外観も、販売されて年数が経つと
クリーンなデザインが尖っておらず
肩ひじ張れず楽に乗れます。
大分では珍しいので結構見られますがね。
まさに大分は今日晴れ。
乗りたいなあと思うわけです。
DUCATIのパイプフレームと
ツインのエンジンが。
忙しいのでそういうわけにもいきませんが。

コメント