極上ニンジャ整備車両を作る(10)

販売車両

私のブログ販売車両ニンジャの製作模様
1~9の続きになります。

整備も終盤で、大きな作業はありませんが、
最後のもうひと頑張りが大切です。

今回のブログ終盤で整備の結果、
外装を外した状態でどのように
仕上がっているか紹介しています。

元々程度が良かったチェーンカバーは
掃除して再使用しました。

何十年か前は改造する際に
チェーンカバー外してしまう車両が多かったですが
今はそういうことはなく、逆についていない
車両に取り付けることがあります。
チェーンむき出しは危ないので
ついている方がよいですね。

チェーンカバーはグリスでゲロゲロ状態に
なっておりユーザーさんはそのままに
している方がほとんですが、
こういう整備時に整備士がきれいにすべきです。

車もバイクも言わなくても
こういうところをきちんと作業してくれるところが
良いと思います。ほとんどないですけど。

まともに整備していれば
気になってほっとけないものですよ。

チェーンカバーの取付ボルト。こういう箇所を
当たり前にきちんとしているかに店の考え方が出る。
欠品の場合はなるべく自然で雰囲気が浮かないものを
取り付けます。

全体的にはこんな感じ。
費用対効果はもちろん部分的にではなく、
まとめて作業を行う方が断然良くなります。


このGPZ900Rに積む車載工具です。

車載工具のカバー。

スペースが限られているので、車載工具は
最低限のもののみです。錆びていることが多く
今回のものは錆びはほとんどなく、
工具とカバーは簡単に掃除しておきました。

以前も書きましたが、車載工具は中古バイクを
仕入れるとすでに何もついていないことが多く、
当社ではそういう場合は簡単なものをつけています。

ないままで売っているところの方が
多いと思います。

ですが、あくまで車載工具はオーナーさん自身が
一度チェックして、自身の整備レベルに合わせて
必要なものを足したり、入れ替えするほうが良いです。

普段整備しない方がいろいろ入れる必要はないし、
整備できる方で心配性であれば、
あれこれ自分で必要なものを用意する。

私自身はどうかというと、バイクは見ますが
車の車載工具は確認したことはありません。
すいません。
車で動けなくなったらJAF呼びます。

トランポのタイヤがバーストした経験が
何度かあるので、初めてバーストした時は
工具が乗っててよかったと思いました。
会社のトランポには今はいろいろ載せてます。

バッテリーは新品に交換。
バッテリーはレギュレーターとのからみがあるので、
新製品だからと言って確認せずに付けるのではなく、
レギュレーターに合ったものをつけましょう。

スタータークラッチが弱い車種、いわゆる旧車と
いわれるモデルと、ニンジャも対策が施されていない
年式のものはセルの回りが弱いとスタータークラッチが
傷んでしまうのでバッテリーは早めに交換したほうが良いです。
特にカタナなどはこのスタータークラッチは欠品ですので。

ミラーは新品に交換。
このての部品は欠品になると代わりを探すのが
面倒ですし、社外品は純正に比べて品質が落ちます。

品質が落ちるとは外観の劣化が早く、
ヒビが入りやすい、
走っているとぶれて見えないなどです。

ニンジャのミラーは根元の部分が
年数が経つと割れてくるので早めに交換します。

ニンジャのミラー交換は前期モデルはカウル内の
ステーにナットが固定されておらず、交換時に
カウルの裏側を分解して外す必要があり
とても面倒です。

当社で販売するとき、ナットが固定されていない
タイプの時はカウルステーにナットを溶接し
ミラー交換時は外から2本のボルトを外すだけで
交換できるようにしておきます。

カワサキもそれに気づいており、
後期のモデルや、
今カウルステーを注文すると
あらかじめ溶接されたものになっています。

ガソリンタンク裏につくガソリンのレベルゲージ。
パッキンを交換してます。
こういう部品が出るのもありがたい。
レベルゲージも綺麗ですね。
このレベルゲージには蓋がつきます。

旧車バイクの中にはこのパッキンが欠品の
ものもあり、どうしても部品が見つからない場合は
そのまま交換しないこともあります。
もし漏れていた時はその時に対処方法を考えますね。

メインのキーシリンダー外して清掃します。
古い車種は良く保護チューブや端子がダメに
なっていたりします。

機能面でダメになっているものは少ないですが、
見た目上傷んでいるものは結構あるので、
都度対応します。このニンジャは大丈夫で
掃除のみ。

キーシリンダーを取り付けたところ。

ハンドルスイッチも外してチェックします。
程度が良いので掃除して再使用。

ハンドルスイッチ類は
古いバイクをレストアする時に困る部品の筆頭で、
傷んでいる時、純正部品がまだ販売されていれば
早めに対応するほうが良いです。

スロットルケーブル。

今回はフルレストア車ではないので
問題のないスピードメーターケーブルは掃除のみで
交換しませんでしたが、
スロットルケーブルは少しでも動きが悪くなると
乗っての印象がてきめんに悪くなるので、
現状問題なかったのですが交換しました。

この写真はラジエターなどを外した、
かなり前に行った作業で、
メインハーネスをチェックと掃除をするため
引っ張りだしているところ。

今回は程度が良く、交換の必要を感じなかったので
メインハーネスは交換しません。
フルレストア車であれば欠品でどうしてもオーダー
製作が難しいなどの時を除き、交換します。
この写真は車体右側で清掃前。

ハーネスをチェックして清掃後。

車体左側。
清掃し、カプラーなどチェックし終わったところ。
端子が腐食してたり、カプラーが解けたりして
いないか確認します。

同じくチェックし作業後。
ハーネスと、カプラーの端子部分をチェックして
問題があればこの時に対処しておけば、
全て防げるわけではありませんが、
中古車によくある納車後の原因が
解りにくい電気系トラブルをかなり減らす
ことができます。


後は外装組みたてや、細かい作業が
実はあったりするのですが、写真を撮り忘れたり、
撮るのが面倒だったりなので、これで作業内容の
紹介は終わりです。

外装関連ではスクリーンの研磨が
面倒ですが大切ですね。このニンジャも
研磨してあります。
磨けば磨くほど細かい傷が出てくるので
完璧とはいいませんが、
するとしないでは大違いです。

この写真は研磨して取り付けた完成状態。

ここからの写真は、
整備、組付けが終わり外装は取り付けて
いない時の写真です。
外装を載せれば見えなくなりますが、
今までの成果が現れます。

ガソリンタンクを外した左側。

同じく左側で、やや上から撮ったもの。

アッパーカウル内部の左側。

ラジエター左側。ラジエターファンスイッチが見えます。
ラジエターの加工が一番大変だったかな。
ノーマルのGPZ900Rよりは早めに回ります。

アッパーカウルの右ウインカーの裏側。
使用するナットやワッシャーは純正の組み合わせが
良いとは限らないので都度考えて変更したりします。
アッパーカウル裏側もある程度綺麗に
しています。
これは塗装屋さんが外装を塗る時に
サービスでしてくれています。

アッパーカウル左側。ミラーを取り付ける
ステーが見えます。
先に書いたミラー交換時にここのナットが
溶接固定されているとミラー交換が
簡単にできます。

同じ位置でやや上から撮った写真。
いちいち撮るのは面倒なのですが、
このように詳しくデータを取っておき、
次にまたGPZ900Rの作業をするときに参考にしたり、
これを見て新たに改善点を思いつけば
変更したりします。

ヘッドライトの上側。

メーター手前を上から撮ったもの。
ケーブルをどこから通しているかもなるべく残しておきます。

ステムのロアブラケット周辺。
こういうところは組んでしまうと掃除しにくいので
徹底的に綺麗にしておきます。

ブレーキの分岐が見えます。
フロントブレーキのホースは3本の方が
エアは抜けにくいですが、
美しく仕上がり余計な干渉も減らせるので
3本タイプで製作しています。

メーター周辺右側。

見えないところもある程度こだわるのは、
もし自分がオーナーで、整備済みと言われるのなら
ここまでしてあるバイクに乗りたいから。

右側のラジエター上側。見えるラジエターのホースは
過去に当社で交換してあるので再使用です。
ラジエターキャップは交換済み。

ガソリンタンク下、右側。
サーモスタット部のスイッチに
配線をつなげてませんが、
このスイッチは元々水温がかなり上がった時
にファンが回るようになっています。

ファンの回るタイミングが遅すぎるので
今回このスイッチは使用していません。
このGPZ900Rは水温がもっと低いうちから
回るように対策しています。

今回エンジンはノーマルなので
ここまでしておく必要はないのですが、
エンジンに手を加えて熱量が上がっても
良いように今回の車両はしてあります。

カワサキの方でもZRXなどニンジャ以降のモデルは
今回整備模様を紹介しているこのGPZ900R同様、
水温がそれほど上がらないうちから
回るようになっています。

ラジエター右側。

ホーンは見た目傷んでいたので交換。
配線も熱で傷んでいたのでレストア。

マフラーは新規製作。
エンジン下側などのオイルラインのパイプも
きれいにしています。

ラジエターを車体に固定するための車体上側の
ステー周辺部。
配線が見えますが、念のため耐熱の保護チューブを
使ってます。

エンジン左側ヘッドカバー周辺。GPZ900Rは
ここに水がたまるので傷んでいるものが多いです。
このGPZ900Rは大丈夫ですね。

燃料コックの負圧ホースは2番からとってます。
ホースは硬化してくるので新品に交換。

ジェネレーター付近。充電量がZRXなどの
メンテナンスフリータイプのバッテリーを
使うものとは違い、GPZ900R純正は
やや多めになっています。

クラッチレリーズ周辺。ここも整備済み。

フューズボックスとセルモーターなどのリレー周辺。

シート下。シート下がガチャガチャボロボロの車体は
ほば車両全体の状態も悪い。もちろんこの車両は
状態が良い。

テールカウル内。

これで極上ニンジャ整備車両を作る、
作業は終わりになります。
近いうちに1~10までまとめてみられる
ようにしたいと思います。

販売金額自体はそこらへんで売られているものより
やや高く、お客さんからの問い合わせ時に
時々理由を聞かれるのですが、

程度のよい車両を元にして、
良い部品を使い、
手間をかけて作業をする。

そうなればある程度金額は高くなります。

ですが、当社はいたずらに意味なく高いものは
好みません。
それでは自ら業界の首を絞めるような物。

今回は元々ある程度当社にて手が加えられた状態の
良いGPZ900Rを元にして、
さらに紹介しているように一度に効率よく作業を施し
たことで、ゼロから製作したときに比べ
遥かに販売価格が抑えられています。

これにエンジンに手を加えたら、
さらに走りも音も良く、さらに楽しいバイクに
なるのですけれど。今すぐは時間が作れない。

これまで整備模様を紹介してきた
販売車両GPZ900Rはこちらです。














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