例えばバイクや車の評論家で、
仕事がもらえ、金になれば提灯記事でも
何でも書くよというというダメな評論家がいたとします。
その人が書く記事と、
逆に出来るだけ真摯にダメなものはダメと記事に書く
良い評論家さんがいたとしてどちらの言葉に
重みがあるでしょうか。
もちろんダメなものをダメと言う評論家は
バイクや車の問題がある部分を指摘しますから、
数を売りたいメーカーからすれば面白くない
存在ですよね。
そういう買う側からすれば
本来大切にすべき良い評論家さんは
売れっ子にはなれないことが多くなりますね。
そう言う面では自分で情報発信しやすい時代なので
よい所もあります。
では私のような評論家ではなく実際に
バイクを売ったり、整備する側から考えた時は
どうでしょうか。
私が仕入れてバイクを売る時は、
購入後のお客さんのことを想像します。
長くこの仕事をしているので、
殆どのお客さんが望む事に共通点があるのが
解ります。
それは運転して楽しく、見た目が好みで、
故障が少ないこと。
ですが実際にはその中に優先順位があり、
1番がまず見た目が好みであること、
その次が故障が少なく、
その次が運転して楽しい。その走りも殆どは
パフオーマンスの高さというよりは乗り易さ、
扱いやすさをを求めている方がほとんど。
私とて、まずは見た目です。
形が嫌いなものは絶対に買いません。
最近平成16年登録、走行距離3000キロの
SC57CBR1000RRレプソルカラー
をあまりに程度が良いので思わず買って
しまいました。(売り物です)
その見た目前提ですが、ここからがお客さんと
同じ優先順位ではありません。
見た目、故障が少なく(維持費も含まれる)
と乗っての楽しさ(扱いやすさとパフォーマンス)
これらはすべてが絡み合っていますから、
どれかが優先ではなくそれぞれのバランス点が
なるべく高い状態になるように考えます。
扱いやすいは大切なことではありますが、
それだけだと退屈な車のように
すぐに飽きてしまいます。
つまり優先順位などなく、この3点の
頂点がそれぞれなるべく高くなるバランスを考え、
大変ですが実際にそれを行うのが私たちの仕事そのものです。
最初に書いたダメ評論家のように
金になればよいという考えは私にはありません。
それなら割に合わない今の仕事ではなく
別の仕事をした方がよい。
好きだからこそ、はまっているわけですから。
見た目だけのことしか頭にないお客さんには
それをすることによってこういう悪い部分が
でてきますよと説明します。
お客さんの中にはその説明を聞いて
それなら変更するのを辞めますという方もいれば
それでもいいからそのままにして欲しいと
いう方もいます。
大切なのはどのお客様も、
まずその予算内にはなりますが
できるだけ本来の良い状態を知って
いただくことです。
その状態で乗った上で、見た目を
変えてみたければ試してみるのが良い。
その結果思ったほど気にならないのであれば
その見た目で乗るのがいいし、
ダメと思ったなら元に戻せばよい。
どのお客さんにも必ず上限の予算があります。
その予算内でどう3点をレベル高い位置に
できるかです。
問い合わせいただいた方に何度か話した
ことがあるのですが、とにかくノーマルが
良いという方に。
そういう時、当社で話させていただくのは、
「メーカーが作ったものは制限だらけの中で
作っています。
その中で、故障や、故障はしていなくても
問題のある部分や改善すべきポイントは、
変更しておかなければ乗りにくかったり
トラブルになったりして、
結局乗らなくなって手放してしまいます。
バイクは飾っておくだけのものではなく
乗る前提のものですから、
あれもこれもノーマルでという指定が入って
当社のノウハウを全く使えないのであれば
当社で買う意味がないですよね。」
こういう話です。
購入車種、年式、メーカー、
そして上限予算などによって、
それぞれどこをどう改善、整備すべきかが
変わります。
例えばマフラーなんかでも
ノーマルで問題ないものもあれば
絶対に換えた方がよい車種もあります。
キャブレターなんかも同じです。
評論家さんと私たちが違う点もあります。
私たちはいい悪いを言って終わりでなく、
実際に予算の中で作業し、結果を出さなくては
いけません。
しかもそれが一時の結果でなく
できるだけ良い状態が長い方がよい。
納品後の整備性もできるだけ良い方がよい。
ネットは良い情報も悪い情報ももたらします。
その中でどれを選択するか、
金になればよいという考えで
言われたことを何でもするような店に
するつもりはありません。
デメリットを話し、本当にダメなことはしない。
それほど大きな問題でなく慣れの範囲内であれば
どういう問題がでやすいか説明した上で
作業する。それだけの事。
また車種や、新しいバイク、古いバイク
一緒くたに考えるのではなく、
それぞれに、予算を含め考える。
当社にご依頼いただくのなら
その方がお客様にメリットがあると思います。
私たちも仕事の依頼が来て、利益が出て
はじめて事業を継続できてます。
色々なバイクがありますが、
せっかく良い所があるのに生かし切れていない
車種、状態のものが多くあります。
世の中にはまだまだ楽しめるバイクが
たくさんあります。
可能であれば必要な箇所は整備したり、
整備されたバイクを手に入れていただいて、
バイク本来の良い所を楽しんで
もらえればと思います。
その魅力に気づいてもらうことも私たちの
仕事です。
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