一番大切なことは何か?

日記

今考えているのは750ccなどのやや排気量の
やや小さいバイク用のマフラーを作ることです。

すでにCB750Fなどはすでに当社のラインナップにあります。

元々CB750Fのエンジンはマフラーに対しての
許容が広いと言いますか、谷などが出にくくて
セッティングが少々ずれていても問題なく
走ってくれたりします。

ですからその辺で拾ってきたような雑な
つくりのマフラーであっても(失礼!)
けなげにきちんと走ったりするのです。
懐の広いエンジンですね。

またエンジンオーバーホールなどの際に
鍛造ピストンを使って820ccぐらいにして、
圧縮比も上がれば当社製のような太めのパイプでも
しっかり走ってくれます。
また集合部も谷が出やすい4-1集合でも
きちんと走ります。

これって実はすごいことなんですよ。
自分で作っているとその違いは大きいですね。

CBーF系はオイルパン形状が邪魔をして
右側に前から見てややひし形になるような
集合部を取り付けることになります。

この時に4-2-1のタイプで作らないと
いけないとなったら、相当難しいことになります。
それが4-1タイプで作れることのありがたさ。
中々一般の方は気づかないし、知らないことですよね。

そうはいっても音の方は別問題で、
走れるからと言って通常のままではいい音が
でなかったりしますから、
通常よりも消音部を長めにして
良い音がでるように、工夫したりします。

これはサイレンサーを長くしても同様の音が出ると
思いますが、古いバイクにあまりに長いサイレンサー
は好きでないので、見た目を変えずにそれが
できるようにしてあります。
まあ、手間がかかって本当はしたくないのですが
良い音が出ることが大切です。

マフラーを作る時には常に材料や治具の絡みがあり、
特に材料や使用する部品はなどはできるだけ同じもので
作りたいのが正直なところです。

今であれば大きい排気量のバイクが多いので
それに合わせた材料が中心になります。
特に当社はマフラー屋さんではないので
年に4本程度作るのみ。

それ以上は作れないのでそれなりに注文のお話は
いただくのですが断らずを得ません。
最近多いのは動画の影響かGSF1200のマフラーですね。
年に4本しか作れないので
なおさら余計な材料は買いたくありません。

ところが今になって回りを見渡してみると
並列4気筒用750ccぐらいのマフラーって
ほとんど売られていないんですよね。

CB750Fや、今当社で売っているものであれば
GSXR750なども古いモデルで、
新たに作ったところで大して売れないから
それは仕方のないことです。
ですから大きい1100cc排気量用のマフラーを
750ccにも取り付けられるからと
いって取り付けることになる。

出来れば、バイクのフレームなんかと一緒で
排気量ごとに専用設計のほうが良いのです。
これは乗り比べれば専用設計の方が
全ての面で扱いやすく良く走ります。
それがコストの面で難しいから、
妥協して汎用品となる。

ないなら750cc用のマフラーを
やっぱり自分で作るしかないか、
と最近考えを巡らせています。

特にエンジンがノーマルの時には
専用のマフラーの方がよいのです。

都度オーダーメイドで作ることになるので
価格は高くなってしまいますが。
最初はGSXR750のものを作ろうと思っています。

ここで表題の一番大切なことは何か?
という事につながるのですが、
このマフラーの話はあくまでその一つの例に
なります。

要はそれぞれのバイク一台一台にあった
整備やレストア、改造が必要だという事です。

マフラーだけとってもその車種や、
エンジンの仕様や、他の部分の改造に
合わせたものを作る方がオーナーさんが運転して
より楽しめるものになることは
間違いありません。

通常専用設計ものと汎用品両方乗る機会がないので
知らないだけで、
両方乗り比べれば誰でもその違いは解ります。

さらにそれをできるだけお客さんが
買える価格で実現できるかです。

例えば、同じ車種で、
同じオーバーホールしたてのエンジン、
同じマフラー、同口径の同じキャブで
あるにもかかわらず、
(新品の部品を使っている時)
いざキャブセッティングを施すと
違うセッティングになったりします。

ジェットニードルの番手や、段数、
エアスクリューの開度など、同じになって
良さそうなのに多少違うことが
実際にあるわけです。

もちろん全く違うという事ではなく
番手や段数で一つ違う程度なのですが
実際に乗り比べると結構アクセルに対しての
ツキが結構違ったりします。

つまり、その一台に合わせた調整が
必要だという事。

もし友人と同じ全く同じバイクで
セッティングも同じなのに交換して
運転してみると走りが違う、そんなことも
あり得るわけです。

これは中古車の整備、レストアだともっと
幅が広いです。

つまりたとえ同じ車種のバイクを手に入れたとしても
整備、レストアの内容はその都度変わってきて、
そのバイクにあった専用の作業を考える必要が
あるのです。

作業前に大体の価格を決めるのは
経験があっても実はかなり難しい。
今当社で持っているVFR400Rもなかなか難しいですね。

なぜなら先ほど書いた同じ仕様のバイクで
新品の部品を使っていてもなおキャブセッティングが
違う事もあるわけですから、
古いバイクの整備やレストアなどは
その1台1台のコンデション、状態によって
都度どのような整備、レストアなどを施すかを
考える事こそ一番難しいところなんですね。

結果が何だっていいのなら難しいことはないのですが
きちんと走って、できれば故障も少ない方がよく
見た目も良い方がいいわけです。

限られた予算をどこにどのように使うか
そこが重要、難しいのです。
ここに頭を使わないので金だけかかって
結果が出ていないものが多いわけですね。

エンジンのオーバーホールで一部の加工に
お金を使いすぎて〇ソみたいなエンジンになってる
バイクがあります。
一か所だけ良くたって意味なし。
良い圧縮、濃い混合、良い点火、
付け加えて、良いマフラーです。


そのバイク1台に1億の予算が使えるなら
何だってできるでしょう。
ですが実際には整備、レストアに使える予算は
限られています。

その中でいかによい結果を出すか。
それにはそのバイク一台一台に合わせて
オーダーで整備、レストアの計画を
きちんと立てる事こそ最も重要なことなのです。

どのバイクにも同じ型にはまった整備メニュー?
そんなのは何の意味もなくゴミ箱に捨てます。

あるバイクには過剰、あるバイクには
足りない。そうなります。
ましてや良いもの、きちんと走る、
きちんとレストアされたバイクを知らない者に
まともな整備メニューなど決められるわけもありません。

















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