先日純正部品が欠品になっている
スズキの油冷７５０ｃｃエンジン用
純正カムチェーンテンショナーを一つだけ
手に入れることができました。
すぐに必要ではないのですが
かなり前から欠品の部品で探しており、
写真で見ると本当に大丈夫かな？
という感じでしたが、めったに出てこないので
ダメもとでチャレンジしてみたのです。
納期が遅れると入金してしばらくしてから
連絡がきて、こういう場合、
よく販売店側から
確認したら在庫がなくて送れない
と連絡が来たり、
こっちに届いたら全く違うものだったり
なんてのが当たり前なので
こりゃダメかなと思っていたのです。
購入価格は純正が欠品になる前の価格と比べ
6倍くらいで数万円ぐらいかな。送料込みで。
注文してから届くまで2か月ほどかかったので
金額忘れました。
高いと思われるかもしれませんが
カタナ1100のものを手に入れた時より安く、
為替の絡みもあるので適正だと思います。
カムチェーンテンショナーは
エンジンのメンテナンスをする時には
必須と言える部品で、
車種によっては距離が進むと折れたりします。
何台か折れたものを見たことがあります。
つまりエンジンブローですね。
どうしてもこの部品が欠品で手に入らない時は
走行距離の進んでない、程度の良い車両を
手に入れるしかありません。
そうは言っても旧車の世界。
中々程度の良いものなんてないのです。
まともな整備士なら解ると思いますが
他人の行った大掛かりなエンジン整備など
まるで信用できません。
世の中平気でボロを程度かいいと言って
知識のない方に売ったりしていますが、
今の世の中、めちゃくちゃ手間のかかる
旧車整備、レストアを本当の意味で
きちんと行っている店なんて
殆ど絶滅危惧種状態です。
そういう店は行けば解りますよ。
いつも分解したエンジンや車体が
やたらとたくさんありますから。
簡単に仕事が終わらないからです。
私は自営ですから関係ないですが
時短、「はぁ？」てな感じです。
好きなだけ働けるのが自営業の良いところですわ。
先ほど書いた旧車のカムチェーンテンショナーですが
先々手に入るようになる可能性がゼロではありません。
それはあるバイク屋さんが話していましたが
私どものような小さいバイク屋が、
それぞれの店のメイン取り扱い車種の物だけ
製作できるメーカーにお願いして
作ってもらう事です。
と言ってもこれは簡単ではないですね。
まず、とても重要な部品ですから
信頼できる製作会社を探すのが難しいです。
これがとにかく難しい。
また小ロットになりますし、いろいろ
いろいろ取り決めもあるようで、
頼んでも殆ど作ってもらえません。
さらに小ロットと言っても
私どものような小さいバイク屋にとって
それら部品の在庫の重みは半端ではなく
よっぽど考えてからでないと。
つまりバイク屋さんの良心によって
作ってくれている時もあるということ。
作ったところで、数少ない整備をキチンと
する店にしか売れないわけです。
要はカムチェーンテンショナーを交換するほどの
整備をする店なんてほとんどない。
うちの販売車両の油冷エンジンものも
走行距離は少ないですが
腰上を降ろしてシリンダーガスケット、
ヘッドガスケットを交換します。
ついでに他の部品も交換します。
これもこの時代のバイクで、
動かしていなかった時間があるものは
（低走行距離の物）
動かし始めるとヘッドガスケット部分から
オイル漏れしやすいからなんですね。
つまり予防整備です。
その整備の時間がかかっても
お客さんの負担にならないように
事前に行うか、
納品後にオイル漏れして
お客さんのお金で行うか、
またヘッドガスケット交換となれば
その旧車整備をきちんと作業できる店は
数が少ない。
遠方に納品すれば
オーナーさんがとても困るわけです。
その時にヘッドガスケットも欠品かもしれない。
そうなれば納車前に交換しておくのが
ベストでしょ。
ピストンと、リングや、バルブ回りの
チェックもできる。
先日GPZ750を購入していただいた
お客様にも直接見せましたが、
中を見れば状態も確実に把握できる。
いいものは素人でも見りゃよいと解ります。
綺麗で不自然さがないので。
欠品のカムチェーンテンショナーについて、
今実際に動いてくれている店があります。
大して儲かるわけでもないわけですから、
本当に感謝です。
当社にもいろんな方から問い合わせが来ます。
中味のことなど考えないのか
値段の事しか見ていない方の話は
とても残念ですね。
フルレストアになれば高いのは当たり前ですが
まともに整備していないものと
きちんと整備したものの価格の差は
それほど大きくはないのですよ。
つまりまともに整備していなくても
それなりの価格で売られているからで、
良い店は、きちんと整備していても
それ程高値はつけていませんよ。
古いバイクが本当に好きな方が
多いですからね。
この話にも救いはあるのです。
希少部品の入手と旧車整備の現実
日記
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