連休前にクドクドと。

旧車バイクユーザー支援会の
緊急電話対応会員の方で、
連休中にお困りなことがあった場合は、
指定の電話番号まで電話してください。

当社は九州の大分県にあるのですが、
初めて沖縄のお客様から、すでに所有されている
長く眠っていたZ1の整備依頼を受けています。

以前から数は少ないものの、
時々沖縄の方からお問い合わせいただくことは
あったのですが、実際の受注は初となります。

予定では本日こちらに送る手続きをされると
聞いています。
普段はエンジンオーバーホール以上フルレストアまで、
重整備の際には直接引き取りに伺っています。

今回はそういうわけにもいかないので
どうしようかなどと考えていると、
お客様の方で調べていただいて、
便利なもので沖縄で手続きすると大分まで車両を
運べるとの事でした。
行動力のある方にはいつも感謝です。
とても助かります。

今回はレストアのご依頼ではないものの
エンジンの方はエンジンオーバーホールなども
行う予定で、一緒に外観のレストアも施しますから、
納車時はなるべく傷など入らないように
どうするかを考えなくてはいけません。
と言っても完成は先にご注文をいただいている方の
後になりますから、しばらく先の話ですが。

それ以外に特に遠方と言えば
以前、東京の小笠原の母島から
GPZ900Rのご注文をいただいたことがあります。

その時は完成した車両を当社で東京まで持っていき、
そのお客様が泊ったホテル前で納車時の説明をして
(広いのに長くかからないように釘をさされましたが)
オーナーさんに小笠原まで持って帰ってもらいました。

最近は今回の様に、
すでに所有されている古いバイクの
整備依頼も増えてきました。

専門性が生かされること、
つまりお客様側から見て結果がでることを
大切にしているので、車種や作業内容によっては
作業を受けられない場合もありますが、
まずは色々考えず当社ホームページの
問い合わせフォームからご相談を。

つい最近も東京の方でカワサキZ1、KZ900、
Z1000リミテッドの丸ヘッド物で車両購入の
概算見積りのご相談をさせていただいた方が
いたのですが、お客様にとって
今は良いタイミングではないという結果で
注文には至りませんでした。

契約に至らないことに対し、手間をとらせ
申し訳ないと言って謝られる方もいますが、
そういうことには一切気を使わないで、
いただきたい。

また、当社が忙しそうだから、
今すぐ注文しないのにと、ご連絡を遠慮していたと
あとで注文時に言われた方もいます。
そういうことも気にしないでほしいと思います。

大切なのは古いバイクについて
後悔しないように
真実を知っていただくことです。

程度の良いもので極端に安いものなどは
存在せず、フルレストアに向いている
ベース車両は今いくらぐらいか。
どのようなものがお勧めなのか。

整備に向いている車両の金額は?
フルレストアにはいくらかかるのか。
エンジンオーバーホールやまとめての
整備はいくらかかるのか。

その様なことが解れば、たとえ他社で買う、
作業を依頼するとなったとしても
金額と内容のバランスがある程度解った後ですから、
悪質な業者で変なものを買う、
騙されて変な整備をされることを
避けることができるのではないでしょうか。

売る側から見てもインターネットで
多くの情報はつながっており、
自分から今の相場より安く売ることは
ありません。
安くても売る必要があるときは、すぐに
現金が必要な時だけです。

ですから、一部の地域で極端に安く
買えるなどということはなく、
神様がタダできっちり整備を
してくれるわけでもない。

新しいバイクと違い、
古いバイクは時間経過で古くなった分だけ
傷んでいるわけでなく、過去に間違った
整備を施された物がほとんどで、
なおかつ手作り車の様なものですから、
効率よく流れ作業でできる整備、
レストアなどはありません。
作業する人間で完成度が全く違ってくる
乗り者なのです。

その中で良い部品を使い、必要なところに
必要な分だけ手間をかけ作業をして、
田舎で立派なショールームなどなく
作業のためだけのカッコ悪いスペースで、
(当社に来て、実際に見れば納得できると思います)
赤字になるかならないかギリギリでの金額が
今いくらぐらい必要、というものが
当社の販売価格です。

それ以下の金額であれば、安い部品を使う、
手間をかけない、作業すべき部分を作業しない、
ベース車両の程度が悪い、と、安いなら理由が
必ずあります。

そこの部分が把握できたうえで、
当社で言うほどの作業が必要でないと
思われるのであれば、そこから引いたものを
自分の予算に合わせ、ご自分の選んだ店に
依頼すれば良いのです。

例えばエンジンオーバーホールで
安いピストンを使えば、その分は安くなり、
エンジンの外観のレストアが雑であれば
その分も安くなる。
外装の塗装も、ブラストをどこまでするかも、
ランクを下げる、
交換すべき純正部品を交換しないのであれば、
その分も当社より安くなっていなければ
おかしいです。

良く聞くのはエンジンオーバーホールや
レストアなどの重要な作業で、
当社とほとんど同じ金額、
あるいは高いぐらいの請求なのに、
その内容は、ただばらして最低限の部品だけ換え、
余計な、しなくていい加工をろくに考えもせず施し、
雑に組み立てただけでエンジンオーバホールと
いう。

さらにエンジン脱着、キャブセッティングなど、
お客さんが乗るために断れない作業を
細かく追加請求し、
大切な部分の作業内容は非常に乏しいのに
とられる金額は当社より高い。

こういうことは絶対に避けなくてはいけません。
損な作業なら趣味で自分で整備した方がまし。

だからこそ最初の一歩が大切で、
きちんとしたものをあらかじめ基準として
知っておいて、そして自分はどこまでしたいのか、
どこの部分にこだわりたいのか考えれば、
無駄に悩んだり、ダメなものを
つかまされる危険も減ります。

事実をお伝えしますが買ってくださいなんて
おし売りは一切ありませんのでご心配なく。

勘所が解ってくれば、他の買い物でも
機械ものであれば役立つと思います。

現在当社はZ1フルコンプリート車の完成に
向け(チューニング仕様)
フル回転で作業中なのですが、
本日フレームの塗装が終わりました。

後はそれ以外の各部品の塗装が終われば、
残りは大きなものでスイングアームの
加工、溶接を残すのみで、それが終われば
車体の完成に向けた最終組み立てに入ります。

エンジンはほぼ完成しており、後はバフがけした
カバー類を組み付けるのみです。

といういことで現在私はZ1がらみの組み立て作業は
増井君の行う塗装、乾燥、スイングアームの
加工作業待ちなので今は他の方の作業を行って
います。こういう時間を大切にします。

ちなみにZ1の次は注文いただいた順番で
Z1000R2の完成までむけた作業です。

一番最初に紹介している3機ヘッドが写っている
写真がここ数日作業を進めているヘッドです。


IN、EX共にポートと、燃焼室の作業が終わっています。

写真左側のヘッドは重整備仕様で
販売したZ1000のオーバーホール仕様の
ヘッドで、修正面研とバルブシートカット
すり合わせはこの後作業します。

バルブガイドはとても状態が良かったので
ポートの出っ張りをなくし、カーボン落としを
した時に減ったガイドを1本のみ交換します。
こちらは関東方面の方の注文。

中央の物が一度フルチューン仕様で販売した
Z1が当社に下取りで入庫し、そのZ1のエンジンを
納車整備のため分解したもの。
バルブシートカットすり合わせはまだ行っておらず、
修正面研は以前の作業時に当社で作業済なので
今回は問題ないのでそのままの予定。
地元大分の方。

右のヘッドも重整備仕様で販売した
KZ900のオーバーホール仕様のヘッド、
これも修正面研、バルブシートカットすり合わせは
これから作業します。これはバルブガイドが
減っていたので交換するため、8本とも抜いています。
こちらは九州の方。

ちなみにバルブガイドはZ1~KZ900までの物は
Z1000系とは材質が違うため減りやすいです。

なぜこのような物を今回紹介するかと言えば、
私達が日頃大切にしていることについて、
書きたいからです。

車を作るメーカーなどが自社の高い技術を
証明するものとして、解りやすいのはレースです。
レースでトップをとったメーカーがあれば、
そのメーカーは10位の会社より、自社は優れており、
自社の作る車も優れていると言うでしょう。

でも私はそれを鵜呑みにはしません。

その高い技術が私達の実際に買う車に
どれだけ実際に生かされているかは別の話だと
考えます。
いろんなしがらみがあると思うので。

では今回紹介している写真。

これは3機とも注文いただいている
お客様のバイクのヘッドです。

大切なのは実際に納品するお客様のバイクの
作業をどこまで行っているかです。

回りに注目される都合のよい1台だけを
特別なバイクとして仕上げ、
それをあなたが見たとして、実際にそれがとても
良いバイクだったとしても、あなたのバイクに
その部品、技術、手間が本当にかけられて
いるでしょうか。

作業を実際に行っているのは誰でしょうか?

その特別なバイクはその会社で一番すぐれた人が
組み立てていたとして、あなたのバイクは、
エンジンは誰が作業したのでしょうか。

下っ端の経験の浅い人が組み立てたり
していないでしょうか。
どんな優れた人でも初めは新人です。
その新人があなたのバイクの貴重さ、
唯一の一台ということだけは理解して
あなたのバイクに接しているでしょうか。

購入してから年月が経ち、走行距離が
すすんで傷がたくさん入っていても、
大切にしている人はたくさんいます。

我が家で新車で購入してから10年選手の車も
遠乗りはしていないにもかかわらず
現在14万キロ近く走っています。

その車は2回、信号でただ止まっていただけなのに
追突され、その最初の1回は大きな事故で、
バックパネル交換で一発で事故車になりました。

さらに3回目の追突にも合っており、
その時は道路に犬がいてその辺の車がみんな徐行運転
している時に、アクセルとブレーキを踏み間違えた
学生に追突され(笑)、追突マニア状態です。

お祓いに行けばなどと言われましたが
気にせず乗っていたら、ここ数年は
何事もありません。

各部がヘタっているのですが、故障も少なく、
気に入って乗っているのだから整備する人間には
雑に扱ってもらいたくない。

さらに以前書きましたが、
最終のテストで走行確認したのは誰でしょうか。
もしかしてテスト自体を行っていないかもしれません。
あるいはテストをしたふりをして、良いものか
どうかが解らない人がその辺をツーリング
しただけではありませんか。

こういう部分に無関心ではダメなのです。
間違いなく損をします。

人任せにして、
「きっときちんとしてくれるだろう」と、
簡単に楽な答えを出していませんか。
何をどのようにしているのだろうと
興味を持つことです。

きちんとした会社なら、
聞けばここぞとばかりにしたことを
説明してくれるでしょう。
大変だったことは聞いてもらいたいものです。

そうすれば写真を公開している会社が
意外とあっても、肝心な部分は
写していないことが解ります。
当社のは大事な部分も写っていますよ。

その会社にとって都合のよい部分だけの
情報を見てはいけません。
あなたのバイクに何をどのような作業を
してくれているかこそが大切だと思いませんか。

今回の写真も紹介しだすと枚数が多すぎて
キリがないのですが、
今日紹介しているのはいつものように
お客様にお渡しする作業模様の写真です。

このような作業記録は動画ではなく
写真が良いと思います。

動画ではどんどん進んで行ってしまうので
どの部分が大切なのか、要点が良く解りません。
それとは別に例えば正しいオイル交換、
なんての必要であれば、それは動画の方が
解りやすいと思います。

写真で工程が進むたびに要所を記録し、
何をどのようにしているかが解れば、
調子が良い理由も、もし不具合がおきても
その原因解明は理由が絞られ、とても早くなり
修理費用も、無駄な時間も減らせます。

調子が良いことも悪いことにも
理由がきちんとあります。
無駄に時間を使うのが私はとても嫌いです。
だからバイクが古くても故障は嫌いです。

くだらない形だけの上っ面の記録簿ではなく、
キチンと何をどのようにしているのか、
部品は何を使い、どのように組み立てたのか、
時に写真では過去の作業でもっと良くできる
部分も証拠として残ります。至らない部分も
残ります。

ですがそれを見て気付くことができれば
どんどん改良して、もっと壊れずに
いつでも乗れる車両にできる。美しい車両に
できる。
いいことばかりです。
マイナス面は写真を撮るのにただ撮っていても
なんだかよく解らないものになるので、
なるべく解りやすいように撮ろうとすれば、
かなり時間をとられること。

紹介している写真は
今回紹介している3つのヘッドのうち
Z1000の物で、このエンジンは
オーバーホール仕様です。
似たような写真も過去紹介していますが、
重要な部分なので、繰り返し紹介しています。

繰り返しの説明になりますが、
IN、EX、ポートのカーボン落とし作業と、
出っ張っている部分の修正、
燃焼室のカーボン落としと軽研磨加工、
IN側ポートの大径インシュレーターとの
段差を取り除く加工、程度が良くガイド交換
の必要はなかったのですが、1本のみ
交換した方が良くなったため、
ガイドを抜いた写真で、プラグ穴はタップを
通し、清掃済みです。

ポートは光で照らさないと真っ暗で
何も写らず、デジカメで撮っていますので
肝心な部分にピントもあいにくく、
ペンライトで照らして写真を撮っています。

このように作業の流れを写していると
後で見ても解りやすいです。

ブログやフェィスブックなどで
いろいろな写真や文を紹介していますが、
くだらない腕自慢などでなく、
注文いただいた方が当社に期待されていることは
こういうことではないのかということを、
今後もアップしていこうと思っています。

今回は作業前、作業後を写しています。

 

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