バイクの支払い合計金額の闇

今回は、バイクの支払い合計金額の闇
について書きます。ちょっと大げさですが。

当社のバイクの車両販売金額は
バイク代(消費税込み)と、
完成時、当社まで引き取りに来れない方は
私たちがトランポで持っていく
納車費用のみです。
それ以外に特に必要性を感じません。

なおレストア車などは、
どこがどうなっているか、
私たち売る側とお客様とが
それぞれ解っていないと
いけないのでバイクの使用部品、
作業内容の
仕様書を金額と別に
作成しています。

よくバイクを買うと、ずらずらと
それ以外の項目でお金を取られますが
それって変じゃない?と思いませんか。
今回はそれについて書きます。

車の場合、車庫証明をとったり
などは自分でするととても面倒ですが、

バイクは名義変更だけですから
いたって簡単。

その地域で仕事をしている
行政書士さんに名義変更をお願いすれば
大体5000円前後位でしてくれます。
それに往復の書類などの送料位。

簡単なことだと思っているので
お付き合いの深いお客様には

自分で名義変更してと
お願いする場合もあります。

その場合、お客さんが陸運局に
払う金額は1000円もしません。
その分1000円金額安くして、
なんていう人もいません。
そんなことより、
良いバイクを納品してくれたらいい。
そういう感じです。

そのメリットがいかに大きいか
解ってもらっているからです。

ではバイク屋さんなどで
バイクの車両代以外に
いろいろたくさん追加項目が
なぜかあって

それぞれに料金がいくらかかって
合計いくらってのは
そもそも何なのか。

初めてお問い合わせいただいた方などに
バイク代がいくらということ以外に
金額の内訳は?みたいな、
時々私の頭には全くない質問を
いただくことがあるのですが、
そんなものは当社にはそもそもないので、
困ってしまいます。

それよりも、納品されるバイク
はどのような部品を使い、
何の整備作業をしてから
納品されるか、そしてその結果
販売価格はいくらになる、ってのが
はっきり解ればよいと思います。

バイク屋側から見れば
販売するバイクの利益は車両ごとに
今回これだけ必要ってのが
あり、
その利益は絶対に必要なのですから
一台丸ごと1セットです。
それぞれ一つの作業当たりいくらなんて
考えてる時間はありません。
それを一つ一つ計算していたら
当社のような一台当たり圧倒的に
多くの整備をして納品する会社は
間違いなく販売価格が高くなります。

(基準の整備済み販売車両に、
さらにお客さんの追加希望があった時には
それの部品代、作業工賃が生じるので
それについては見積りを作成します)

ですからそれぞれの項目を分ける。
細かい一つ一つの見積りなんて
全くの無意味。
シンプルになっていないから、
解りにくくて買う側がだまされる。

もしバイクの見積書なんかが
やたらと複雑になっているものは
何か店側にメリットのある何か
理由があるはずです。
お客さん側には複雑になると
解りにくいばかりで

特にメリットはない。

今回、バイクの車両代以外に
いろいろわけのわからない
請求されている事実について、
一つの事例で説明しますが、
それができるように

なってきた理由はこうです。

他店でバイクを購入して、
そのバイクの調子が悪くて当社に
持ち込まれることがあり、

そのバイクはいくらで買ったのか、
契約の状況をお客様ご自身に
詳しく説明していただけることがある。
そして、どういうことかだんだん
私たちも解って
きたためです。

では1台、実例を。

今回紹介するのは
今当社のお客様で、ある他社有名
旧車販売店で購入後、すぐ調子が悪く
当社に入庫したものです。

旧車バイクに本当に必要な作業が
全然されていない状態で
来店されたので、
大掛かりな全体の整備の必要があり、
結局当社でフルレストアとなりました。

このお客さんが購入されたときの
内容、金額を(個人情報ですので
そのままではないですが)具体的な
数字が入っている方が解りやすいので
ある程度入れつつ説明します。

まず車両価格が表示されています。
今回の車両は平成27年契約で
約5年前に購入。
今より相場がいくらか
安い時ですが
Z1後期物で180万円。

これは消費税別で書かれています。

つまり税込みで195万円ぐらいですね。
この金額が高いか安いかは
あとで解ります。

問題はそこからです。

付属品7万円
内訳は
メインハーネス、
レギュレーター、
イグニッションコイルと
コード、プラグキャップ
フロントタイヤ、
リムバンドとチューブ
の交換だそうです。
これで7万円。

それとまた別に整備費用
26万支払っています。
これは別紙に車の車検整備時の
記録簿に似ている、
その店オリジナルの書類が
あり、
100個ほど
ずらずらと項目が
あります。

枠内にチェックを入れるように
なってます。
交換したとか、分解したとかです。
しょーもない。(笑)

何個か書かれている項目を
紹介すると、

キャブレターOH(純正の)
キャブの調整
オイルフィルター交換
エンジンマウント点検
など(笑)
本当にそんなことがだらだら
書いてて、
意味あんの?

という感じです。

その記録簿を見ると、
このZ1はシリンダーから上、
ヘッドまで分解して整備を
実施したとなっている。

で、ガスケットを交換し、
ピストンリングを交換、
バルブのカーボン落とし、
バルブすり合わせをしたと
なっています。

ちなみにこのエンジンのヘッドは
当社で全分解したとき、
バルブガイド付近のヘッド本体に
クラックが入っていて、
シートカットもすり合わせも
全然だめでした。

この記録簿にはバルブガイド交換の
項目がなくガイド交換をしたと
はっきりしたことは書いていませんでした。

が、ヘッドがにひびが入っていたのにも
かかわらず、そこの部分の
ガイドを抜いてチェックしたとは
なっていない。
(このクラックはちなみに溶接など
して修理することはできないところに
あります。)

あるいはポート内のカーボンを、
きちんと落とさないとヘッドの
クラックは発見できないので
それをせずに気付かなかったか。

あるいはこの店でガイド交換して
(自社内ではしていないでしょう)
その作業ミスでヘッドにひびを
入れてしまったかそのどれかです。

これら素人ダメ作業を施し、
(結果あちこち壊しているから)
整備費用として約26万お客さん
から車両代と別にお金を追加で
とっている。

壊しておいて、あるいは分解して
確認できる状況であったのにも
かかわらず悪い部分をそのままに
して、26万円とっている。

そして登録費用。
先ほど書いたように、
誰にでも簡単に出来て、
行政書士さんに頼んでも
5千円前後。
これが3万円請求となっている。
誰でもできることで
2万以上儲かる。

さらに車検検査代行費用
2万円。これも私にすれば
わざわざ別項目にしてあるんだ、
という感じ。

当社の場合、車検切れのバイクの
場合は車検代は車両代に
含まれている。

だって、車検切れてたら
飾っとくだけならいいけど
売っても乗れないわけですから
意味ないし。
車両代に含まれていて当たり前だと
思うんですけど。

説明としては車両代はいくらで、
車検約2年ついてます、
でいいんじゃないでしょうか。
これをわざわざ分けている。

整備するわけですから、
納品時悪いところはないわけで、
車検は通すだけ、あとは
自賠責保険料と、重量税を
払うだけ。

配送費用1万円
これは当社ももらっている。
距離や、時間、高速の通行料など
に応じてきちんと請求して
いいと
思います。

作業時間の工賃と、
納品する時間も、同じ時間が
かかり、人が動くわけですから。

そしてここまで合計して別途消費税が
20万弱。(車両代分含む)

それにさらに、
自賠責保険料
重量税
印紙代
これら合計で3万円

そしてすべての合計で
約230万円。

どうですか。

今の相場より安いが、
約5年前売買されたこの年式のZ1は
同程度の状態でそれぐらい、
つまり200~300万円で、
たくさん売られていました。

まずそこでこの230万円のZ1に
それだけの、内容、価値があるか
ということを分析します。

金額だけ見れば、当社でフルレストア
したり、整備後に販売したものより
はるかに安い。
でもそれで得しているか。

まず車両代は195万ぐらいで
別に付属品と整備費用と称して
33万ぐらいとっている。
まずは195万の車両代より
この33万円を考えます。

この付属品と整備費用は
何なのかといえば
本来なら車両代に
含まれていなければいけない
ものだと考えます。

だってそのままでは
まともに走らないから店側も
追加料金を取ってダメ整備を
行っているわけですから。
程度が良くて、追加整備が必要
なければしなくてよい。

国産の新車のバイクを買うときに
大きな金額をとって、
追加の整備などしないでしょう。

それは状態が良いから、
必要がないからです。
それが車両販売価格となり、
新車の場合は逆に値引きして
くれたりする。

そして別途登録代などは新車でも
支払う必要があるが、バイクは
先程かいたように簡単です。

本来なら、
古いバイクであっても、

買う人が所有しても乗らないで
飾っておく、あるいは
そのままの状態で買い、
自分で整備する人
などの特殊な
状況でなければ、

基本、バイク屋は必要な整備を
施した状態で
いくら、ということになる。

ということで、
それが車両の販売価格として
提示されるのが本来の姿では
ないでしょうか。

ではなぜ、今回紹介している
Z1のように、
そうなっておらず
車両販売価格以外に追加項目、

追加費用として請求されるのか。

それは回りと比べ車両価格が
安く見えるように、
あるいは高くないと見せ、
とりあえず問い合わせをもらって
早くお客さんに「買う」と契約させる
ことを
全てに優先するから。
そのために安く見せたいのです。

今なら買いたい車両をネットで
検索し、2台見つかったとして、

写真で見て一台が走行距離
1万キロで230万、

もう一台が同じく1万キロで
200万、ぱっと見違いが解らない
ならどちらに問合せをするか。
普通200万の方ですよね。

一度買うといわせれば、
その後の
「こうしておくのがおすすめですよ」
といった、追加項目、追加請求が
どんどんでき、さらに利益を増やすことが
できる。
お客さんはすでに買う気持ちに
なっているから、ほとんどの人は
途中で話が違うから買うのは辞める、
という人はほとんどおらず、
そういうものなんだと、
丸め込まれています。

それをバイク屋、あるいは車屋も
知っている。

さらにもうひとつは、
責任の転嫁です。
店によってはお客さんに
整備メニューを選ばせているところが
ありますね。
これ、最悪です。

整備済みの車両にお客さんの
好みで変更、追加費用が生じる。
ならいいのですが、
整備メニューを選ばせるのは
最悪です。

これはもちろん高いメニューを
選ばせるほど店側は儲かるわけですが、
目的はそれだけではありません。

つまり安い整備メニューを
選んだお客さんのバイクに
トラブルがでると、整備したのは
一部なので
トラブルは仕方がない、
店には責任はないと
言いやすいわけです。
だって、整備メニューを選んだのは
店ではなくお客さん自身ですから。

そして、トラブルが出た場合は
保証付きと言って売っていても、
多くの場合何だかんだ言って
お客さん自身にお金を
払ってもらって
修理をする。ということがとても多い。

さらに店は儲かりますね。何度も
修理のたびに儲かる。
あるいは保証で修理をしたとしても
別の個所を追加で提案し、変更させ、
利益を得ている店もあります。

では金額が高い車体全体に保証が
付くようなメニューを選んで

トラブルが出た場合、悪質な店は
何というのか。

その場合で多いのは、
お客さんの乗り方が悪い、
使い方が悪いので保証の対象外です。

当社でもサーキットを走る、
峠道で同じところを行ったり
来たりだけ
を繰り返すような
高負荷な走りを
する方は
補償対象外です。

高負荷走行で故障したときには
車両を直接みれば

すぐにどういう走りをしたか
外観からもわかりますよね。
さらにエンジンを開ければ
もっと良く解る。
ごまかしはききません。

ところが実際には一般道で
少々飛ばして運転したところで
それにあてはまる運転に値することは
ほとんどありません。

といいますか当社で過去にそこまで負荷を
かけた人は20年で一人だけ。

旧車を購入される方は
そのバイクに思い入れが強い方が多い。
その上値段も高いものを買うわけですから、
皆さん大切に乗る人がほとんどなのです。
(大切にしすぎて、ペースが遅すぎて
逆に調子が悪くなることはありますが)

で、乗り方は全く悪くないのに
乗り方が悪い、慣らし運転が悪いとか
いって補償に含まれないなんて
いう店がある。これはかなり
悪質ですね。

結局どうやっても店のみが利益を得て、
買った側がまともなバイクを
手に入れられない
ことがあるのです。

そもそもお客さん自身に整備メニューを
選ばせるのが全くの間違い。

プロであるならば、
このバイクはここまで整備したもの
でないときちんと走らない、
安心して走れないから
その整備を行って、
結果、販売価格は何万円になる。
となるはずです。

普通に考えて、
その分金額はたかくなります。

その作業にこれぐらいの時間、
部品代がかかる。だから利益は
これだけいる。そして販売価格が
決まる。

その完成品の品質が、そのバイク屋の
プライドで、その店の考え方です。

プロではない買う側のほとんどの人は
素人だから、どこまで整備したらいいか
なんて、わかるはずもない。

仮に車の専門家ではない私が
50年前の古い車を買うとして

どことどこを整備して、レストアするのが
よいかと聞かれても
ベストな答えなど言えるわけがない。
ノウハウがないからです。

33万円は、中身を見れば
本来車両価格に含まれなければ
いけない内容だった
ということが解った。

では車両価格の195万円の方は
適切なのか。
この金額は当たり前ですが
店で決めてよいものです。

普通の旧車販売店は
仕入れたバイクに、お客さんが

買いに来た時に売れるよう、
多少化粧をします。
商品化ということですね。

まず目立って悪い部分を
なくす。ひどく錆びていたり、
転倒して壊れている部品交換したり、
外装を塗りなおす。
そして色剥げしているところに
上から色を塗る。

私から見ればひっどい低レベルな
ごまかし作業で最悪なのですが、
少し詳しいぐらいの人が
買いに来ても本当の程度、状態は
解らない。
逆に少し知識があるぐらいの人の方が
プライドがあり騙しやすいのです。
店から言えばしめしめと
いうところでしょう。

つまり今回は195万円ですが
300万円でも買う人がいれば
それはその価値をお客さんが
認めたことになります。
人それぞれ価値観が違うので
悪いと言えなくなる。

このZ1の場合は仕入れ価格は
当時100万円以下でしょう。

しかも大量に扱う店ですから
効率よく仕入れ、運んだりできるので
為替などのタイミングにより
もっと大きく仕入価格が安いことも
考えられる。

直接そのZ1の状態を全部ばらして
全て確認したので、手を加えていたのは
ごくわずかであり、化粧以外に
ほとんど手間はかかっていないことは
確認できています。
まあいいとこ作業時間は
レベルの低い整備士で、
1~2週間程度でしょう。

ということは、仮に仕入れ価格を
高めの100万円、消費税、
交換部品を除いても195万で
売れば車両代だけで最低70万円
ぐらいは利益が出ている。

この70万円がこのZ1がその後
トラブルなく普通に乗れたのなら
安いものですが、
結局さらに追加整備と言って
33万円余計に支払い、
またさらに登録料、車検の代行料など
も支払っている。
つまり1台当たり長くて2週間程度の
簡単な作業しかせず、100万円の
利益がでて、しかも調子悪い。

調子が悪いから、当社で
大掛かりな整備をすることになった。
つまり、この100万円は
店に、ただあげただけの無駄金、
勉強代に100万円も
支払ってしまったわけです。

さらにさらに恐ろしいことに
この手の販売店は新車でもないのに
超、長期ローンが
あるんです。

この時にお客さんが購入時
組んでいたローンは、
確かかなり長いものだった、
とにかく一般的な5年などでは
なく、かなり長いもので、その金利だけで
計算したところ100万円ぐらい
余分に支払う
ことになっていました。
そこの金額は覚えています。

なぜそのようなことを知っているかと
いえば、お客さんの負担が何とか
減らせないか
当社でもいろいろ計算し、
問い合わせ、調べたからです。

結局ダメでしたが。

今は金利が高くないので、
ローンがダメなのではなく
今回のように極端なものは
辞めた方が良いということです。

私は全額溜まるのを延々と待って、
良い物を逃すより、
良い物があればさっさと買うほうが
100%得すると思います。
今の時代一番悪いのは行動力がないこと。
ただし金利が高いのはダメ。

このお客様は、支払いは大変だと
思われるのに、当社にフルレストアの
注文を入れてくれました。
良い物を収めようと思うのは言うまでも
ありません。

つまりこのZ1は金利も含め、
結果330万円位で買ったことになる。
バイク屋も大した手間もかからず
儲かり、ローン会社もかなり儲かっている。

つまりまともに走らないものに
330万円。
当社でいえば品質的には
ただのベース車両程度です。
(ベース車両とはレストア、
整備前の仕入れた状態のままのバイク)

当社でこの当時ベース車両は
100~150万くらいで
仕入れていました。
つまり、半値以下で買えたわけです。
その差額180万から230万が
無駄ということになり、
なおかつ嫌な思いもした
ストレス付き車両。

ただし当社では、
きちんと走れる状態でしか
販売しないので、
ベース車両代にプラス整備代、
レストア代が必要です。

今売っているZRX1200Rは
レストアの必要はありませんが、
必要な整備を施し、
ノーマルでは面白くなく、
乗りにくいのでノウハウと、
高額な部品も使い手を加える。

ノーマル車がすべて乗り易いと
思っている人は間違っています。
そして販売価格はこの価格、
ということになる。

その価値を認めてくれる人がいて、
上手く巡り合うことができれば
売れますし、価値が理解されず
過小評価されたり、
ただ単に予算が合わない、
購入できる方と出会うことが
できなければ良い物でも売れない。
ただそれだけです。

でもZRXは当社の中では新しめの
バイクで、今ノーマルですが
必要な部品を手配して、
残業したり、休日出勤したりして
時間を無理やり作って完成させ、
このバイクが今いくらですよ、

と言って完成品を見せて売ることが
できます。
今までに当社でバイクを買ってくれたり、
エンジンオーバーホールなどを
注文してくれた方であれば
試乗もできます。

内部に手を加えるのはフロントフォークや
ブレーキ回りの整備など大掛かりなところは
なく、他は外から見ることができるので、
買う側としても解りやすい。

ZRXの様な旧車ではない車両で
あれば、
一見他の店の方が安く見えて、
実は合計支払金額ではそれほど
変わらず、
内容を見れば当社の物の方が
圧倒的に良い、なんてことは
ざらにあり、むしろ普通。
ようはそういうことを
知らない人が実に多い。
良い人から良い情報を仕入れ
もっとよく考えるべき。

ところがそうは簡単にいかないのが
古いバイクをきちんと整備したり、
フルレストアの作業後に売るという
やり方。

まずは製作時間が半端なくかかる。
1台あたり当社のフルレストア車で、
他の業務を一切しないで残業気味に
週6日働いて丸3か月以上かかる。

さらに部品代が半端なくかかる。
今回実例で紹介しているような
ほぼ何もしていないものなら
大したことないですが、
本気でレストアや整備すると
部品代、加工代の金額は半端ない。.
少しでも段取りが狂うと
すぐ赤字になる。

もし本当に良い
旧車バイクの完成品を作って
売るとなると、その作業中は
他のお客さんの
作業は一切進まず、
その上作っている間の3か月以上
無収入、
さらにベース車両代、
必要な部品代、会社で必要な
経費など、すべて先に自己負担
しなければいけなくなる。

しかも早めに買い手が決まればよいが
完成後すぐに売れなかったら
なお厳しい。
また旧車バイクの世界は
オーナーさんそれぞれで好みが
結構違い、
その好みから少し
外れると良い物でも

すぐに売れないこともある。

さらに今受注しているしている
お客様の作業を後回しにしてと
いう
ことはできない。

ということは、時間的にも、
お金の面でも、道義的にも
現実的にとても難しいことなので
受注後に作業することが
ほとんどなのです。

となった時に、必要なのは
今まで実際にどのようなバイクを
納品したかという店側が
証明できる販売実績と
その製作作業
の証拠。

過去販売してきたバイクたちの
製作模様のデータ、
(写真、数値の記録)

などです。

動画は走っているところや、
整備の作業の仕方の説明
(例えばオイル交換など)
エンジンの音などを撮るのには
いいと思いますが、
製作工程を記録するには
どこに注視していいか解らず
動画がどんどん進んでいくので
どういう整備、レストア作業を
したかと
いうことを残すのには
不向きだと思います。

ですから写真を撮る時には
できるだけ詳しく、近くで撮った
物で、
枚数が多いほうがいいのは
言うまでもありません。

よく1台レストアした証拠写真で、
数十枚程度だけを撮っているものが
ありますが、そんな程度では店にとって
都合のよいところだけを撮ることが
可能。なおかつ別のバイクのものを
流用することもできるので全く無意味。
「写真撮ってますよ」という
店側のパフォーマンスでしょう。

当社でいえばフルレストア車の
工程の要所を抑えつつ写真を
撮っていくと

大体1台当たり1800枚くらいから
2000枚ぐらいになることが
多いです。

これらのデータにはところどころ
個人情報などが含まれるので
すべては公開できませんが、
購入意思のある方には
あらかじめこのように作業していくの
ですよと流れを
見せることができます。

さらにもう一つ有益な情報は
ホームページ内にある
お客様の声。
その中でも特に価値ある情報は、
納品してしばらく経ってからの
お客様の声です。
本当の良さは買ってすぐよりも
年単位で使ってから解るものですから。

カワサキZ系のように約50年も前の
バイクの場合、何をどう作業したか
という証拠みたいなものは
必要だと思います。

口だけでエンジンオーバーホール
って言ったって何してるか
解りません。分解して、
カーボンを軽く落として、ガスケットを
交換して、エンジンオーバーホールと
言っている店もたくさんある。
それで60万とか80万とか言ってる。
こんなのはお金を捨てるようなもんですね。

車体のフルレストアも同様で、
実際に何をどうしたかを調べなくては
いけません。

世の中いろんな店があるのですが、
店選びの前に
買う側も自分の考えを
しっかり持つことが大切です。

単純にボロくても良いので
とにかく安いものが欲しい。

トラブルなく乗れるように
きちんと整備済みのものが欲しい。

トラブルなく乗れるだけでなく
美しくて、良く走り、乗り易いものが
欲しい。

大体この3つぐらいに分けられると
思いますが、
店選びをするときに
自分の考えにあう店を
選ばないとうまくいきません。

安いものが欲しいのに
キチンと整備してレストアも
できる店に安く売ってくれと
言っても
上手くいくはずがない。

良い物が欲しいのに
安売りばかりしている店に
問い合わせ、高いお金を払っても、
レベルの高いバイクは買えません。

これは一般道を走るバイクを作るのが
得意な店に、レーサーを作らせるのも
同じで向いていない。
サーキットを走るバイクが欲しいなら
レースが得意な店に注文しなくては。
こういうことです。

長くなってしまったので、
終わりにしますが、
整備や、レストア、
簡単なものから、大掛かりなもの。

どの店に頼むかばかりを考えて
いる人がいますが、
一番大切なのは
誰が作業するかです。

店が作業をするわけではありません。
人が作業します。

つまり、整備士が何人もいる店では
誰が自分のバイク、車を整備するのかが
一番大切です。

店が小さくて一人でやっているのなら
その人がすべての作業をします。
その人のレベル、考え方が
店そのものです。

(外注する部分は除いて)

これが車のディーラーや、
大きなバイク屋さんなら、
誰が作業するかは店が決めます。

となればその整備を担当する人の能力、
そしてある意味能力以上に大切な
やる気があるかどうかで、
私たちのバイクや車の出来の良し悪し
が決まります。

当社の車、
トランポを整備に出すときは

ディーラーにだしていますが、
友人が工場長だったり、多少
融通がきいたりするので、
なるたけその営業所で、できる人
(優秀な人)
に作業させてよと、
言います。
私たちがバイクを積んで
納車に行くときに、
1000キロ2000キロと走ることが
あるので途中で止まると
困るからです。

自分の足の車はそういうことが
頼めない店なので、
どうしているかといえば、
できるだけ程度の良い物を買うようにして
余計な整備がしなくて済むような
状態にしています。

壊れたりしなければ、
数万キロはオイル交換や、
タイヤ交換パッドの交換など、
消耗品の交換程度で済みますから、
普通レベルで優秀な整備士でなくても
作業ミスの確率は低くなります。

当社の旧車バイクも
こういう考えのもとに
製作し納品しています。
程度の良い物を納品し
なるべく余計な整備を
地元のバイク屋さんにさせない。

能力以上の難しいことをさせると
ガンガンミスしますから。
それでも車が整備後に帰ってきたら、
ボンネット開けて違和感がないか
ぐらいは軽く見ます。
見てよかったな~ということが
良くあります。
汚い軍手でエンジンルーム触るな!

だから旧車バイクのエンジンは
エンジンオーバーホール後なのに
調子が悪い、オーバーホール前と
全然変わってない、ってことが
良くあるんですね。
それはその整備士の
能力以上のことをさせているからです。

 

今、ご注文いただいている皆様へ

ようやくフルレストアの車両の多くが
納品でき、ようやく残り数台と
いうところまできました。
今後の作業はフルレストア車の割合が減り、
エンジンオーバーホール単体や、
整備車両コースのバイクの作業が多くなりますので、
進捗状況も改善してくると思います。

また工程の中で一番時間のかかる
レストアの部分で、品質は落とすことなく
(むしろ上がるかも)時間の短縮が
できるようになります。
おそらく3月くらいから。

今までお待ちいただいているお客様には
大変ご迷惑をおかけしておりますが、
日々納期については改善できるように
つとめています。
ようやく3年ほど前から準備してきたことが
身になってきました。
作業が進んでいるものも、
日々の段取りを優先してるため
写真を送ったりできていないものも
あります。進んでいる作業は
ここ1~2週間のうちに
見れるようにいたします。

 

 

 

 

 

コメント

  1. AffiliateLabz より:

    Great content! Super high-quality! Keep it up! 🙂

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