販売車両Z1100Rです(HPの販売車両情報も更新しています)

販売車両

少し前から書いていた販売車両Z1100Rです。この車両はベース車両ですので、全てばらしてレストア、エンジンオーバーホール含めたエンジン、車体の整備後の販売となります。

まずZ1100Rというバイク自体の車種説明を。

大きくローソン系、J系と違うところは、ご存知かと思いますが空冷最強と言われるエンジンが使用されていることと、前輪のホイールが19インチから18インチに変更されていることです。私が実際に作業した経験から特徴的な部分を紹介します。

排気量は1100ccでローソン系より100ccほど大きくなっています。それ自体は後期モデルになる際によくあることなのですが、それよりも大きく違いZ1100Rのみに与えらている特徴はヘッドの形状、ピストンが大きく異なることです。

まず高出力を狙って使用されているバルブがIN側、EX側ともに大きくなっています。カワサキZ系に比べると約2mm、1、5mmぐらいは大きかったように記憶しています。そのバルブ使用にあわせポートもスロート部から全体が大きく広げられ、燃焼室の形状も他のZ系~ローソン(J)系とも大きく違います。

この最初からメーカー版のチューニング仕様ともいえるヘッドに合わせ、ローソン系に比べリフト量の大きいカムシャフトが使用されています。大雑把に言えばヨ〇ムラ製カムのST-1がついているようなものです。この仕様は街乗りでも乗り易く、低回転域から高回転まで綺麗につながってストレスなく吹け上がっていく感じとなります。

このカム使用に合わせて、バルブスプリングも硬すぎないものを使いつつ変更されており、かつ、シムの方式がローソン系のアウターシム式から、シムが飛んでしまう事の故障を防ぐインナーシム式に変更されています。Z1などのZ系もハイカムを使用する際にはアウターシム式からインナーシムにしますよね。

そしてピストンもその燃焼室に合わせてトップの部分の形状が大きく違うものとなっています。またピストンのピン径が1mmほど大きくなっています。これは出力が上がるためにピン径を上げて耐久性を確保する狙いがあるように思います。このピストンは鋳造品です。

それ以外でいえば、クランクシャフトもローソン系とは異なります。これらの仕様だけで見るとアイドリングなどは不安定になりそうですが、実はこれら組み合わせでも実はZ系~ローソン系の中で一番安定しているように感じます。

またクラッチ回りも全く異なる構造となっています。

このエンジンに使用される点火系、イグニッションコイルは通常のものと同じですが、信号を拾い、進角させる部分が機械式から、電気式に変更されています。

今回はその素性をさらに伸ばすべく鍛造ピストンを使い(おそらくコスワース製76mmになると思います)オーバーホールを行います。乗った印象としてはZ1000R2のフルチューン仕様に比べ全体に優しい感じで加速時のフィーリングが良く、レスポンスが鋭すぎず、まただるくもなく、ちょうど良い感じでツーリング、いいところがあれば開けて走る、に、座りごごちの良いシート形状、アッパーカウルが少し風よけにもなりますからとても向いています。

ホイールは前後18インチなっています。これについてはできればマグタン18インチ仕様の方が軽く乗れ、かつ癖がない為変更を予定しています。

上記が他のローソン、J系と大きく異なることになります。

では実際のこの車両の状態について書きます。

通常Z1100Rは、エンジンがとても傷んでいるものが多く、これは実際にエンジンを始動しエンジンノイズを聞き、そして走ってみると解ります。この写真ののZ1100Rは変な異音が全く聞こえず、約7万キロの走行距離なのですが、その距離ほどに走っている様には感じず印象がとても良いです。

これはオーナーさんの扱い方が適切で、かつ余計な間違った整備をしなかったからでしょう。

Z1100Rは先ほど書いたようにインナーシム式、かつ最初からハイカムが入っているため慣れていな方が整備すると痛めてしまうことがよくあるのです。

また車体の方もきちんと真っすぐ走り、こちらも好印象です。

さらに良い所としては、今後レストアやオーバーホールして再使用する主要な部分がノーマルのままであるという事です。一見ではあちこち改造されているように見えますが、交換しやすい部分のみで、主要なエンジン、フレームなどの部分が手を加えられていない状態です。

今のオーナーさんはかなり前の約20年前にこのZ1100Rを手に入れたそうですが、その時からほぼこの状態でそのまま乗られていたようです。

この20年前に手に入れているというところが私たちから見ると大変よい所で、最近手に入れて余計なダメ作業で当社としては使えない(売れない)常態にされてしまっているものがとても多いのです。

約20年前、当時はまだこの手のバイクに慣れている整備士が多く、ボルトオン部品のみ交換されたバイクは、大事なところが壊されているものがとても少ないのです。

したがってこのZ1100Rは、ある意味当時のものがコンデションを維持されるために丁度良い感じで乗られ、かつ余計な作業をされてこなかった貴重な一台です。

当社でこのバイクをベースに全てばらしてレストア、オーバーホールをして販売します。

予定作業一覧です。

欠品になりそうな箇所はすでに部品集めに着手してあります。

鍛造ピストンを使ったエンジンオーバーホール、オイルクーラー取り付け、キャブレター交換

当社製チタンマフラー製作(サイレンサータイプ)

フレーム、各部鉄系の部品はばらしてブラスト処理後塗装してレストア

ハンドル、左右ハンドルスイッチ交換、スロットルホルダーキットはJB製使用

ホイールは前後マグタンに変更予定、これに伴いスイングアーム変更、チェーンカバー取り付け

チェーン、フロントスプロケット、タイヤ交換

フロントブレーキキットを交換予定、キットの内容はステンレスディスク、ブレンボ製キャリパー、キャリパーサポート、マスターシリンダー(ラジアルポンプタイプ)ホースなどです。ホースは美しく自然に仕上がるようにステンレスフィッティングを使い一品物製作。

リヤブレーキも丸ごと交換か、あるいは純正をレストアして使用。

リヤショックは交換、JBカヤバ製

フロントフォークはインナーチューブを再メッキなど含めレストア後オーバーホール
(あるいはフォーク自体を同径の38mmもので変更)

外装の再塗装、タンクキャップ対策品に交換、燃料コック交換、ウインカーは純正品に交換、スクリーンは交換か、研磨して使用

シートは表皮張替え

ステップはビトーR&D製に変更

メインハーネスなど必要な部分の交換、整備、これはZ1000R2の純正物を加工して使用

エンジン、車体の各ボルトの再メッキあるいは新品に交換。これは今の雰囲気を大きく損なわないように行います。

細かい部分は書き出すときりがないのでざっとこんな感じです。

ローソン系自体が良いものが少ないのですが、さらに良いものがほとんどなく憂い物としてはほぼ出てこないZ1100Rです。ぜひお問い合わせください。

お問い合わせは当社ホームページの問い合わせフォームからお願いします。

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