正しい旧車トラブル対処法

旧車といえばトラブルがある。と思われている方がたくさんいるかもしれません。実際には最初にきちんと整備やレストアした車輌さえ買えば、そんな心配はほとんどしなくてよいのですが、何一つとしてトラブルがでないと言うのは嘘になります。

使用方法が適切でない場合も多いのですが、まず実際に一般的に言われる旧車バイクに多いトラブルにつき書いています。その下にぜひ知っておいてほしいFCRキャブレターのオーバーフローなどの対処法など中心にそれを起こしにくくする使用方法を写真付きで説明しています。ここでは一般のユーザーが少し頑張れば確実にできる作業のみを紹介しています。

 

このページで書いてあるトラブルは私どもが実際に経験したものです。参考になればと思います。

まずはエンジン関係から。

1、エンジン全体からオイル漏れが多い。

特別ボロくてどうしようもない場合は別として、オイル自体が合っていないことが多いです。オイルがメディア(雑誌やネットなど)で紹介される場合は都合の良い部分だけを書きます。悪いことを書けば売れなくなるわけですから、そんな情報はあてにはならないわけです。

旧車バイクに入れるオイルは、機械的な保護だけでなく漏れに対しても気をつける必要があります。今までの経験から基本的に化学合成100%物のオイルは、オイル漏れしやすいと思ってもらって間違いありません。オイルがあちこちからやたらと漏れる場合は使っているオイルを変更してみましょう。これだけで改善することも多くあります。当社ではさんざん試した揚句、半化学合成オイルを使うことが多くなっています。

またオイルの硬さも重要です。基本的に古いバイクは、内部のクリアランスが大きいですから硬いものを選びます。具体的には15W-50、10W-50、10W-40など昔からある様なものを試しましょう。ただし、硬さの表記でも、例えば10W-50の半化学合成オイルと、化学合成100%物では実際に使うと大きく印象が違います。

オイル単体のスペックや宣伝内容が優れていてもあなたのバイクに合うとは限りません。名前や宣伝を簡単に信じるのではなく実際に使って良いものを使いましょう。もしアドバイスが欲しいという方は、連絡をもらえれば具体的に何を使えば良いかという話ができると思います。どこでも買える物ですから、その後はご自分で購入もできると思います。

 

2、エンジンノイズが全体的に大きい

これも、一部分から大きめの音がする場合はエンジン内部の状況で発生していることが多いのですが、エンジン全体からノイズがでている場合は、オイルの選択が合ってないことが多いです。

特に解りやすいのはクランクシャフト周辺から聞いたことのないような音がするとき、 ウォンウォンのような回転音の時や、コンコンのような音、ガラガラという場合もあります。一瞬壊れたかも?と錯覚するほどのノイズがでる場合もあります。

特にカワサキZ系、J系、カタナ、GSなどクランクシャフトにベアリングが使われているものは今まで聞いたことのないような音がします。オイル交換後、一度走って油温が上がった時に出始めたのなら、そのオイルは合っていないと言えます。とっとと違うオイルに変えた方が良いでしょう。

 

3、エンジン下の方からコンコンコンコンと激しく打音が聞こえる。

これはクランクシャフト回りが壊れている可能性があります。これもカワサキZ系、J系、カタナ、GSなどの場合で、小さな音ではなくはっきりした大きな音です。

この場合とくに壊れている可能性が高いのはコンロッドのベアリング回りです。エンジンの暖機が充分にできていないのにすぐに負荷の高い走行をした。オイルの品質が悪い、オイル交換を長くしていないのに負荷の高い走行をした時に起こりやすいです。要は間違った運転、取り扱いです。この場合はエンジンオーバーホールを施すしか手はありません。

 

4、エンジンの上の方から(ヘッド付近)大きめのカチカチ音がする。

一般的に多いのはバルブクリアランスが走行距離が増えることにより増え、単に隙間が大きくなることにより音がでている場合。元々多少は音がでる部分ですのであまり気にする必要はないのですが、大きめの音がでている場合はバルブクリアランスの再調整が必要です。オイルが合ってない場合も大きめの音がでやすいです。この場合はオイルを変更すればいいだけ。

ただそれ以外の原因で大きな音がでている場合もあります。あってはいけないことですが、古いバイクの場合、過去の整備作業がまずくエンジンをダメにしている場合が多々あり、それが原因で大きめのカチカチ音がでている場合があるのです。

具体的にはバルブのリフターという部品が加工されている、バルブのシート加工がダメ。多いのはバルブが変更されており、そのバルブの寸法が適切でない(短い場合が多い)のにそのまま組まれていて、結果バルブクリアランスが大きくなって、カチカチ音がでていることがあります。この場合はヘッドを降ろし、その部分の修理を行う必要があります。そのままにしておくとヘッド本体にダメージを与えてしまうこともあるので、カチカチ音が気になる場合は、早めにヘッドカバーを開けて点検することをお勧めします。

 

5、バルブクリアランスを調整したのにカチカチ音が減らない。

これはバルブクリアランスの測定、調整の仕方に工夫をした方が良いです。距離を走ればカムシャフトも減り、その他の関連部品も減ります。かといって全ての部品を交換するなんてお金がかかり過ぎて現実的にできるはずもありません。要は乗り方、エンジンの回し方により、予想外の部分が減ったりすることもあるのです。普段は減りにくい部分が、異常というほどではないが、やや多めに減って隙間が増えていると言えば良いでしょうか。

バルブクリアランスを調整するときに、4気筒エンジンであればそれぞれの工程の状態になっています。圧縮の気筒もあれば、排気の気筒もある。通常の調整で規定のクリアランスに合わせたのにもかかわらず、カチカチ音が減らない場合は、1気筒づつを分けて考えず連続して回転していると考えた上でバルブのクリアランスを調整すればだいたい音は適切な範囲になります。

ただこれは一般的なバイク屋さんではできないので、当社のような専門店で行う以外に調整はできないかもしれません。

ただ大事なのは近所のバイク屋さんで調整したけど治らない、だからすすめられるままにエンジンオーバーホールや腰上のオーバーホールをすることにした。などということは避けた方が良いのです。きちんと先ほど書いたようにノウハウの元に調整を行えば何事もなかったかのように自然な音に戻ることが多いからです。

 

6、点火系がポイント式で隙間を調整したのに調子が悪い。

ポイント式で、接点のコンタクトブレーカのみを新品にし、調整することが多いと思いますが、これだけでは治らない場合もあります。それほど高い部品でないのであれば、コンタクトブレーカーのみの交換でなくその周辺の部品を丸ごと交換してみましょう。それだけで嘘のように治る場合もあります。もちろんその前にイグニッションコイルは大丈夫か、配線回りが大丈夫かなど、回りの部分に異常がないか点検しておく必要があります。回りが悪くなくて、後はポイント回りしか考えられず、隙間の調整もしたのに調子が悪い場合はトライしてみてください。

 

7、バッテリーが新品なのにセルの回りが弱い。

この場合、セルモーター自体が消耗して力がなくなっていることが多いです。もちろんその他配線、ケーブル類セルモーターリレーなどが悪くなっていることも考えらるのですが、セルが回るのに力がない場合はセルモーターの馬力不足が多いです。この場合純正新品がでるのならそれを購入するのが良いですし、ないのであればセルモーターをオーバーホールするのをお勧めします。いろいろ後付け部品などをややこしくごちゃごちゃつけるのではなく、本丸を攻めてください。ただ、バッテリー自体が不良品のこともごくたまにあります。保証付きのバッテリーを購入しておく方が無難です。

 

8、カワサキZ1のヘッドカバーのガスケットを交換したのにまったくオイル漏れが減らない。

カワサキZ1と書いていますが、カワサキZ1~mk2まですべて含みます。これはその構造上、ある程度距離を走ったものであればオイルがにじんでくる程度であれば普通のことで異常ではありません。また、ここはエンジン本体の温度が高くなる部分で、オイルの方も高温となりますから、オイルの粘度が下がり余計ににじみやすくなります。これも使用するオイルで漏れ具合、にじみ具合が変わります。

ですが、ガスケット交換した直後なら止まります。ただし、この部分のみガスケットは社外品の方が良いです。(お問い合わせいただければお答えできます)カムプラグは純正品が良いと思います。

またエンジン側も傷などが入っていれば修正する必要があります。良くあるのはエンジン分解時、あるいはガスケットをはがす時にダメ整備士がエンジンのヘッド側、ヘッドカバーに深い傷を入れてしまっている場合です。

またヘッドカバー側も歪んでいたりします。一度定盤などで面だしすればオイル漏れをかなり減らせます。

 

9、カワサキZ系でカムプラグ(ヘッド半月状のゴムの部品)が走行すると外に出てくる。

これは組み付けの仕方が悪い場合が多いです。カムプラグに液体パッキンを塗る際、回りすべてに液体パッキンを塗ったりしてはダメです。カムプラグの角の部分だけに塗るようにします。面でエンジン本体にあたる部分は液体パッキンを塗らなくてもオイルは漏れ出ないのが正常で、もし周囲全部に塗らないとオイルが漏れるのであればヘッドカバーが歪んでいたりして、ヘッドカバーをボルトで締め付けた時にカムプラグを上から充分に抑えつけることが出来ていないからだと思います。その場合はヘッドカバー側の修正が必要です。

ですのでヘッドカバー、ヘッド側が正常な場合、カムプラグに液体パッキンを塗る際は角の部分だけに塗るようにすれば、カムプラグが外に出てくるのは防げます。

 

10、バッテリー液が減るのが早い

旧車の純正についているようなタイプのバッテリーを使用して(補液するタイプ)バッテリー液が減るのがとても早い場合は、充電系を点検する必要があります。この時、原因を追求せず、すぐにバッテリーを別のタイプに変更したり、一緒にレギュレーターも変更したりするのはお勧めしません。特に何も考えていないバイク屋さんのいいなりは危険です。

これはオーナーさんの使い方により適切な対処法が違ってくるためです。

あまり乗らないためにバッテリーが上がり気味で常に使用する人。良く乗る方で、中高回転域を良く使う人、あまり高回転域は使わず、低中回転域を良く使う人。

その使い方で考え、使う部品、対策を考える方が、より自分にあった対処ができます。バッテリーに負担が大きいと、ツーリング先などで突然ダメになり交換の必要がでてくる可能性もありますから、特殊なものを使わず、定番の物を使う方が良いと私は考えます。

そのうえで液が減りやすい場合は良く使っている回転域で充電しすぎている場合が多く、その使い方にあったレギュレーターを使えばくだらない余計な部品を買い、失敗することを防げます。

どちらにしてもこの時の点検は充電電圧を測ってOKではなく充電の電流も測ります。また古いバイクの場合、配線回りも改造されていたり、メインハーネスも交換されていないなど、各部接触抵抗も増えていたりします。特に後付けで電気物をつけていたりするのなら、一度きちんと充電量を測定し、対策をするのをお勧めします。何でもつければよい、交換すれば良いという考えでは自分からトラブルを招きいれているようなもので、バイクが悪いのではなく、改造したり、触っている人間が悪いのです。

 

11、スターターボタンを押したとき、たまに空回りする。

スターターボタンを押した時にセルは回るのだけど、エンジン本体が回っていない状態になるのは、スタータークラッチが噛まないといけないのにそれが噛まず空回りしているのです。

この症状がでやすい車種はカワサキZ系、J系、カタナ、GPZ900Rです。

スタータ-ボタンを押すと「ガキッ、カラカラ~」あるいはカラカラ~という感じの音がします。これはだんだん症状が進行し状態が悪くなっていきます。良くなることはありませんので、症状が幾度となくでるようになれば早めに整備すべきです。これもエンジンオイルがあっているものでないと、傷むのが早くなり、仮に整備をして状態が良くなってもすぐにスタータークラッチが悪くなります。

またバッテリーが弱っていても、セルモーターがへたって馬力がなくても、このスタータークラッチが傷むのが早くなります。このスタータークラッチの整備は作業する人によって長持ちするかしないかが大きく変わり、また整備する際にどこまで部品を交換するのが適切なのか、判断できない人が多いです。部品自体が高いのも関係しますが、整備する際はケチらず思い切って多めに部品交換するのがベストです。

これとは別にスターターボタンを押したとき、「ギュイ、ギュイ」あるいは「ウイィーン」という感じで先ほどのガキッという音がまったくなく、つねに空回りする場合はスタークラッチのセンターにある締め付けボルトが緩んでいることがあります。ここがゆるんでいる時はスタータークラッチの方も傷んでいることが多く、ゆるんでいるからとそこを締めて終わりにするのではなく、スタータークラッチも分解してきちんと整備することをお勧めします。

 

12、エンジンが暖まると時々走行中にオイルランプが点灯することがある。

この症状が出やすいのはカワサキZ系、J系、です。今回書いている内容はこのZ系、J系の場合で他車種は構造が違うのであてはまりません。この症状は主に今では使うことのない、接点式のオイルプレッシャースイッチを使っていること、もともと油圧も低いことからおきます。

新品時から油圧が低い設計ですのでオイルポンプ自体が悪いことは少ないのですが、たまにオイルポンプが消耗したり、内部のガスケット形状が変になっており、オイルの流れを邪魔していることがあったりして、そのせいで点灯することがあります。

点灯しやすいのはオイルが完全に暖まり、粘度が下がっている時です。一度点灯するとなかなか消灯しないことが多く、少し焦るかもしれませんがすぐ焼きついたりはしないのであせらず安全なところで止まりましょう。このオイルランプがついている時は完全にオイルの流れが止まっています。機械式接点のオイルプレッシャースイッチが流れをせき止めてしまうのです。出先で症状がでたら安全なところで止まり、少しエンジンを冷やせば消灯するようになります。これはエンジンオイルが冷えて粘度が上がるからです。

このオイルランプが点灯しやすい走り方は、アクセルを開け思い切り加速し、アクセルをダラダラ閉じずキレ良く閉じる。そうすると症状がでやすい状態になっているバイクは点灯します。

基本的にはオイルポンプ交換などの整備をすることになりますが、オイルポンプを交換しても走り方、油温が高くなっている時(真夏など)はたまに点灯するときがあります。さらに追加の対策として当社のようにプレッシャースイッチ自体を変更するのも対策の一つです。

 

13、アイドリング時、ニュートラルにしているとクラッチ周辺からガラガラ、あるいはゴロゴロ音がする。

この音はクラッチを握ると止まります。異常な場合と、音がでても正常な場合がありますが、ほとんどの場合は問題ありません。ピストンなどを交換し圧縮が上がっている時や、調子のよい時にむしろでることが多く、エンジンが消耗し圧縮が下がるとこのガラガラ、ゴロゴロ音が減ります。従ってエンジンオーバーホール直後にでやすくなります。特に慣らし運転が終わる前です。

簡単にいえばピストンの一つ一つの爆発が強くなるため、それがアイドリングのニュートラル時に振動としてでやすくなっています。クラッチハウジングのスプリングのへたりも音がでる原因になりえますが、よっぽどダメにならないとこの音自体には大きく影響はでないものと考えます。あまりガラガラ音がひどい時はエンジンに良いことをしているとは言えませんが、その時は少しアイドリングを、具体的には100~200rpmほど上げれば問題ないぐらいに減ります。

基本的にはエンジンオーバーホールの作業がきちんとされている場合は問題のない音です。

 

14、ガソリンはたくさんガソリンタンク内にあるのに走行中ガス欠みたいにエンジンが止まった。

この症状でまず前提として、エンジン、点火系、充電系が問題がないということで話をします。エンジンが壊れるときは異音がでるなり何か予兆があるでしょうし、点火系であれば、プラグに火が飛んでいないことで確認できるでしょうし、充電系であればランプ類が点灯しなくなる、あるいは弱々しくなるなど何らか症状がでるでしょう。

今回はそれら回りは全く問題のある感じがしない、ガソリンもたくさん入っている時に走行中ガス欠の様にエンジンが止まるという症状です。

まずは燃料コックが適正な位置にあるかは確認してください。OFFになっていたり、ガソリンが減ってリザーブにしないといけない状態の時のことではありません。

この症状はどういう状態で起きるかといえばキャブレターのエア噛みのような状態です。古いバイクはガソリンタンクからキャブレターに燃料を送る力は重力による自然落下です。燃料ポンプで圧をかけて送るわけではないので送る力が強くありません。そこで調子のよい大排気量エンジンはアクセルをたくさん開けずとも、トルクがあり充分に走るため、燃料消費が少なくなる場所を連続で走ると(高速道路での走行、一般道で道が空いている時でゴーストップがない時)フロートバルブが閉じ気味になり、燃料のホース内のガソリンが流れる量が少なくなります。

そのまま同じ状態でさらに走りつづけているとさらに燃料の流れる量も減っていき、キャブレターのフロートバルブが完全に閉じてガソリンが流れるのが止まってしまうのです。高速道路などではアクセルを開け気味で走っていても燃費自体は良い状態ですのでこのようなことがたびたび起こる方もいます。これはその方の走り方がこの症状を引き起こしやすいパターンの走り方をしていると言え、こういう場合は走るペースに変化をつけると良いです。

普段飛ばしてばかりならペースを落とす時も作る。ゆっくりのペースで起きやすいなら、たまに安全なところで開けて走る。こういうことです。とくにエンジンの慣らし運転をしている時はペースにメリハリがなくこの症状が起きやすいので、当社では高速道路で慣らし運転はしないように納車時に説明しています。

繰り返しになりますが調子のよいエンジンほど起きやすいのです。調子の悪いエンジンでは同じ加速をするのにたくさんアクセルを開けます。燃費も悪くなる。その方がキャブレターに流れ込むガソリンの流量は増え、なおかつメリハリも起きやすい。結果としてこの症状は出にくくなります。

では実際にこの症状がでたらどうするか、いわゆる止まり方はガス欠の時の症状にそっくりです。まず、できるだけ安全なところにバイクを止めます。そして燃料コックが負圧タイプの場合は、(Z1000mk2やローソン系、GPZ900Rのような)PRIと書いてある所にレバーを回し、普通の燃料コックの場合は(Z1、Z2、など)ONかリザーブにして燃料ホースを手動の灯油ポンプを使う時のようにつまみます。その何度かつまんでははなしてを繰り返します。

そうすると燃料ホース内で流れるのが止まっていたガソリンが一気に流れ出します。流れ出したら数分待ち(このとき燃料ホースに透明なタイプのガソリンフィルターがついていればガソリンが流れているのが確認できます)キャブレター内に充分にガソリンが溜まったのちエンジンを始動すれば何事もなかったように走ることができます。もしこの時あせってキャブレター内に充分にガソリンが溜まらないうちに走りだしてしまうと、同じガス欠のような症状がすぐに再発しエンジンが止まります。あせらないで作業しましょう。

負圧の燃料コック車はエンジンが始動したら、その後ONに戻す、普通の燃料コック車はONにしておくほうが良いと思います。

 

ここから下はFCRキャブレターのオーバーフロー対処法など写真付きで説明しています。

※写真をクリックすると、拡大写真を見ることができます。

NO1

正しい旧車トラブル対処法説明に使っている車輌はZ1000R2、キャブレターはFCRです。
キャブレターのオーバーフローが起きている場合には、NO1の写真のマイナスドライバー先端で指している部分からガソリンがにじみでて止まらなくなります。

隣のエアジェットや、それ以外にも樹脂の黒いパイプ部分からもガソリンが出てきたりもします。この状態になっても走れなくなることは少ないですが、あきらかに調子が悪くなります。

どのような使用条件の時にオーバーフローしやすいNO1かは後で書きますが、まず、これが起きてしまった場 合にについての対処法を書きたいと思います。
もしツーリングの途中でこのようになった場合、とりあえずガソリンスタンドを目指して走るのがよいと思います。少しエンジンの回転を上げ気味にして走ればなんとか走れます。信号待ちなどのときも少し回転を上げ気味にします。

NO2

正しい旧車トラブル対処法

とりあえずガソリンスタンドや迷惑にならずに作業できる場所に止めて、作業を開始します。
スタンドの場合は好意的に受け入れてくれることがほとんどです。
作業が終わって帰る時はガソリン入れましょう。(笑)

エンジンを止めたらすぐに燃料コックの確認をします。
写真NO2のZ1000R2などの負圧コックタイプは、写真のように必ずONかRESにしてください。

またZ1などの負圧コックでないタイプは必ずOFFにしてください。
タンクをはずさなくてもできる作業の場合もありますが、はずした方が作業しやすいので、タンクをはずした方が作業しやすいので、タンクをはずします。

NO3

正しい旧車トラブル対処法

そのまえにZ1000R2や刀の場合、スクリーンが付いていますが、ここにガソリンが付くとだめになってしまうので、もしウエスなどがあればNo.3の様にかけておくとよいです。

ウエスがない時はガソリンがかからないように気をつけましょう。

NO4

正しい旧車トラブル対処法

NO4はガソリンタンクにつながる燃料ホースをはずしています。
工具には今回先がYの字になったものを使用していますが、(後で工具の写真を紹介します)なければマイナスドライバーなど何でも構いません。

ただし燃料コックのホース取り付け部に傷を入れないようにとりましょう。
また燃料がでない状態にコックを先ほど(NO2の写真)していますが多少はガソリンがたれるので、燃料コック下にウエスを入れましょう。

また走行後の場合はエンジンが熱いので注意が必要です。
写真では燃料ホースをとるところだけしか写っていませんが、そのほかにも負圧のホースや、燃料ゲージのカプラーなどがある場合もありますから忘れずにぬきましょう。

NO5

正しい旧車トラブル対処法

タンクをはずしたら傷つけない場所に置き、NO5の写真のようにファンネルの下部分にウエスをおきます。
ここは、1気筒から4気筒のキャブレターまで比較的しっかり丁寧につけておいてください。
このようにウエスは良く使うので1枚ぐらいはバイクに1枚積んでおくとよいでしょう。

さてまず出先だったり、ツーリング途中でのとりあえずの対処法です。
まずガソリンスタンドでないところで作業しているとか、エアのコンプレッサーがなくエアが使えない場合です。

NO6

正しい旧車トラブル対処法

とりあえずNO6の写真のように燃料ホースから息を吹きます。吸ってはいけません。
ガソリンの味がして少々つらいですが調子悪いので皆さん必死ですからこれぐらい平気でしょう。

ただしエアが使える状態にあるときは最初からエアを使ってください。その説明は少し下に書いてあります。
ウエスの部分にガソリンが出てきますが気にせず頑張って吹きます。ある程度ガソリンが出なくなったら、タンクを元に戻して走行します。
これで治ればOKです。

それで治らない場合は、今度はスタンドまで頑張って走って、エアコンプレッサーのあるところで作業しましょう。そして同じところまでバラします。

NO7

正しい旧車トラブル対処法

今度はエアを使います。この方法でほとんどの場合なおります。
エアガンはNO7の写真のようにエアの流量が調整できるものがよいです。先の部分を回すと、エアのでる量を弱から強まで調整できます。

スタンドで作業するときも、あればこのタイプを借りるほうが作業しやすいです。
エアガンは一般的なホームセンターでも売ってます。

NO8

正しい旧車トラブル対処法

エアガンを使用する場合はいきなり強いエアで吹いてはいけません。先ほどのエアガンのタイプであれば弱くエアが出るように調整し、調整できないタイプであれば、エアがたくさんでないように握り加減を調整しながら写真NO8のように燃料ホースからエアを吹きます。
いきなり強いエアで吹くとキャブレターを痛めることがありますので弱目からスタートします。

一回あたり2~3秒ずつ数回に分けて吹きます。ガソリンがたくさん写真NO1の部分からでてきますが、気にせず行います。
徐々にエアの強く調整しながら、あまりガソリンが出なくなるまで行います。
ガソリンが出なくなったらタンクを元に戻し走行します。ほとんどの場合はこれで治ります。

もし治らない場合はキャブレター本体の1番と2番、あるいは3番と4番の間にある黒いエアベントパイプがあります。(写真には写っていませんが)そこにエアを吹くとオーバーフローが止まる場合もあります。どちらにしてもエアは最初は弱め、徐々に強く吹くようにして下さい。

NO9

正しい旧車トラブル対処法

治らなかった場合はタンクを今まで同様にはずし、今回はキャブレターをはずします。
まずスロットルの遊びを確認した後、(後でどれぐらいに調整するか悩まなくていいように)NO9のようにスロットルワイヤーをはずします。

この時キャブレター側につけるスロットルワイヤーのタイコの位置を覚えておくと組み付け時にスムーズに作業が進みます。

NO10

正しい旧車トラブル対処法

写真NO10のようにキャブレターを止めているインシュレーターバンドのボルトを4本緩め、キャブレターをはずします。

同じく写真NO10の、キャブレター本体の矢印部に加速ポンプのプッシュロッドがあります。

この後フロート室をはずすのですが、組み付け時にこのプッシュロッドを組み忘れないようにして下さい。はずせば解りますが、構造はシンプルですので、心配は無用です。

NO11

正しい旧車トラブル対処法

キャブレター本体は、NO11のように持ってはずします。
少し上下にゆすれば簡単に外れるのであまり力は、いりません。

写真のようにキャブレターの下にウエスを入れておくと、キャブレターが抜けた際にその反動でエンジンに傷が入るのを防ぎます。

NO12

正しい旧車トラブル対処法

キャブレター本体をはずしたら写真NO12のようにフロート室のドレンボルトを緩めガソリンを抜きます。

ガソリンは危険なので火の元に気をつけてください。

4気筒分全て抜きます。
抜いた後には、ドレンボルトは元に戻し締めておきます。
あわてていると通常しないミスをすることがあるので締め忘れなどを防いだり、はずしたボルトを蹴ったりしないようにです。

NO13

正しい旧車トラブル対処法

ガソリンを抜いたら写真NO13のように3mmのレンチを使い各フロート室あたり3本ずつ、4気筒なら12本を緩めてとってしまいます。

この時加速ポンプなど違う部分のボルトを間違ってとらないようにしてください。
全てとったら、フロート室を取ります。

4気筒つながっていますが、そのままつながったままはずしてください。

NO14

正しい旧車トラブル対処法

フロート室をはずし、キャブレターをひっくり返した所です。
白い部品がフロートです。

NO15

正しい旧車トラブル対処法

燃料ホースからエアを吹き込みます。これも先程と同じ様に最初弱めでその後徐々にエアを強くします。

この時本来はフロート室を下にして吹きたいのです。作業しにくいので、この写真のようにキャブレターを立ててややフロート室が下になるようにして作業すると作業しやすいです。

作業になれた方ならこの後フロートなどもはずして作業してもいいのですが、ここでは、一般の方少し頑張れば確実に出来ることを対称にしているのでミスをしやすいこの作業は今回はしません。

きちんとしたバイクを購入していれば、エアを吹くだけできちんとオーバーフローは治りますから心配要いりません。治してもすぐ悪くなる場合は、他に原因があると言うことになります。

NO16

正しい旧車トラブル対処法

またフロート室を組み付けるときには、写真NO16のマイナスドライバー先端で示しているゴムのパッキンが、この写真のようにフロート室の溝にきちんとはまっているのを確認してからにしてください。

きちんと溝にはまっていないで組み付けるとパッキンを駄目にして、ガソリン漏れの原因になります。

この後はタンクを元に戻し走行してください。

NO17

フ正しい旧車トラブル対処法

今回の作業で使用した工具です。
これと同じである必要は全くありません。
プラスドライバー8mmのスパナ1本
10mmのスパナ2本先がYの字になっているクリップはずし
(燃料ホースがはずせればよい)
14mmのメガネレンチ3mmと5mmのL字レンチがあれば良いです。

これにプラス、車種によりタンクをはずすときに必用な工具があれば良いです。

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キャブレターのオーバーフローを減らす方法

キャブレターのオーバーフローを減らすにはどうしたらいいのでしょうか?
その方法を書きたいと思います。

  • ガソリンタンクの中を綺麗にする。(ゴミがキャブレターにいかないようにする)
  • 1のつづきになりますが、燃料フィルターをつける。
    (同じくゴミがキャブレターにいかないようにする。タンクが綺麗なものはつけなくてよい)
  • 暖機運転をしすぎない。エンジンにもよくありません。
  • 乗る回数を増やす。出来れば一ヶ月に1~2回乗る。
    (乗ってないとキャブレターのフロートの動きが悪くなりオーバーフローしやすくなる)
  • 負圧コック式の燃料コックは走行中は必ずONかRESにする。
    (Z1000MK2、ローソン系など)
  • 負圧コック式以外のものは(Z1,Z2のタイプ)はエンジンのかかっていないときには燃料コックを必ずオフにする。

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エンジン始動方法と暖機運転について

NO1

エンジン始動方法と暖機運転について

エンジンの始動方法が適切でない為、エンジンのかかり具合が悪く、スタータークラッチを痛めたりバッテリーをあげてしまう人がいます。
また暖機運転が長すぎてエンジンを痛めたり、キャブレターのオーバーフローを招いてしまう人もいます。

この方法が絶対ではありませんが、当社の取り扱い車種であればおよそこのようにすれば良いというものを紹介いたします。

まずFCRキャブレターが取り付けられている場合で、前回乗ったときから数日以上(2,3日)たっていて、エンジンが冷えている時の始動方法を紹介します。

ここでは詳しく始動方法を書いていますが、心配せずとも普通すぐにかかります。ただしFCRキャブレターを始めて使われる方やベテランでいまさら人に聞けない方向け(笑)に書いています。

紹介するのは負圧コック式です。普段走行中はONかRESになっていると思いますがエンジン始動前に写真NO1のようにPRI側にコックを回します。

その時燃料フィルターが付いてないとガソリンの流れる様子は見えませんがこうするとエンジンがかかっていなくても強制的に、ガソリンがキャブレターのフロート室に流れます。

この状態で20~30秒ほど待ってフロート室にガソリンの溜まるのを待ってからスロットルを空けて、加速ポンプから燃料を出します。

NO2

エンジン始動方法と暖機運転について

アクセルを閉じている写真NO2の状態から、NO3のようにアクセルを2、3回開け閉めしてください。

NO3

エンジン始動方法と暖機運転について

アクセルを閉じている写真NO2の状態から、NO3のようにアクセルを2、3回開け閉めしてください。

NO4

エンジン始動方法と暖機運転について

その時に写真NO4(キャブレターのファンネル部分から中をのぞきこんでいます)矢印部分のように加速ポンプのノズルから燃料が出るのを確認してください。

通常前回乗ってから数日の場合はすぐでてきますが、1ヶ月以上たっている場合、なかなかでない場合あります。その場合はここから燃料が出るまでアクセルを開け閉めして、出始めてからアクセルを開ける数をかぞえます。先程書いたように2,3回です。せずとも、すぐにかかります。

またネット付きファンネルやパワーフィルターが付いている時、車種によってサイドカバーでファンネル部分が隠れ、見えない時などは無理に見る必要はありません。ファンネル部から見るのは特別エンジンがかかりにくい時のみフィルター等をはずして確認すればよいと思います。

通常ここまで確認せずとも、すぐにかかります。

NO5

エンジン始動方法と暖機運転について

アクセルを開け閉めして加速ポンプから燃料を出したら写真NO5のようにほんの少しだけアクセルを開けセルを回すとかかりやすくなります。この時開けすぎるとかえってかかりにくくなるので注意が必要です。

1度かかってもすぐ止まったりした時は、もう1度アクセルを開け閉めするところからやり直してください。だいたい2、3回でかかります。

NO6

エンジン始動方法と暖機運転について

1度きちんとかかればもうアクセルを開け閉めする必要はありません。エンジンがかかったらNO6のように必ず燃料コックをONの位置に戻してください。

もし3、4回して駄目な場合は少し時間を置き(20~30秒)もう1度アクセルを開け閉めするところから、行ってください。

このようにかかりにくいのは2ヶ月間以上ほったらかしなど乗ってない時がほとんどで、カワサキZ系など2バルブのものは大概かかるのですが、刀やニンジャなど4バルブエンジンは少してこずることがあります。時々乗りましょう。また気候が良くなって、暖かくなってきた場合にはアクセルを開け閉めして、加速ポンプからガソリンを出したりせずに、NO5のアクセルを少し空けてかけるだけの方がエンジンのかかりが良い場合もあります。暖かくなってきてかかりが悪い方は試してみてください。

話が前後しますが燃料コックが負圧式でないZ1、Z2などはエンジンがかかってない時、燃料コックをOFFにしているはずですがエンジン始動前にONにして20~30秒待ってから始動操作をするというだけで負圧コック式とほとんど同じです。ただしエンジンのかかっていないときは燃料コックをOFFにしてください。オーバーフローを防げます。

また走行後でエンジンが暖まっているときには、エンジン始動時にアクセルを開け閉めして加速ポンプからから燃料を出してエンジンをかけないでください。かえって混合気が濃くなりすぎエンジンがかかりずらくなります。
アクセルを開け閉めしてからかけるのはエンジンが冷えているときだけです。

それともうひとつ昨日乗ったりとか、さっき乗ったとか前回乗ってから時間がたっていない場合で負圧コック式の場合、いちいちPRIにまわさずONのままでエンジン始動して全く問題ありません。

NO7

エンジン始動方法と暖機運転について法

続いてエンジンの暖機方法です。と言っても全く難しくありません。

昔、雑誌の取材で「暖機には全く気を使いません」と言ったのにいざ完成した本を見てみると「暖機には気を使う」と書かれガックリ来たおぼえがあります。雑誌ってのはそういうもんです。

当社で販売している車輌や純正のものは、これから紹介する方法で充分です。

エンジンをかけ、写真NO7のように2000回転ぐらいで一定にします。もっと回転は高くてもいいですがうるさいので。

NO8

エンジン始動方法と暖機運転について

そして写真NO8のようにエンジンを直接手で触り、ほのかにあったかくなったら、すぐに走りだします。ここまで、ものの1~2分です。
この時間は車種や、季節により違ってきて当然ですが、当社の取り扱い車種は、ニンジャなどの水冷を含めてこれで充分です。ただし手で触るのは写真のようにIN側のシリンダーヘッド部分が良いでしょう。

ただし走り始めてすぐに全開にしては駄目です。
はじめはゆっくり走り、エンジンだけでなくタイヤやサスペンションなど車体全体を暖めるようにして走ってください。走り始めてすぐはアイドリング時の回転が低く500rpm以下なんてこともあると思います。

その状態は油圧も下がってエンジンの負担も大きくなってしまうので、信号待ち等でもアクセルから手を離さず、自然にアイドリングするまでは1000rpm~1500rpmぐらいで回転が一定になるように少しアクセルを開けてあげればエンジンの負担も少なくなりよいでしょう。

数キロ走ったらアイドリングも安定してきますから、それから普段どうりに走るようにしましょう。
ゆっくり走るようにと書くと、とにかくやたら低回転でゆっくり走る人がいますが、そうではなく普通の車の流れについていくぐらいで走り、急加速、急減速をしないぐらいの感覚でよいです。 エンジンの回転で言えば3000~4000ぐらいでしょうか。

またその時に信号待ちなどで、やたらアクセルを吹かす人がいますがFCRキャブレターの場合そのたびに加速ポンプから燃料がガンガンでて、暖機中のエンジンにとってひとつも良いことはありません。無駄なことはやめましょう。それのせいでかぶったりすることもあります。

暖機運転で大切なことは、とにかく長くしすぎないことです、エンジンをかけ10分も20分もアイドリングして平気で置いている人がいますが、ヘッドだけやたらと熱くなり、特に空冷エンジンでは、自分でエンジンを壊しているようなものです。またアイドリングを長時間することは、機械的にもとても負担が大きいので絶対にやめましょう。アイドリングははずみ車をつけ無理やりエンジンを止まらないようにしているだけのエンジンにとってはとても苦しいものなのです。

古いバイク達のガソリンタンクは新しいバイクに比べガソリンが気化したときのガス抜きが充分でないようです。そのため気温が高い時、エンジンが熱くなった時には、普段よりガソリンタンク内の圧力が高くなりその圧力が燃料ホースからキャブレター側につたわりオーバーフローしやすくなるようです。走っている時には燃料がどんどん消費されあまりオーバーフローしませんが、無駄な長時間の暖機をしていると、燃料消費量が少ないのにガソリンはエンジンの熱で暖められたりしてキャブに圧力がかかりオーバーフローしやすくなります。エンジンにも悪くキャブレターもオーバーフローしやすくなってよいことはひとつもありません。長時間の暖機は絶対やめましょう。

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その他自分で点検したほうがよいところ

NO1

正しい旧車トラブル対処法

これはエンジンのヘッドカバーを締め付けているボルトをまし締めしているところです。

まし締めをする理由としてはオイルにじみが出やすい箇所だからという理由ですが、本来写真のZ1000R系はあまり必要ありません。

それよりもZ1直系のタイプのエンジンは、エンジンを組んで特に最初の頃は写真のようにまし締めが必要です。

と言っても難しくなく、エンジンの中心に近いところボルトを締めていくだけです。写真NO1は割と外側のボルトをしめています。1000キロほど走った後は、あまりする必要がなくなりますがヘッドカバーやカムプラグ(ゴムの半月の部品)付近からオイルにじみがあるのは故障ではありません。にじんだら拭いてください。(笑)

気になる方は2年に1回程度ヘッドカバーガスケットなどを交換するのがよいと思います。この部分のオイルにじみはカワサキZ1系以外はあまりでないようです。

NO2

正しい旧車トラブル対処法

NO2はバッテリーです。見れば解ると言われそうですが。

写真のようなタイプが付いている場合は2~3ヶ月に1度液量を見たほうが良いです。
特に飛ばす人は定期的に液量の確認をしてください。
ひどいときは半分程度になってしまってる人がいます。
液の少ないときはバッテリー液を補充してください。
ホームセンターなどで売ってる一番安いタイプでよいです。
アッパーレベルの下ぐらいまで入れてください。
むしろ強化タイプなどと書いてるものはうさんくさいのでお勧めしません。

NO3

正しい旧車トラブル対処法

NO3はエンジンのフロントスプロケットカバーをはずした写真です。マイナスドライバー先端でさした部分のオイルシールからオイル漏れすることがあります。急にたくさん漏れる箇所ではないので心配要りませんが、たまにチェックをして確認してください。

この写真では解りやすいようにカバーをはずしていますが、普段はカバーをつけたままで、下からのぞいて見てオイルのしずくがたれていなければ大丈夫です。もしたれていれば、カバーをはずしてオイルシールの交換が必要です。
この部分は点検のみを行い、シール交換は自分で行わずプロにお願いしましょう。

NO4

正しい旧車トラブル対処法

最後にオイル量の点検です。
きちんとしたバイクで適切なオイルを使っている場合そんなにしょっちゅうオイル交換の必要はないのですが、2~3ヶ月に1度くらいはオイル量の点検はした方がよいです。特に飛ばす人と、1回当たり乗る距離 が短いと自覚のある人は確認の必要があります。

点検の方法は走行後(エンジンオイルが暖まった状態)10~20分ほどおいて車体を写真NO4のようにまっすぐたてます。

NO5

正しい旧車トラブル対処法

そしてオイルの点検窓を確認して少し見にくいですが写真NO5の様になっていればよいです。写真ではちょうどアッパーレベルぐらいです。

旧車の場合点検窓の横にアッパーレベルとロアレベルの線が大概ありますからこの範囲内にあれば大丈夫です。

アッパーレベルとロアレベルの真ん中ぐらいにまでオイルが減ってきたら、少したしてアッパーレベルの下ぐらいまで給油するとよいでしょう。

くれぐれも入れすぎに注意してください。

あくまで目安ではありますが、先程も書いたように走行後、少しおいてから見るようにしてください。これを守らないと正しくオイル量の点検が出来ません。

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