旧車とのめぐり合わせ

ただ飾るだけでなく、きちんと乗れるようにする前提での
旧車バイク選びはどうするべきか？について書きます。
当店に、全ておまかせの時はいろいろ考える必要はありません。
そのような場合ではなく、知人から買ってくれと言われて買う、
あるいは、近所のバイク屋をめぐっていて、たまたま欲しい車種に
出会ってしまった、など予定外の出会い時の話です。
希望の仕様が、たとえ足回りなどの変更したものであっても
そういう大きく改造したものは避けます。
当社でも、チューニングしたものを販売するときは、
一から十まで全て当社で担当して、作業したものしか販売しません。
きちんとしたチューニングバイクは、きちんと操作すれば、
すごく乗りやすいのが当たり前です。
一部分にマグホイールなどついていても、バランスが悪かったり、
無理な改造をしているとそれをきちんと治すのに、あるいは
バランスをとりなおすのお金がたくさん掛かります。
バイク屋にいいなりで（悪いバイク屋であれば言い値のという意味）
しかも治せないことに、たくさんの時間とお金を使うことになり、
良いベース車両から、きちんと作ったほうがはるかに安上がりで、
自分ごのみで、仕上がりも段違いに良いものになります。
一生ものなら、良いものに乗らなきゃ損です。
間違いのない買い方として、
とにかくノーマルに近いものを買うが、鉄則です。
先日、時々メールでやり取りしていたＴ様。
先日このバイクを縁あってご自身で購入されました。




このZ1000jのようなものが見つかればベストです。
ただし高く買ってはダメです。整備代がでなくなります。
このバイクの値段は聞いていませんが、
話の内容から、適切な値段で買っていると思います。
仮に純正部品でなく、純正風の社外品でも、
一部についてるだけならならOKです。
車体全てに、純正風の社外品がついているものは、
綺麗でも避けます。
理由が知りたい方は、直接私に電話ください。
ハンドルや、シート、マフラーや一部社外品がついていても、
その他が純正に近ければ大丈夫です。
こういう純正に近いものは、前オーナーが変な部品を使うことを
嫌がり、こだわりがあることが多く、見えないエンジン内も、
変な事をせず、せいぜいボアアップや、ポートの段差を削った程度までで、
作業をとどめている時が多いのです。
その為、後で大掛かりな修理や交換を伴うことなるということは
少ないのです。
またそういうオーナーさんが、お付き合いしていたバイク屋さんは、
「そういうことはしないほうがいいんじゃない」
「それはうちではできないよ」
とキチンと言ってくれるショップさんと、おつきあいしていることが
多いのを、当社の今までの経験上解っています。こういう方こそ
まともな人です。
改造する場合は、きちんとわかっている人が担当すれば
どんどん良くなるが、ダメな人が作業すれば、触った分だけ
駄目になります。たとえ部品は良いものを使っても。
結果として、まともなベース車両を買えば、
後できちんとした乗れる状態にするのに
お金を無駄にしないで済みます。
そして大事なことは、ベース車両は高い値段で買わない。
これは判断が難しいと思います。
なぜなら、上に書いたような状態のものは、基本状態がよく
値段が高いです。綺麗なものなら尚更です。
でも、ここでＺ１のベース車両代に２２０万円使ってしまったら、
整備代にいくら残っているでしょうか。
良いものでも高く買ってしまったら意味がないのです。
自分の希望にあった状態にするのに適切な良いものを、
適切な値段で買う。安いものはありません。
今の相場と照らし合わせて、高すぎないものという意味です。
先ほどの１０００ｊと同じ品質で、もしＺ１０００ＭＫ２の
ベース車両を買うとしたら、今現在輸入してもかなりの高額に
なるのではないかと思います。
もし、フルレストア前提で買うのなら、そこまでの品質の
良いものは無駄に良すぎます。
もちろん知人が安く売ってくれたとかは問題ありません。
そこで当社では、フルレストア前提であれば、
このようなものを探して販売します。
（キャブは新規登録するのに純正からＦＣＲに交換しています）

このあと当社で作業してこの形で納車しました。

逆にレストアせず、整備のみで乗りたい方は、
上の１０００Ｊのようなもので、自分の欲しい車種を
高くても買う。これが一番安く完成できる。
Ｚ１０００Ｒ１ならいくらするのでしょうか？
恐ろしい金額になりそうです。
自分の最終的な希望の仕様はどうなのか。
それによりスタートラインが決まってきます。
そして、いくらかかるかも決まります。
どちらにしてもきちんとした状態で、
問題なくあるいはノーマルより良い状態で
乗る前提であり、飾るだけ、動けば良いだけの
人には関係ない話です。
買うなら、ノーマルに近いベース車両を。
適切な価格で。
私は、とっかかりはなんでもよく、
できるだけ多くの人にきちんと楽しく乗れる、
旧車バイクを知ってもらいたいのです。