ハイカムシャフトについて2

ハイカムシャフトに変更に合わせて、
変更を考えたほうが良い関連箇所をいくつか。
①ポート加工。必要な部分の拡大も含む。
この写真はポート加工後のZ1000R2。
DSC01064.JPG
より高回転域でパワーが出るようにするため。
これには経験、工具などが必要になるため
できない場合はしない方が良い。かえって悪くなる。
きちんと加工できる店はとても少ない。
新しいバイクはほとんど必要なし。
②バルブスプリングの変更
これはZ1-Rノーマル
DSC08787.JPG
これは強化型
DSC09717.JPG
カムシャフトに合わせ変更が必須。ただ闇雲に強化型、
スプリングレートが高いものはダメです。
バルブを開ける際に大きな抵抗になるので。
普通乗っていて強化バルブスプリングに変更して、
嫌な部分で解りやすいもと言えば、始動時にセルが回らなくなる、
エンジンがガサゴソ回ってフィーリングも悪くなる。エンジンの
ノイズが大きくなる。など。
当社では仕様に合わせ使い分けしています。おもに3種類。
③ビッグバルブに変更。
これも、より高回転域でパワーが出るようにするため。
これはZ用1mmオーバーサイズです。
DSC09716.JPG
だいたい大きくするのは1mm~1、5mm程度。
ポート、バルブスロート部の加工をしないのなら、
あまり意味がないので必要ないと思います。
④ヘッドに干渉する部分があればその部分を削っておく。
⑤燃焼室を良い状態にする。
⑥必要な圧縮比にするための面研。
やりすぎは良くありません。
⑦カムシャフトにあった排気量、圧縮比のピストン
ハイカムは低中回転域でトルクが落ちるので、それを補うため。
⑧強化カムチェーン
ハイカムはカムチェーンにかかる負担が大きくなるので変更。
⑨アウターシム式からインナーシム式に変更
Z750D1のアウターシム式のリフター。
上にシムが乗っかるようになってます。
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Z2をインナーシム式に変更したもの。
なかに小さいシムが入ります。
DSC09734.JPG
ハイカムすると、バルブクリアランスの調整に使うシムが
飛び出してしまうリスクが増すので変更。
⑩カムスプロケット長穴加工
バルブタイミングをとるため
⑪点火系
より強い火花で、これも低中速域のトルクを増すのに有効。
⑫適切なマフラー
トルクの谷が出やすくなるので、マフラーが悪いと
乗りにくくなります。
などなど、いくつも関連する箇所がありますので、
それら全てを考え、オーナーさんの希望、使用条件にあわせ、
選択します。
ハイカムシャフトへの変更は、Z系で言えば6000回転以上を
あまり使わない方には、実際必要のない変更となりますが、
それ以下の回転でも上記と組み合わせると、
チューニングエンジン独特の音質なども味わえるので、
何とも言えないところです。
Z系のような古いバイクの場合、上記①から⑫の中で選択し
上手に組み合わせないとあまり効果がなく、
低中速のトルクが細くなったので、
上がやや回るような感じがするだけになります。
私もお客様の持ち込みのMK2でハイカムが入っていたのに
乗っても解らなかったことがあります。
これはエンジンのそのほかの部分がとても悪かったからです。
ハイカムシャフト変更含む、ヘッドチューニングは、
それなりに費用がかかることですので、
優先順位で言えばあとになり、ホイール、ブレーキなどの足回り
を優先したほうが良いと思います。
最後の楽しみぐらいで良いのではないでしょうか。

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