製作模様の続きです。
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ミッションをすべてばらして洗浄したところ。
洗浄した後に脱脂してあります。
アンダーカット加工をする前の写真です。
どの部品にも言えることですが、
綺麗にしないことにはその部品が
良いか悪いか解りません。
どのような状況でも、きちんと部品の状態が解れば
よいと思いますが、当社の場合は洗浄液などで
濡れた状態でなく、乾燥した状態でのチェックが
良いと考えこうしています。
こうすれば埃も付きにくく、組み付け作業に集中できます。
組み付け後は、錆びないように保管しておきます。
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ドライブシャフト側から組み立てます。
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交換するベアリング類、サークリップ、
オーリングなど。
今、Z系のミッションのベアリング類は、
高価ですが部品は出るので、純正部品を使っています。
ローソン系を前にエンジンOHした際は、ボールベアリングが
1つ欠品で別のものを使用しました。
ボールベアリングの方は、サイズは同じでも、
中のボールの数が市販で売っているものと、
純正品は違ったりすることもありますので、
使うかどうかは熟慮したうえで決めます。
ドライブシャフトにグリスを塗ってギヤを組み付けます。
サークリップの位置、向きには、簡単な決まりがあり、
そうなるように少しだけ気を使って組み付けます。
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写真では解りにくいですが、このミッションに使う
アンダーカット加工済みギヤのドッグ部のアップです。
ここの部分は大きく加工しすぎると、一般道で
走るにはかえって乗りにくくなったりしますので、
ちょうどよいぐらいの加工でとどめます。
当社では納品後2000キロぐらいに動きが
良くなるぐらいに仕上げています。
クラッチまわりの部品の絡みもあり一概には
言えませんが、あまりにもすぐ動きが良くなるぐらいだと
やや足りないかもしれません。
特にZ系に比べドッグ数が多いJ系(ローソン系)は、
削りすぎないよう注意します。
J系はクラッチの遊びも多く取れず、クラッチレバーを
握り終えたぐらいにクラッチが切れる感じになり、
走行時にはやや引きずった感じで変速している
感じになるのでなおさらです。
海外で削っているものはやたらすごい量削って
いるものもあり、度肝を抜かれます。
ぱっと見30度くらいの角度にさえ見えるほどです。
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シャフト側のオイル穴の通路と、ギヤ側の
穴を合わせます。この穴が合っていない状態で
組まれていたミッションも何度か見たことがあります。
エンジンがメーカーで組まれた後に、
一度も開けられていないものは大丈夫なのですが、
途中でレベルの低いオーバーホールごっこを受け
間違って組まれていると、穴の位置がずれて
いたりします。
ただこの部分がずれていても、ここ周辺が壊れて
走行不能になったものは見たことがなく、
マージンがあるようです。
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トップギヤのブッシュ。
この部分も間違って組まれ、穴の位置がずれて
いたもののエンジンを開けたことがあります。
ひどい話です。こんなことをしといてお金を
もらっているのですから。
当然当社ではきちんと組みますし、写真を撮り
(時々組みつけに集中してしまい撮り忘れることが
ありますが)記録に残すようにしています。
幸いにも、どこかのお店で作業したミッションの
組み付けミス物で、焼きついたものに遭遇したことはなく、
今まで出合ったオーナーさんたちは、知らないで
おとなしく走っていた方ばかりです。
当然激しく走れば焼きつくと思います。
交換するニードルベアリング。
サークリップも新品に交換し組み付け。
サークリップは何度もハメハズシしていると
へたりますから、また分解することのないように
一回で組み付けが終わるようにします。
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先ほどのニードルベアリングにはまるブッシュ。
クラッチのプッシュロッドが入る穴があいてます。
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先ほどの穴の部分に入れるオーリング。
解りにくいですが、オーリングを
入れたところ。
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ドライブシャフト側が組み付け終わりました。
FX750製作模様6
日記
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