修理は正々堂々と

日記

先日納車に向けてのCB750Fの最終チェックの為、
まず近場を10キロ程度走り、その後新たに取り付けた
ETCの動作確認と長い距離を走るために高速道路に
向かいます。
高速道路を走るのは私ではありません。

ただ、何も考えずに走るのではなく、
各部の状態をチェックしながら走ります。

この時に大事なのは他の車種と比べることではなく
(もちろん、無意識にあれに比べるとどうだと
いうのは頭に浮かんでくるのですが)
走っている車種本来の状態と比べることです。

今回でいえばCB750Fとして調子よく、
本来の状態で走るように仕上がっているかですね。
もちろんそのためには本来の状態を知っておかねば
なりませんが。

面倒ですが高速でもPAなどで何度か止まり、
問題ないか確認しつつ走ります。

折り返し地点まで到達し、再度CBを止めて
チェックしているとオイル漏れを発見しました。
100キロ位走ったところです。

よりによって一番遠い所です。

そこで私に電話がかかってきて、迎えに行くことに
なりました。

悪い部分がないかの走行確認テストですから、
私の気持ちをしては、まあしゃあないかという感じで
落ち込むようなこともなく、
むしろ納品前に問題解決できるので
良かったぐらいの感じです。
納期が少し下がるのは申し訳ないのですが。

少し前に止めて一度チェックしたときには
何も問題がなかったとのことで、
迎えに行きながらの道中、
オイルクーラーのホース関連から漏れが出ていると
推測しました。

往復2時間以上かけ車両を引き上げ
会社に戻ってチェックします。

解りにくいのですが、
やはり純正オイルクーラーに使用されている
やや特殊な形状のホースから漏れ出ているように
見えます。

そこで、エンジンからオイルクーラーにつながっている
ホースを外し、灯油を流し込んでエアを吹き込み
チェックします。

灯油を入れたのはエアを吹いただけだと
解りにくかったためです。

そこで漏れが確認でき、原因はここだろうという
結論に至りました。

使用していたホースは純正で、見た目は程度が良く
外観から亀裂などが入っている様には見えませんでした。

また過去にもこの部品から漏れが発生したことも
ありません。旧車は何年扱っていても
時に予想外のことが起きます。

そこで詳しく状況を確認するため、
ホース自体を切断し、よく見てみると
問題の箇所だけでなく他にも亀裂が入っているように
見えます。

こうなると修理の方法をどうするかという事になります。

社外部品なら、問題のホース部分を交換すれば良いと
いうことで簡単に解決します。

ですが今回は純正のオイルクーラーなので
当然古いバイクですからホースは欠品。

今回のCBは元々程度が良い車両で
オリジナル部分をいつもよりは多めに残して
製作しています。

そこでオイルクーラーもオリジナルを
使用しています。
機能面では小型でたいした意味はなく、
ついていないのと大して変わりませんが。

もう1セット中古の純正オイルホースASSYを
持っていましたが、たまたま今まで漏れていないだけで
このホースも同様に亀裂が入っていると推測できます。

そこで、以前から知っていた純正ホースの
再生をしている業者に連絡します。
(悪いホース部分のみを新品に交換してくれる)
すると納期が早くても1ヶ月、普通にすれば
3ヶ月などという話。

この納期を聞いた時に、別のアイディアが頭に
浮かびました。

オイルクーラーのホースは、古くなったからと
いって漏れてくるような事は殆どありません。

それでも漏れているという事は、
純正のホースを再生や交換(中古)
するより、
なるべく雰囲気を壊さないように
純正品でないもので新たに作り直す方が
耐久性の面でも今後のメンテナンスの面でも
良いのではないかという考えです。

もし、純正品で再生できたとしても
自社内で作業したものと違い、その作業が
きちんと行われているかどうかはその業者さんの
能力とやる気次第になります。

そして使用するホースがどんなものか
解らないのでどれぐらいもつのかも解らない。


それよりも自社で行うこと、使い慣れた商品を
使うことにより今後のリスクが減らせますし、
もし問題が起きても当社ですぐに対応できる。

もちろんボルトオンではありませんので
どのような加工が必要か考え、
必要な部品を用意して作業を行いました。

結果、オイルの取り出し部分は純正を加工をして
社外品のホースが使えるようにしました。

これでこの部分のトラブルは解決。
見た目的にも大きく雰囲気を壊さずに
より耐久性の高い状態にすることができました。

トラブルが出た時には原因を考え、
小手先の修理ではなく
根本から正面突破で堂々と修理するのが
結果として一番安上がりで良い結果が出ます。

これはエンジンのフルオーバーホール、
車体のレストア全て同じですね。

以下製作したオールクーラーホースの写真です。

加工したオイル取り出し口にフィッティングを仮付した写真


ちなみにオイル漏れした純正オイルホースはこちら

















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