すでに手元にはないのですが、良いバイクを伝えることも
大切な仕事だと思うので紹介します。
写真は文章の後に紹介しています。
まずエンジン始動動画はこちら
実走行距離6000キロ台の貴重な車両を
乗れるように少し整備した状態です。
手に入れた時
フロントキャリパーのブレーキの引きずりが
でていたのですが、それを動かすために
どこかのアホがキャリパーを金属の
ハンマーでたたいた跡があります。
ほんと世の中信じられない人がいるもんです。
こういう時はプラハンで軽くたたくもんですよ。
知ったかぶってしているのでしょうね。
むかつきます。
それはさておき、
その辺を軽く走ってみましたが、チョーク機構に
問題があるもののエンジンはセル一発でかかり、
なんせ実走行距離が貴重な6000キロ台ですから
乗ってもエンジンは新車のような好調さです。
足回りはタイヤを買えて、乗っていなかったために
引きずりの出ていたブレーキマスターと
キャリパーのシールを交換しただけですが
チョイノリの範囲では問題なく走れました。
このままどんどん走っていきたくなる感じです。
V型エンジンの特徴で、400ccであっても
下の回転から充分なトルクがあり、ぐんぐん
加速していきます。
直4エンジンとは違い、どこからか出力が立ち上がって
グンと伸びるという感じではないのですが
下から上までスムーズに回っていくという
V型特有の吹け上がりになります。
これは高価なVFR750でも基本は同じ感じです。
20代前半の頃に同じ場所を走っていた人間で
このVFR400でめっぽう速い方がいたのですが
それも納得で、その人の運転が上手いことに
プラスしてこのVFR400Rはとても良く曲がり、
今乗ってみると私のような平凡な腕でも、
まるで自分が上手くなったように感じられます。
この400は750ccの安価なものと
いう事ではなく、
当時国内では400cc以下のバイクは本気で
作られていた時代ですから
各部の作りを見ても、実際に運転しても
安っぽさなど微塵もない本格派。
安く作ってある奴は見ればすぐに解ります。
その辺のチョイ乗りでもポテンシャルが
高いことが解り、この頃の2サイクル車に
比べると特にメリハリのある運転をせずに
だらっと乗っていてもきちんと走ります。
その走りやすさゆえに走行距離が伸びているものが
殆どなのです。海外でも人気があるそうです。
ポジションもコンパクトでこの時代近辺に多い
ハンドルが遠いなどという事もありません。
垂れ角はやや多めですね。
伏せて全開で走ることへの意識が高いのかな。
ただエンジンからの熱気は結構あります。
左のマフラー付近も暑そうですね。
ですがこのカッコよさ。
カラーリングもこの初期のものが
一番クリーンな感じでとても良いと思います。
今回あらためて良いバイクだと思いました。
もう排気量が大きいものがすべて偉いと
いう時代ではありません。
排気量問わず、スタイルと走りの良さ両方が
充実した物こそ本当のバイクだと思います。
カッコは好みとしても、走りの面は
ノーマルのままだと少々問題があるバイクも
あります。
全てのバイクではありませんが
少しの改良で大きく改善できるバイクも多くあり、
現代の部品を使って上手く改良できれば
見た目と走りを両立できるバイクに
仕上げることも可能です。
問題のある店で作業して、間違った改造で
ノーマルより悪くなってしまっているバイクも
よくあります。
なぜこのようなことになってしまうかと言えば
2つ理由があり、
一つは整備作業そのものがきちんとできない
自称整備士がいる事。
間違った部品の組み方をする、
例えば本来すき間が必要な箇所を
すき間ゼロで組んだり、
一旦部品を外したら部品が余ってしまう
元々を全く違う組付けをするような
問題整備ですね。
それとは別に
そのバイクに必要なことが解っていない
作業です。
人間であれば腹が減っていれば食事をします。
体が疲れたら寝て、
体力が落ちてきたら体を鍛える。
みたいなことです。
バイクであれば、外から見ただけの判断ではなく、
まずは乗ってみないと解りません。
乗ってみると、曲がりにくい、
(バイクが素直に寝ていかない)
加速が悪い、変速が上手くいかない、
ブレーキが効かない、
なんてことが解りますが
例えば加速が悪いとなった時に
本当はキャブが悪いのに
エンジンの調子が悪いと判断して
大げさにエンジンを分解して
触ったとしても問題の解決には
なりません。
そもそもキャブが悪いわけですから。
ブレーキング時に前の沈み込みが速くて
沈み込みの量も多すぎブレーキが強く
かけられない時、
本来はスプリングレートを高いものに
変更して、元々ついていたスプリングより
イニシャルは減らす方向にセッティング
しなければいけないのに、
フロンフォークのオイルだけを硬いものに
変更したり、スプリングレートを高くしたとしても
イニシャルを元々ついていたスプリングと
同じ分だけかけていたりする。
それではまともに走ることは出来ない。
車高も純正の設定があります。
何も考えず単純にリヤの車高を上げたり
フロントを下げたりするだけでは
ハンドルが切れ込み、かえって曲がりにくく
なります。
こういうそもそもの判断が出来ない整備士が多い。
純正のままですべて最高なんてことはありえない。
乗っている人の体型も、運転の仕方も違い
車よりもバイクの方がその影響が大きいことに加え、
そもそも販売価格が高すぎては買ってもらえないので
コスト面で大きく制限があるから。
大体整備士がバイクに乗ってチェックをしないことが
とても多いことを知っているでしょうか。
理由は簡単、時間と手間が余計にかかるから。
一回走れば、短い距離でもすぐに
15分、30分とかかります。
そして事故、転倒のリスクもあります。
だから走行してのチェックをほとんど
していない所もあります。
乗れば素人さんでも解ることもあります。
そもそもミッションの変速が
硬くてまともに出来ないような状態のものを
納車したりしませんよね。
それは走ってチェックしていないから。
あるいは見て見ぬふりか。
ハンドルがまともに切れないバイクなども
納品は出来ません。
そのバイクに何の整備が必要か、
どのチューニングが必要か、
それが解ることが整備士に一番必須な
能力だと思います。
こういうことが解る人が
一つの店に一人は必ず必要で
その人が乗って確認することが
とにかく大切、そこにお金を支払う
価値があります。
それが出来ない店と気づいたなら、
とっとと他の店を探しましょう。
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