ダンパーについて

今回は、書く事が難しいダンパーについてサラっと書きたいと思います。
ダンパーについては私の知識、経験程度ではレースに本気で取り組んでいる方、
ダンパーを専門に扱う方にはおよびもしませんが、
このブログを読んでいただいている方に向け、入口の部分が解っていると、
先々役立つことがあるのではないかと思い書く事にしました。
ただ、プロの書き手ではないので表現力が足りず、解りにくい部分や誤解を招く部分が
あるかもしれません、そのときは会ったときにでも私に聞いてください。
またその辺の本などにも書いている事もあると思いますが、
当社の取り扱いの旧車バイクに関連することのみ書きます。
通常、私たちがダンパーに望むことは、乗り心地がよく、
必要な時に踏ん張ってくれること、
道で走っている時であれば、ギャップや、デコボコなどは上手にいなして、
乗り心地よく、ブレーキングや、加速時、車体が振られた時などは減衰力を
適度に発揮して車体を安定させて欲しい、ということでしょうか。
知っている方が多いと思いますが、旧車バイクに使われているダンパーは、
すごく簡単に書くと筒の中にピストンがありオイルが入り、そのピストンに
穴があいていてピストンが上下する際にそこをオイルが通って減衰力が出ています。
ところがオイルが穴を通る時の抵抗は速度によって変わります。
速ければ、大きな抵抗になり、遅ければ小さな抵抗になる。
これが私たちの望むこととは逆になってしまいます。
乗り心地が良くあって欲しい領域、ギャップをこえたときなどは、
ストロークするスピードは速く、減衰力は大きめ。
よってダンパーは動きが悪く、乗り心地が悪くなる。
連続でギャップをこえた時、特にフロントフォークは解りやすい。
逆にブレーキング時や、加速時などはストロークするスピードは遅くなり、
減衰力は小さめ。よって、ダンパーはスカスカになり、踏ん張り感がない。
と、望むこととは逆の動きになってしまいます。
そこでダンパーの動きを理想に近づけるため、高級なダンパーがあります。
内部にシム?板バネと言ったほうがいいかな?が入ったものです。
内部ピストンの穴に板バネが塞ぐようについています。
こうするとどうなるかといえば、速くストロークした時には
板バネが大きめにしなってオイル穴が空きダンパーがすっと動きます。
逆に、ゆっくりストロークした場合には、板バネはあまりしならず
オイル穴をほとんど塞いだままとなるので、減衰力がでて、
しっかりと踏ん張ります。
また、分解すると解るのですがこの板バネは、数枚重ねられて組まれており、
これによりそのバイク、あるいはセッティングを突き詰める必要のある使い方を
する人に合わせ、その特性を変えることが可能です。
サスペンションで高価なものはこういう機構になっており、
セッティングが合っていれば、普段は乗り心地が良く、
踏ん張って欲しい時には踏ん張ってくれるということになります。
ただ、高級で動きが良いものほど、オイルが漏れなくするためのシールは、
フリクションが少なく設計されていて、漏れるのは早めといっていいと思います。
ですから必然的にオーバーホールのサイクルが早めにやってきます。
またショックのロッド部分が(筒に入っている棒)どうしても走行中に傷が
入りやすく、OHごとにロッド交換となることが多くリヤショックで高級なものは
OHごとに、普通のリヤショックが変えるぐらい金額がかかります。
ですがOH後のリヤサスペションは動きがとてもスムーズで、
それだけの価値はあると思います。要はサスに対しどこまで金額を
だしても良いとオーナさんが考えるかです。
当社でJBカヤバをよくオススメするのは、そこまで低フリクションではないので、
さらに高級なダンパーに比べ動きではやや劣るものの維持費(オイル漏れが少ない)
がかからず、なおかつセッティングが空冷のバイクによくあっているからです。
もちろんダンパーないのオイルの劣化もありますが、通常、そこの変化より
シール部分の劣化の方が先におこり、オイルにじみや漏れが生じ、
OHや、それができないものは交換となります。
ダンパーのオイル劣化は、私程度の腕、あるいは走行条件では解りにくいのですが、
シール等のフリクションがだいたい同条件とした場合、やはり減衰力が落ちてきます。
スカスカになってくると言ったほうが解りやすいですね。
これも、判断としては、バイクで走り始めたときは減衰力が有り、
たくさん走ってダンパーのオイル温度が上がってくると減衰力が下がる。
この減衰力の下がり具合がいつもより差が大きくなってきたら、
ダンパー内のオイルの交換時期がきていると言っていいと思います。
さらにダンパー内のオイルが劣化すると、走り始めから減衰力が低く
スカスカになってきます。
先ほど書いた、シールの劣化からのオイル漏れなどが仮に起きなくても
こうなってきたら、エンジンオイルばかり換えてないで、ダンパーのOH、
あるいは交換をすべきです。
ただ、カワサキZ1のノーマルフォークは作りが古く、
そのあとの後期モデルと比べても、とてもフリクションが大きいです。
そのため、シール交換、オイル交換などのメンテナンスをすると
シール交換後は動きがとても悪く、Z1のノーマルフォークは
ヘタっている方がましという感じになることがあります。
ですので、Z1ノーマルフォークはブレーキなど効くように
改造していなければ、フォークオイルが漏れてからでもよい、
あるいはもう5年も10年もOHしていないときにすればよい
ぐらいでいいのではないかと思います。
あくまで私の一個人の考えですが。
当社ではこの動きの悪いフォークは好きではないので、
お客様がが希望すれば後期のZ1000系のフォークなどに
変更することが多いです。乗ればこっちのほうが断然まともですから。
見た目の純正にこだわるか、乗って良い方をとるかです。
また、一般的なバイクの場合フロントフォークがダンピング
だけでなく、リヤサスで言えばスイングアームと同じ、力そのものを受け、
曲げられたりねじれたりします。このことも考えなければいけない。
フロントフォークは車体剛性に対し強過ぎると乗りにくくなりますから、
適度にしなりつつ、なおかつスムーズに動いたほうが良い。
先々フロントフォークももっと良いセッティングや良い商品が
開発されると、空冷バイクでももっと乗るのが楽しくできると考えます。
今はやはり、フロントフォークは金額の面、維持費の面から
JB製38mm、41mmのフォーク勧めます。
一部分だけ見ればもっと良いものもあると言われそうですが、
金額含め、維持のしやすさ、性能、トータルバランスで
とても良い商品だと思います。
それと別に、私は維持のしやすさもとても大切だと思っています。
ですがもう一つ大切なことは、計算できる、ということです。
こういうギャップをこえた時にはこういうふうに返しが来る。
こういうふうに加速するとこういうふうに、サスがしずむ、
などある程度、良くても悪くても予測がつくことが大切です。
フルノーマルでサスの性能が低くても、予測が付けば安心して走ることができる。
低いならオーナーさんがそれあわせて速度を落とすなり、
気をつけて乗ればいいのですが、高性能であっても予測がつかないような
動きが起きると転倒につながってしまう。
そういう予測がつくバイクにするには全体のバランスだ大切で、
今回はダンパー性能部分だけの話ですが、そこだけにこだわると
変なバイクになる可能性もあります。気をつけましょう。
一番大切なのは維持費を含めたバイク全体のトータルバランスだと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました