GPZ900Rは最初期モデルが発売されてから30年もの
月日が流れおりますが、そのスタイルは古さを感じさせず
今なおその輝きを失うことはありません。
見た目は細身で、あまり重くなさそうですが、
実際に乗ると重く感じ重心も高く、
速度が低いコーナリングでは途中、
みずから倒れこんでいくようなそぶりをみせます。
決して素直で乗り易いというわけではなく
古さを感じる部分で、乗り手がバイクの
苦手な部分をカバーして乗っている感じと
なります。
エンジンの方も車重に対しトルクがやや足りず、
良く使う中回転域にもう一つパンチがあればという
感じです。
これは当然メーカーも解っていて、1000Rxから後の
同系エンジンモデルは排気量がどんどん大きくなっています。
ただエンジン本体に手を加えれば大きく費用が
かかりますし、また車体もノーマルのスタイルが
好みの方は大きな変更はしたくないというのが
本音でしょう。
そこでその特に気になる部分を改善し、
ノーマルのスタイルを壊さずに乗れる仕様の
ニンジャがこれです。
極めて程度の良いベース車両に徹底した
整備をし、それに今までの前後17インチ、あるいは
前17インチ、後ろ18インチではなく、
前後18インチのマグネシウムホイール(マグタンJB4)
を組みつけました。
それにFCRキャブレター口径37mmと、
サービスの黒ファンネルの組み合わせ。
それに長くお付き合いさせていただいている
ニンジャ乗りのお客様から譲っていただいた、
貴重な初期モデル、抜けの良いショートタイプ
サイレンサー。
出口の口径も大きく、音も通常の輸出仕様の物より
迫力があります。
このキャブレター変更、抜けの良いサイレンサー、
マグホイール前後18インチ仕様の組み合わせの相性が
ニンジャととても良く、ノーマルのスタイルなのに
走りがとても面白くなります。
良く使う中回転域からのトルクが全然違い
断然加速します。もちろん高回転域もより走ります。
ゆっくりも気兼ねなく走れ、欲しい時に
必要な加速が得られます。
それに普段使う部分でのレスポンスが、
純正についている負圧キャブレターもののような遅れがなく、
忠実にアクセル開け具合に反応してくれます。
鋭すぎず、だるすぎず、ちょうど良い反応です。
元々純正のアクセルは軽すぎると思いますが、
キャブレター変更により、やや重いクラッチとの
バランスが良くなります。もちろんアクセルは
重くはありません。
(スロットルケーブルは交換しています)
車のハンドルも軽すぎはインフォメーションがつかみにくく
どうかと思いますが、それと同じようになんでも
軽ければ良いというものではない。
車体も低速域でのハンドルの切れ込みも減り
寝かしこみもスムーズ、これがまるで本来の純正の
ハンドリングのように、楽に素直に曲がります。
下り坂も変な力が入らず意識せずに乗れます。
もちろんハードに攻めたい方などは、
タイヤの選択肢も多いし17インチでも良いと思います。
ですが素直なハンドリングと、操る楽しさを残した
前後18インチマグホイール。
ツーリング主体の方は、太いタイヤなんぞにこだわらず、
ぜひ使ってみてください。
新しいニンジャの世界が広がり、よりニンジャのことが
気に入ってもらえると思います。
前の車高は上がっていますが、リヤは上がって
いないので足つきも問題なし。
よい走りを味わいたい方にお勧めです。
このニンジャは当社で探してきたものですが、
良いニンジャは本当に少なくなってきました。
ノーマルスタイルなので、さほど目立つ部分はありませんが、
写真の方を紹介します。
部分的にレストアしている箇所があります。
コメント
ニンジャのフルカウルのスタイルは本当に美しいですね。
前後18インチのバランスも非常にいいと思います。