つい先日写真を紹介したニンジャを、納車前に来店された数人の方が直接見る機会があったのですが、私が直接話したお客様にこんなニンジャ見たことないと言われ、いいものが見れたと喜んでいただきました。その方も当社で販売したZ1000R2に長く乗っていただいています。
私は毎日レストアの作業をしているので慣れてはいるものの、言われてみれば確かにそうかなと思ったわけです。
今回のニンジャのようにセンターと、アンダーのカウルがついたもので、エンジンのオーバーホール、マフラーからマグホイール、サスペンション、ハーネス類の交換など一通り必要な部分に手を加え、もちろんきちんと整備もして、外観も再塗装までしたものは今までありませんでした。
過去、抜群に程度の良いノーマルに一部手を加えたニンジャは何度か納品しています。
見た目は純正のスタイルを大きく変えることなく、フルレストア車ではないものの整備の際に綺麗にしたところも多数あり、入庫時、走行距離2万キロが納得できる程度の良いニンジャでしたが、美しさも大きくレベルアップしています。
乗った時の印象も、これがまるで本来の純正の姿では?と思えるほどに癖がなく、アクセルを開ければ直ちに加速し回転が伸びるように気持ちよく回っていきます。直進安定性も良く、コーナーの先を見るだけで軽くスムーズに曲がっていきます。そしてブレーキも充分に効き、クラッチ操作もたやすい。最近よくZRXなどにも使っているブレンボ製ニンジャ用のクラッチマスターシリンダーはとても良い商品です。
フルノーマルニンジャの、曲がりにくい上に重ったるく、エンジンもトルクがあまりなく、苦し気に回るエンジン。(私も元オーナーで長くノーマルで乗っていましたからきつい言い方でご勘弁)その見た目のカッコ良さからとても人気があるバイクなのに、現在のバイクを知っている人が乗れば見た目に中身が負けている印象となってしまうでしょう。
販売当時は最高速のスピードなどスペックを謳っていましたが、現在の状況から見るとノーマルのニンジャは決して乗って楽しいと言えるバイクではないと思います。
そこで今回のニンジャですが、はっきり言って予想よりも良いバイクに仕上がりました。走行のテストでは通常のマフラーとは作りが違うのでキャブレターセッティングに手間取ったものの、1日走りこんでエンジンの力をきちんと発揮できる良い状態まで仕上げることができました。
これがニンジャの元々持っていた素質と言いますか、こんなに良く走り、見た目も充分きれいに仕上げることができたと思います。もちろんこの判断は最終的には持ち主の方にしばらく使ってもらったうえでの感想をいただく必要がありますが。
ニンジャをお持ちの皆さんも、もう一度ご自分のバイクを見つめなおしてみるのはどうでしょうか?私も今さらながらニンジャってこんなに良くなるんだと、今さらながら感心しています。それを知らずにいるのはもったいない。別のバイクに買いなおす前に再考を。
見た目がよく、走りも良く、ちょっとしたことで言えば車体も細身で足つきなんかも良かったりして、本当にいいバイクです。
昨日調べたら純正のカムシャフトまだでます。部品が出るうちにオーバーホールはした方がいいです。旧車を扱っていると部品が出ることの重要性を日々感じていますので。
走りが良い、見た目が美しい、どちらか一つではなく両方あってこそ、そのバイク本来の魅力に気づけるものだと私は思っています。そしてこのバイクを手に入れてよかったと心から思えるのではないかと。ですので、予算も時間も限りがありますが、できるだけそうなるように最善をつくします。
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