先日の続きで新たな販売コースについての話です

前回書いた新たなコースの内容を詰めています。いろいろ思案しています。

古いバイクを購入する予算、皆さんどれぐらいでしょうか。当社の整備販売コース＋部分レストア車の場合、大体の目安は車種によって変わるのは当然ですが、400万円以下ぐらいです。

いろいろ工夫をしているのでとても内容の濃い物となっており、金額自体は安くはありませんが、どこと見比べてもここまでしているところはないでしょう。今製作中のバイクが完成したら、車両を実際にご紹介したいと思います。（売約済みです）

内容の濃い物ができる理由としては今まで実際に製作した、きちんとしたフルレストア車製作のノウハウを生かし、あらかじめその費用で最大限一番良いものとなるように、どのような状態にして納品するかを当社側であらかた決め、一部をお客様の好みが反映されるようにしているからです。

それにより部品や、作業の段取りがフルレストア車よりもスムーズに行え費用対効果が最大限高くなります。

飲食関係の仕事であらかじめ出す食事、コースが決まっていれば、仕入れの材料、数、手順が決められ効率が良くなるのと同じです。

要は私どもが間違いのない状態まで作業したものは、どうしてもそれぐらいの金額はかかってしまうという事なのですが、では予算が仮にどうしても２５０万円しかない時はどうしたらよいのか。

殆どの方は当社での購入をあきらめる、最近のバイクを買うなど違う方向にいきますよね。私はそうではなくあきらめずに好きな旧車、あるいは同じものは無理でも同類のバイクを買ってほしい。
こういう時にこそ、ぜひ自分の手で作業してほしいと考えます。といいますかそれしかない。

この時にまず考えてほしいのは自分がどれぐらい作業ができるのかです。

ねじを締めるだけでそれをダメにしてしまう方は、ご自分での整備は向いていないので辞めた方が良いと思いますが、かといってバイクを触れる友人などになんでも頼むのも無理があります。
部分的になら頼みやすいですが、きちんと走るバイクに仕上げたいのなら作業量が増え完成しなくなるからです。

もしあなたが過去の私のように車の整備士だったり、ボルト締めるだけで物を壊してしまうほど不器用でなく、整備自体を楽しめる方ならぜひチャレンジしていただきたい。私もそこからスタートしプロになりました。

この時に大事なのが購入する元になるバイクです。絶対にしてはいけないことは、手順通り（ある程度事前に作業が計算できる状態という意味）に良い状態に戻せないバイクは買ってはいけないという事。

例えばエンジン。ヘッド自体を交換しなければいけないほど傷んでいるものを買ってはいけない。整備という物は分解して組み立てる程度なら、その辺の整備士ぐらいには誰でもできるものです。今は10年前とは違い情報もたくさん見つけられるので。

古いバイクが難しいのは分解して組み立てるの間に、悪い部分の修理や加工、レストア、さらに部品の欠品の問題があるからです。

分解して、組み立てるだけなら教えてもらえばできます。ただ部品の名前は解っている方が良い。（パーツリストに書いてある）

車体であればフレーム。古いバイクの場合、生産されてからの月日が経っているので、立ちごけなどは当たり前に起きていますから、ウインカー取り付け部などが少しぐらい曲がっていても大丈夫。ですがネックやスイングアーム取り付け部など、フレーム本体の寸法がきちんと出ていないといけないところが狂っているようなものを買ってはいけない。

で、さらによく考えておかないといけないのは購入後どれぐらい整備をしてから乗り始めるか、あらかじめ考えておくこと。悪い部分が出た時にはそこの修理をどこでしてもらうかという事。それは当社でできます。

当社にフルレストア車などご注文の場合は、お金を払って時間を待てば（長いですが）完成車が出来上がります。が、自分で作業を行う場合はあらかじめどこまで整備して乗るかをある程度考えておく必要があるのです。自分でばらして長い期間乗れないと一般の方はめげてしまうからです。

今まで何度も書いていますが当社の販売する旧車バイクは、ほとんどが一度全部ばらして整備をして販売しています。ニンジャなどはエンジンをばらさないで納品できるものも今はまだありますが、車体の方は大体ばらしています。

理由は簡単でそこまでしないと安心して納品できる状態にならないから。

ではそういうバイクを買うほど予算がさけない時は、何と何を分解整備するかあらかじめ考え、それに合った車両を買う必要があるのです。

どこまで整備すべきか解らない時は、今はこのようなことができると私に話していただければ、その話を元に当社でどのような状態のものがお勧めなのかお話しいたします。
とにかく何もわからない時でもアドバイスしますので私までご連絡を。

一番はエンジンですね。エンジンをばらして整備するかしないかははっきりと決めておく必要があります。それにより購入するバイク選びが変わってきますから。

エンジンをばらすと言っても部分的にヘッドカバーを外すとか、クラッチカバーを外しクラッチを整備するなどは大掛かりなことではないので、ここでいうエンジンをばらすにはあてはまりません。
エンジンをばらすとはすべて分解して整備をするかしないかのことです。

そして今回当社で新たに製作する販売コースは、この元になる車両の状態の判断、査定を当社で行い購入者に販売するコースになります。

この時、この元になる車両に対し、当社はチェックに必要な費用と税金分しか利益をいただかないで販売します。

つまり仕入金額に、あらかじめもうけを上乗せして販売する中古車販売のような形態ではなくチェックに対する費用のみです。

例えば当社までの輸送費込みの仕入れ金額が100万円のバイクがあったとします。それに消費税１０％そしてチェック費用が１０万円であれば１２０万円で販売するという事です。チェック費用がバカ高くなることはありません。

そしてチェックして良い箇所、すぐに整備したほうが良い箇所、しばらく走ったら整備したほうが良い箇所などを事細かく購入者の方にあらかじめお伝えして販売します。

つまりどこが良くてどこが悪くて整備すべきか、購入者にあらかじめ解る部分はすべて伝えるということ。

例えばチェーン、スプロケットはすぐに交換しなくてよい、エンジンのヘッドカバーガスケットは交換したほうが良い、メインハーネスは3年にうちにできれば交換したほうが良い、フレームは問題ない、ブレーキは整備して、キャブは交換してなど。

そして皆さんに協力していただきたいのは、売っても良い旧車バイクをお持ちの方は当社にご連絡いただきたい。
一般に買い取り専門店など車もバイクもありますが、旧車バイクの場合、売る側、買う側の双方に得がある状況になっているとは思えません。

旧車バイクの良い悪いの判断は普通のバイクの整備をしている人には解らない部分が沢山あるからです。

当社としましても、自社で作業して納品するのは今でも手一杯ですので、今回のコースで手助けできるのは自分で整備できる、あるいはしてみたい。あるいは部分的な整備なら作業してもらえる店が回りにある人のみです。

ご連絡いただいた方のバイクを当社ホームページでご紹介させていただきます。最初に写真でのチェックのみ行い、（これで今までの経験から7割ぐらいのことは解ります）そして購入希望の方がいらっしゃいましたら、当社に実際にバイクを送っていただいて実車チェックを行うなど詳しい状態確認を行います。

旧車バイクの査定自体が、一般のバイクと同じではおかしいと思います。見るべきポイントの量が圧倒的に違いますし、実際にフルレストアもフルオーバーホールもできない人間が正しいチェックができるはずもありませんから。

もしあまり人気のない車種でも希少性があることもあり、欲しいという方が見つかってからダイレクトに売ることができれば売る側にも通常よりも多くの収入が得られます。値段がつかない時もきちんと理由があります。また金額に納得できなければ売らなければ良いだけの事。

整備ができる方にはその技量を生かして整備も趣味として買えば、希望の予算で買える可能性が出てきます。要は何がどうなっているか解らないバイクを買わないことこそ大切なのです。

当社は走りながら考えますので、応援していただける方がいればとりあえず皆さんに風呂敷を広げ、売りたい側と買いたい側がより良くなっていける方法を探りたいと考えます。

売りたい方も買いたい方も難しく考えずとりあえずフォームや電話などからご連絡、ご相談ください。一緒により良くなる方法を考えましょう。フェイスブックなどにコメントいただいても大丈夫です。

なお整備ついてのフォローは整備会員の方がありますので、こちらの方でなんでも詳しくアドバイスさせていただきます。また必要に応じて動画を作っていきます。