台風は、当社の方は特に被害はありませんでした。
お気遣いいただいた皆様、ありがとうございました。
話しは変わりまして、今回はカワサキZ1~MK2系のフレーム補強ついて書きます。
まずはフレーム補強自体が必要か否かというところだと思います。
私は、もし予算、時間が許せばフレームのレストア時に同時に
したほうが良いと思っています。
まず費用の面から考えて、車体が組みあがっている状態から
フレーム補強のみをしたいと思っても、車体全バラ、
組立の工賃がフレーム補強代にプラスされてしまうので、
大変高価になってしまうからです。
全然飛ばさなないから必要ないと言われる方もいらっしゃると思いますが、
普通に乗っている方にも実はメリットがあります。
その話は少し後回しにして、まず一番フレーム補強が機能的に有効に働くのは、
どのような時なのかを、私の経験からお話します。
まず、解りやすい部分で補強が有効な場合といえば、
中~高負荷が連続でかかっている時です。
この連続でというのがキモです。
実際に走っているときなら、アクセルを大きめに開けて走る
高速道路を走っているとき。
100キロ程度でおとなしく車の後ろについて走っている時は、
これに含まれません。
またサーキットを走っているとき。当社のお客様は、走らない方が
ほとんどですので除外して良いかもしれません。
空いた道を、大きくアクセルを開け、その後ブレーキをキツめにかけ、
カーブを曲がるなど峠道などを飛ばす場合。
ここまでは解りやすいです。要は皆さんが考えているように
フレームがねじれるような強い力がかかるときです。
カワサキZ1系~MK2は、高負荷が連続でかかると車体がヨレヨレします。
今時のバイクしか乗ったことのない方や、エンジンの調子が
悪いものしか乗ったことのない方には、経験がないことかもしれません。
ノーマルの1000cc程度までなら、Z1-Rを除き、
怖いほどはヨレず、怖いほどヨレるときはベアリングが悪いなど、
どこか整備不良か、大きく曲がっているとか何か問題がある箇所が
あると思います。
この高負荷が連続で掛かる時にフレーム補強は有効です。
このヨレヨレが少なくなります。
フレームの強度が足りないと走行中に、車体の各部寸法が変わってきます。
タイヤが前後真っすぐなっていなければいけない時に
前後勝手に右左に曲がってしまっては真っすぐ走るはずもありません。
ちなみに飛ばしていない時も、常にフレームは少し変形しつつ走っていると
思って間違いないと思います。
ここで大切なのは、
連続でかかるというのは一瞬大きな力がかかるではなく、
大きな力が掛かり続けると言う意味になります。
雑巾をしぼり続けるような感じでしょうか。
フレーム補強が一番効くのはこういう場合です。
ではノーマルの足まわりに、フレーム補強のみをすれば、
ヨレがなくなるかといえばそうではありません。
少なくはなりますが、止まりません。
それはスイングアームや、ショック類、ステム周りの寸法や強度、
ホイール周りの重さやリム幅、タイヤの銘柄などのバランスなどの
関係から、フレーム自体だけではなくそちらからもヨレが発生
するからなのです。
ですから、本当の意味でのフレーム補強を活かそうと思えば、
足回りも変更しバランスを取る必要があります。
そうすると高速道路などでも安心して走れます。
ここまでがまず一つで、高負荷で走行中安定して走るために
補強を行う。
もう一つが、フレームがねじれ続ける程は飛ばさない方にも関係ある、
フィーリングに関することです。
飛ばしておらず、普通に走っている時にやや大きめのギャップを超えたとき、
一瞬でタイヤから入力が入って、足回り各部品に伝わり、その衝撃がフレームに
伝達されます。
そのフレームに伝わった瞬間に、フレームが変形します。
特にその力が最初に伝わるネック周辺、スイングアーム周辺に
適切な補強が入っていると、その印象はやや角が丸い印象になり、
乗っていてとても良い印象になるのです。余計な振動が後に
残らないのです。
人間は感覚が鋭く、一瞬入ったこの入力で気持ちが良い、
悪いを感じるようです。
これを経験したければ車の新車がわかりやすいと思います。
なぜ新車は中古車より気持ちが良いのか、その根っこのところには
このフレームに関係する部分があると思います。
良い車は見えない部分も考えて作られています。
高いから良い、安いから悪いではなくメーカーの考え方が出る部分です。
フレームには適切な補強、というのが大切でただ強くということになると、
力の逃げる箇所がなくなり、乗りにくく、フィーリングも悪くなります。
これも足回りの整備、特にタイヤで足を引っ張られることが多く、
車種で言えばZ1系ノーマルのサスペンションは、動きが特に悪いので
やや解りにくのですが、MK2などでは足回りノーマルでもフレーム補強を
施したものの方が乗っていて印象が良いのです。
もしオーナーさんが全くフィーリングなんか気にしない、
良いものに興味がない方なら、補強は全く意味がないかもしれません。
ですが、少しでも良い印象の良いもの、気持ちよく乗りたい
ということであれば、この根っこの部分にも目を向けると良いと思います。
ただ、どうしても予算が足りない場合で、足回りも変更したい場合は
フレームではなく足回りを優先する方が軽快になり、見た目の印象も変わり
良いかと思います。
ただその場合は後でフレーム補給は行わないと決めておかないと
あとで行うのは費用がかかりすぎます。
この文すべての内容は、フレーム補強が適切に行われる前提です。
デタラメな作業が行われると、それは事故車にするのと同じことですから
注意が必要です。
また今現在当社では、フレーム単品での持ち込み、補強は受け付けておりません。
申し訳ありません。
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