カワサキZ1エンジンフルオーバーホール7
今回はミッションが中心です。
- ミッションのドッグ部アンダーカット前
- ドッグ部のアンダーカット後。加速側と減速側両方とも削ります。
- 反対側。角度が違って見えるのは写真の撮り方で違って見えています。このようにドッグ部の必要な部分はすべて加工し、これにより力が加わった場合のギヤ抜けを防止します。車種により手作業で行う場合と、機械加工で行う場合と両方あります。また車種によって多少角度を変えています。角度がきつくなればその分シフト時にスムーズにギヤチェンジがしにくくなる場合があります。またクラッチ周りの整備や、ステップまわりがイマイチの場合もギヤチェンジはしにくくなります。ドッグ部を削りすぎると当然強度は落ちますが、この程度は大丈夫。もし折れたりした場合は乗り方や使い方が悪いです。
これからミッションの組み立てを行います。
程度の悪いベースエンジンですと、
ドッグ部がとても減っていたり、
小さめの部品のブッシュが割れたり
かけたりしているものもあります。
今回のエンジンは程度が良いので大丈夫です。
- ミッション組み立て前。どの部品も大きく、重く、とても頑丈です。5速は少し弱いかな。でも間違った扱いをしなければ壊れません。カワサキらしい部品たち。
- ドライブシャフト。
- ドッグ部のアンダーカット済みです。ギヤ抜け防止の加工です。きちんとシフトしない(奥まで入ってない)でギヤが抜けるのはシフトミスで、ギヤ抜けではありません。
- こういうワッシャは奥に写っているダイアルノギスで測定し、また状態も確認し、良ければ組み付けます。
- 交換する部品。品質確保のため、すべて純正部品を使います。こうい言う部品をけちってはいけません。でも高い!
- サークリップを組み付けたところ。ただ組みつければ良いということではなく、トラブルが出にくいように位置、向きを確認して組み付けます。
- このギヤもドッグ部のアンダーカット済みです。
- このドッグの数はみての通り3個。J系(ローソン系等)6個になっている部分あります。数が多い方が強くなりますが、ギヤチェンジの時渋めになります。ですのでZ1系の方がシフトはスムーズに行えます。ただしライディングステップASSY、リンクなどの部品がよいなど、回りの部品がきちんとしている場合です。
- オイル穴が見えます。
- この写真のようにオイル穴の位置が同じところに来るように確認しながら組み付けます。過去に分解したエンジンにはあっていないものもありました。Z系でも見たことありますし、水冷のエンジンでも見たことあります。
- 普段はこういうことは面倒なのでしないですが、解りやすいようにライトで穴が貫通しているか照らしてみました。
- サークリップ組み付け。こういう部品は必ず新品を使います。溝の位置にきちんと合わせます。
- ワッシャを組み付け。厚さ、状態は確認済み。
- ブッシュです。これもオイル穴あります。こういうものは状態が良ければ交換する必要はありません。
- シャフトのオイル穴と合うように組み付け。
- こうなります。これも穴がずれた状態で組み付けられていたものを見たことあります。間違えないように気をつけて組み付け。
- これもドッグは3つ。
- 写真では解り難いですが、アンダーカットの度合いはこれぐらい。簡単そうに見えますが難しく根気のいる作業です。当社は取り扱う代数が少ないので手作業です。
- ワッシャを測定。全く問題ありません。
- これも厚さを測り、状態確認。
- ベアリング。純正新品。
- サークリップを組み付け。きちんと組めているかしつこく確認。
- こちらからも確認。
- ベアリング。純正新品。高いですが新品が普通に買えるのはありがたいことです。
- ドライブシャフト側組み付け終了。
少し長いですが、
このままアウトプット側の組み立ても紹介します。
- 必要な部分のギヤ抜け防止のアンダーカット加工が終わり、洗浄、乾燥させてます。ある程度乾燥している方が作業しやすくなります。
- アウトプットシャフト。
- 走行中以外は2速に入らないようにするためのボール。押しがけには便利悪いですけど。
- 先ほどのボールはこんな感じで入ってます。
- 1速ギヤ。ドッグがはまる部分に変な摩耗などあれば交換します。これは問題なし。他のギヤもそうですがドッグ部の摩耗具合を見ればどんな運転をしているか解ります。乱暴か。丁寧か。
- ワッシャ。
- このように組み付け。
- ベアリング。ドライブシャフト側と同じように組み付けます。
- こんな感じ。必要に応じてグリスなど塗って組みます。塗りすぎは無駄ですし、あちこちベタベタになっていいことは一つもありません。このようにクリーンに。
- サークリップ。
- サークリップ組み付け確認。
- 確認。
- やこういう厚めのワッシャは傷んでいることあります。悪ければ交換。これは問題なし。
- これもアンダーカット加工してあります。頑丈ななので強度は問題なし。
- 写真写りが悪く根元がややかけたように写っていますが問題ありません。角度はこんな感じ。レースなど特殊な用途でなければこれ充分で、むしろ浅く適切に加工する方が難しい。この角度がきつくなると強度は落ちるし、シフトもしぶくなる。
- シャフトに組み付けたところ。
- こういうものは必ず新品を。
- 向き、位置はきちんと確認。
- オイル穴の位置をきちんと確認。
- 通常はこんなことしませんが、解りやすいように棒を突っ込んでみました。
- サークリップ
- ワッシャを組み付け。ワッシャも表裏など確認。特にブッシュが入る箇所はきちんとした方が良いと思います。
- ブッシュもオイル穴の位置を合わせます。
- これも解りやすいようにしてます。目視で十分。ただこのブッシュは穴の位置が微妙に違うのでよりオイル穴が大きく通るように組みます。
- このギヤも状態良し。乗り方が良ければほとんど痛みません。ベース車両選びが間違っていると、悪いギヤが多くなるのは当然です。この辺は見る目が必要。
- 純正のベアリング。当然新品。チェーンを張りすぎる人がいますが、そのせいでこのベアリングを壊した人がいます。素人さんでなく、大体そういう場合は整備の仕事をしている人だったりします。そんな整備士に仕事を頼んではいけません。
- オーリング。ローソン系にはついていません。
- このレースは良く減っています。悪ければ交換。このZ1はとても状態が良いのでそのまま使います。もちろんベース車両が良いのです。
- この中にもオーリングがあります。交換済み。
- ミッションが組み終わりました。
カワサキZ1エンジンオーバーホール8に続きます。
エンジンオーバーホール8はこちらをクリック
コメント