Z1000Mk2修理

前回事故修理中のMK2のフレームと
エンジンを紹介していましたが、
その続きです。
ちょっと長くなってしまったので、
誤字、脱字などあればご勘弁を。
作業内容を色々書いているので今回も
最後まで読めない人もいるかも。

写真のMK2はフレームの修正が必要
だったため全てばらしての
作業をしました。


こういう時どこまで作業するのが
良いのでしょうか。
部分的に壊れているだけであれば
壊れた箇所だけ小さく修理します。
それであれば頼む店が違っても
完成度にそれほど大きな違いはないでしょう。

調子の悪いエンジンでプラグ換えて治りました、
的な、よっぽどのアホ整備士でもない限り。
プラグがカブった理由が必要なんですよ!

いつものようにいきなり横道に
それましたが、
フロントフォークだけ曲がったのであれば

そこだけ修理する。それが普通。
それで事足ります。

ただ今回のようにフレーム修正まで
必要な大きな修理になると事情が
大きく変わります。

事故で相手がいれば保険でお金が
出ますが
過失割合もありますし、
欲しいだけ払ってくれるわけではないので
当然修理の予算は厳しいものになります。

今回のような大きな修理は特に
作業する側の人間(店)の考え方、やる気、
本気度で、
どこまで良い状態で復活できるかがまるで
違った結果になります。
金だけとられるか、それなりか、
期待以上に良くなるか。

こういう時いつも書いていますが、
納期は大体いつぐらいに治るとは言いますが
予定は変わります。
今回私たちの夏休みはなくなってしまった
ようにできるだけのことはしますが、
24時間働けないですし、
安易に外注などにも出せません。
品質が下がるから。
何月何日までになんて納車なんてのは

やってみれば解りますが現実的に無理です。

部品だけ新品に交換して修理完了、
そんなことであればできますが、
大きな修理の場合、ノウハウをもっていても
きちんと仕上げるには、簡単に、
段取り通りとはいかない、それが旧車です。

それでもやたらと早くしろなんて言うのは
まともな整備や修理を知らないから
そういうことを言えるわけで、
早くしろ=手を抜け、と言っているような
ものですから。

作業終わりに写真など見れば
ご自分のバイクにどれだけ手が
かかっているか解って
もらえると思います。

悪い店であれば修理代金をもらい、
できるだけ費用(部品代)をかけず
そして手間もかけずに形だけ
ぱっと見、治ったような状態にして
納めます。そりゃその方が儲かるから。

お客さんもまともなものに乗ったことがない、
元々状態の悪い物に乗っていれば
治ってなくても解らないわけですから、
そういう悪い人(店)が出てきます。

ろくすっぽ整備もしていない旧車バイクが
整備済み、レストア済みなどと
たくさん売られている現実を見れば
まともな店がいかに少ないか、
検索すればすぐ解ることです。

フルレストア車と言いながら、
解像度の低い
写真で見ただけでも、
ボロの箇所がたくさんある。

お客さんが解らないからと
なめているとしか思えない。

では大掛かりな事故修理の時は
どうするのが良いかといえば
部分的に壊れた箇所だけ修理するのではなく
(それは簡単、納期も計算でき、儲かる)
最終的に一台のバイクとしてきちんと
走り、なおかつ納品後のトラブルも
できるだけ減るように対処しておくこと、

見た目もバランスをとりながら
乗りたくなる品質に仕上げるため
部分的に簡易的なレストアを施し修理する。

こんなにすべてをばらしてきれいに出来る
チャンスなど早々ないことですから。
(事故、転倒はしょっちゅうあっては困る)

使える部分は再使用しますが、
今回のようなカスタム車の場合、事故には
直接関係ないが間違った部品選択、
改造をされて
いれば代わりの部品を用意し
修正する。

具体的に今回のMK2の実際に行った
例を挙げます。
各部品質は上がっていますが、
ステムやスイングアーム、17インチ
ホイールなどの車体の基本要素は事故前の
状態を踏襲する形をとっています。
きっとそれが持ち主の方の希望だと思うので。
(お任せしますと言われています)

フロントフォークやステム下側は
曲がっていたので代わりのものを用意
しました。



こういう部品たちも、長い時間をかけ
必要なものをなるべく費用がかからないように
少し
ずつ用意していくわけです。
フォークはレストア、オーバーホール
して使用。

ステムは交換するために
上下セットで手に入れたのでですが
トップブリッジ側は曲がっておらず、
元々加工が
されていたのでそれを軽く
レストアして使用。

ステムベアリングを交換し、
ステム下側は交換。こちらも軽くレストア
しました。

ヘッドライトステーは曲がっていたので
JB製に変更。元々ライトの位置が低すぎて
おまぬけな感じでしたが、これだと
大体良い位置にできます。ただそれでも
Zのメーター位置から考えると
前に出すぎですが。これば別車種の
組み合わせなので仕方がない。

 

ヘッドライトは曇りまくっていたので
中を清掃。HIDがついていたので
取り外して
普通のものに変更。
ヘッドライトリムは損傷していたので
純正の再メッキ品に変更。
これはたまたま持っていたもの。
ヘッドライトケース内のダンパーなどで
傷んでいるものは
交換。

メーターはカバーがつぶれ、ステーは
折れていたので純正を用意して
レストアして使用。
メーターカバーの一つはお客さん
自身が用意してくれました。

メーターのスポンジは新たに
製作して貼り付け。これは見えないし
手間もかかりますが大切な作業です。

インジケーターカバーは事故に関係なく
ネジ部にクラックが入っていたので
持っていた中古品を内外清掃して
使用。
メーターの電球は全交換。完成して
すぐ切れるとイラっとするからです。
配線の取り回しもトラブルが
出にくいように変更しました。

メータのステーが純正のほかに
もう一つ必要なため、元々ついていた
粗悪品を捨て、新たに強度が高く
なるように
製作しました。

ウインカーは壊れていたので交換。
持ち主の方がステー共々何個か
持ってきてくれたのですが程度が悪く
使いませんでした。
私が持っていたMK2についていた
純正の程度の良い物を電球交換して使用。
ステーは新品を用意して組付け。

スイングアームはダメージなしだった
ので
見られる程度にバフ掛けし、
ベアリングも問題
なかったので再グリス
アップして使用。



昔流行った無駄でカッコ悪い補強は
外しました。
こういう余計な作業をしてあるバイクに
かぎって肝心なところは雑に作業してある。

サスペンションの受けは純正のままでしたが
位置が悪いので削って取り外し
当社用のものを位置を変更して溶接。

リヤホイールはJBマグタンに交換。
元々ついていた17インチものは
無理やり加工してつけていたので、
別のまっとうな
取り付け寸法のでる
車種のものを使用して、

スプロケットと、ブレーキディスクの
オフセットを当社で調整、スペーサーなどを
製作して使用。
これも結構面倒。特にブレーキ側。
ブレーキディスクにセンターの位置決め
があるもので。

しゃってこういう方はバリバリの
ハイグリップタイヤを入れたがるのですが、
普段当社にお任せで、あまりあれこれ
言わない方なので
そこは望みどうりに
ミシュランのハイグリップ

タイヤを組付け。
いいか悪いかは別にして見た目がすごい。
フレーム負けそー。

チェーンラインや、ブレーキの
オフセットなどはデーターがないので
実測で
寸法合わせをする必要があり、
とにかく面倒、時間もかかる。
フロントスプロケット、チェーンは
再使用。フロントスプロケットは
換えたかった。

フロントブレーキディスクが曲がっており
同径でより良い物に交換となりましたが、
元々ついていたキャリパーサポートが
最悪、強度のたりない
物だったため、
新たに製作して、
キャリパー、
マスターシリンダー、
フロントの
ブレーキホースは再使用。
本当はホースは作り直したい。
見た目が悪いので。

 

ブレーキレバーは傷を落として
バフ掛け。各部グリスアップ。
クラッチレバーも少し曲がっていましたが
修正して再使用。分解して
グリスアップ。

フロントホイールはゼファー用
マグタンがそのまま使えました。
メーターギヤASSYがわけのわからない
加工が施されていたので、
代わりのものを用意してグリスアップして
使用。

リヤのブレーキは古くなると引きずりが
出やすいのでキャリパーをオーバーホール。
整備前ダストシールがはみでた、
お粗末な状態。

リヤブレーキディスクはGPZ900R用の
外径が大きすぎるものがついていたので
適切な大きさのブレーキディスクを入手し
レストアして使用。

右のライディングステップはプレートが
曲がっていたので分解修正して、
グリスアップして使用。
マスターシリンダーはそのまま再使用。
これも本当は内部の部品を
換えたかった。

ブレーキホースはアルミのフィッティングで
取り回しも適切でないので、
ステンレスで作り直しました。

フレームの方は修正屋で修正した後
お粗末だったリヤショック上部取り付けの
レイダウン加工をやり直し。
アホみたいに手間がかかる。
でもこれで抜群に良くなった。

フレーム修正後はそのまま使えると
思っている人もいるかもしれませんが
ステムベアリング部の寸法が
変わってしまっていることもあります。
こういうところまでは期待しても
難しいので、自社で修正します。
今回のものも修正しました。

元々事故前に当社でフレーム補強は
行っていたのですが、
それのおかげか、大事な部分の曲がりや
ゆがみなどが少なくて済んだのは
良かった。

フレーム修正部分と、
レイダウンのやり直し部分を再塗装。
こういう時はパウダーコーティング
ものより通常の塗料を使ったものが
断然作業しやすい。
当社で塗る時は普通の2液ウレタンで
塗っています。
常々言っていますが、壊れないものなんて
ないので、後々修正しやすいように
製作しておくのはとても大切。

そしてエンジン。

事故によりフィンが折れていたので
ヘッドを降ろしそれを修正。
事故とは関係なく外観はやつれに
やつれまくっており、
20年当社でエンジンの作業を
してからノーメンテナンス。

20年も経つとカムチェーンや
アイドラー回りの整備はしたほうが良く
全てばらして、外観はブラストしなおして、
カバー類は見られる程度にバフ掛け。


燃焼室、ポートなどはカーボンを落とし、
シートカットすり合わせは、
通常よりはだいぶ仕上がりレベルは
落としてあるもののそれなりにして
(なんせ無料ですから)
ピストンリング、カムチェーン、
アイドラー各ベアリングなど
最低限必要な部分を交換し
組付け。

チューニング仕様なので
バルブタイミング、インナーシム調整
などは
正確にいつも通りに組付け。
セルモーターをOH。

オイルクーラーが汚かったので
レストア、ステーは曲がっていたので
修正。
オイルクーラーホースは
変なサーモスタット付き(いらない)
程度も悪かったので当社で
持っていたとても程度の良い物に交換。

リヤのインナーフェンダーは信じられない
くらいに雑な扱いを受けており
穴があけられ大きくクラックが入っていたので
修理、レストア。
これも結構手間がかかる。
アルミ製の部品(当社製)はレストアして
使用。



そして配線類、左右ハンドルスイッチは
程度が悪く、配線の加工も最悪レベル。
代わりのそれなりに程度の良い中古品を
用意して、配線も問題のある部分は
全て手直ししました。
これがまたアホみたいに時間がかかりました。

そしてスロットル、クラッチなど
各ケーブル類を交換。

ゴムのダンパー類、各ボルトなどこの
20年で劣化したものを必要なものは
すべて交換。

写真にはありませんが、
最後に外装。
今回外装(当社で塗ったものではない
タンクにくぼみあり)
マフラーのサイレンサーは
(一部転倒で削れている部分あり)
それほど痛んでいないため、オーナーさんの
考えで修理をしなくてよいということに
なっており、ガソリンタンクの
シミを軽く磨いて、サイレンサーも
深い傷の部分を少し修正して
使うことにしました。

ただしガソリンタンクの内部には
雑な作業の典型、ブラスト時の砂が
はっきりと残っており、パラパラと
音を立てていたため
それを除去。
サイドカバーのエンブレムも
クリップが逆に取り付けれられていて
ユルユル。
こういうアホ作業を修正。

細かい部分は省いていますが、
こうしてこのMK2は復活します。

ではなぜ当社ではここまで
できるのでしょうか。

その理由は、
独立時に今のような旧車バイクを
台数少なく良い物を納める仕事をするのを
前提にしていたため、あらかじめ
経費が掛かりにくいように
見た目にこだわらずやや広めの田舎の土地に、
建物など固定費にお金がかからないように
ボロ小屋を建てて仕事をしている。

旧車バイクの品質を決める作業は、
人間がいかに気付いて考え、
手を動かすかという作業が

とても多いのですが、重要な部分は
人数が少なくてもほぼ自社内で対応
できるようにしてある。
これはとても大切なこと。

シリンダーボーリング、削り出し部品の
製作などは自社では設備がなくできない
作業は、作業ミスのほとんどない会社で
している。やり直しがないため時間の面でも
費用の面でも計算がきちんとたちます。

本当の意味での旧車バイクの
フルレストア、整備を専門で行っており、
年数も長くなってきたので
多くノウハウが溜まってきた。
それらバイクの製作時の作業写真、
(1台当たり1000~2000枚は
当たり前)また各作業のデーターなどの
記録を多く残してきたので、
作業時それらを確認、参考にしながら
作業します。
毎回気づいた点は改良できるので
同じ金額なら
より良い物が製作
できるようになった。

必要な部品の入手先が多く解ってきたので
問題が起きた時も対処しやすい。

そして特にこんかいのMK2では、
特に重要なのことが、
約20年前で、かなり前ではあるものの
当社でエンジンのチューニング、レストア
作業と、フレーム補強を行っていた
バイクだったこと。

通常の事故修理でいくらなんでも、
エンジン分解、各部のレストアなど
まではできません。

ですが今回一度当社で作業した
エンジンだったため、エンジンを
分解しても、最低限の作業で
状態の良い物にできることが解っていた。
つまり分解前から作業時間、
使用する部品代が
計算できたわけです。

これが初めて分解するものであれば
何がどうなっているか解らないので、
うかつにサービスで分解など
できないわけです。

またフレームの方も塗装も補強も
しっかりしているのが解っていたので、
事故回りの修正だけでよいことが
解っていました。

そしてそれ以外のダメ作業のやり直し。
これは手間のかかることはある程度
解っていましたが、計算内。

そして必要な作業を一気に分解し
一気に組み立てる。必要なものは
あらかじめ用意してあり、作業が
止まらないように段取りしてある。


これによりお客さんは

事故によって入った保険費用、
それにプラス決して多くない手出し費用を
追加することで写真のような仕上がりに
なるわけです。

最後に元々ついていた作業前の
ネット付きファンネルの写真を見てください。
見ての通り、ひどい状態です。
ネットは少し形を戻した写真ですが、
もっとへこんでいました。



名誉のために元々の車体全体の状態の
写真は公開しませんが

このファンネルから想像してください。
車体全体がこのような状態だったのです。
ちなみにこのファンネルもきれいにしました。


整備もレストアもどこの誰に頼むのか。
それによって得られる結果は変わってきます。
もちろんお金は必用ですが、
作業する側の考え方に大きく
左右されるのです。

 

ここから下はおまけです。
良くバイクが壊れる、傷むという方は
読んでみても良いと思います。

整備やレストアなどの仕事にかかわって、
少なく見積もっても25年以上は経ちます。

長く続けていると見えてくる部分もあるので、
今回はそれについて書きたいと思います。
車やバイクの整備の仕事をしている方は
同じ意見の方もきっといると思います。

バイクや車乗っていく(所有している)
うちに、
どんどんバイクと車が傷んで
くる人と、
傷まない人がいます。

一番の前提として、
納品されたバイクと車がまともな品質である、
ということ。品質自体が良くなければ
故障ばかりで話になりません。

解りやすいのは新車を買った。
それなのにやたらと普段故障しないような
ところが壊れたりしてやたらと修理の
回数が多い。
良く当たりはずれなんてことを言いますね。

実際に新車でも完成度が低くやたら
故障の多いこともあります。

でも販売されてそのモデル中期~後期モデル
ぐらいになると悪い部分は徐々に改善され、

まともなメーカーであれば
故障が少ない物になっていきます。

まともな車なはずなのに、
それでもやたらとなぜか整備工場に、

頻繁に入庫する車両もあったりします。
ディーラーに勤めていた時なんかは
また入ってる!そういう車両です。
そういう車両に共通なこと。

それは機械的なことではなく
「えっ」と思うかもしれませんが、
オーナーさんがいろいろ気にすぎる、

いわゆるあれもこれも心配しすぎる
オーナーさんが所有しているということです。

長く今の整備、レストア業界にいますが、
間違いなくそういう傾向です。

これは人それぞれの性格に関係があり、
細かいことが気にならない方もいれば
とにかく車にかぎらず、とにかく
いろいろ気になってしまうという人もいます。
気が付きすぎて疲れるという。

なんとなく自分の車やバイクがなぜか
壊れやすいと感じていても、

今さらそんなこと言われても、と
思うかもしれません。

で登場するのは自分自身(田崎)です。
私自身は他のことはともかく、
バイクと車についてはやたらと気づいて
しまいます。ピンときてしまうのです。
私の日産で勤めていたときの先輩が、
増井君に
「よく勤まるな」
(私の下で働くのが大変だろうの意味」
と感心していました。

お客さんに納品するバイクは
良い
結果が求められます。
お客さんも私にそこを期待して
注文いただいていると思います。

ということは一般の方よりより神経質に
細かく物事に気付かないと話になりません。
他の方は気づいていなくても、
人間ですからすべて完璧にとは言いませんが、
ある程度高いレベルで
物事に気付く必要があります。

例えばレース関係の人であれば、
サスペンションのワンクリック、
イニシャルの少しの違いを感じ取れないと

いけないかもしれませんし、
私のような仕事であれば足回りで
そこまで解る必要はありませんが、
古いバイクに乗った時に、それが本来の
調子か、
全体とぐるっと見て、
違和感のある部分はないか

仕上がりに不自然なとことがないか
乗っても見ても良いかすぐに解らないと
いけません。

ということは先ほどの理屈から言うと
車もバイクもあれこれ気になって一番壊れる
タイプです。


では実際にどうかといえば、

ほとんど壊れません。

今現在所有している車は10年以上所有して
今は17万キロ弱ぐらい走っています。
ディーラーで購入したのですが、
その時には友人がその会社に整備士で
勤めており、
購入前に
「この車、結構壊れます」と
教えてくれていました。

ですが今までほとんどそういうことはなく
消耗品を変えてきている程度で、
外観はかなりくたびれていますが、
乗り易く形も好きなので買ってよかったと
思えます。

それはあくまで一つの例ですが
それ以外のものも、ほとんどトラブルは
ありません。

それはなぜか?

まず一つにまともな品質のものを買う。
これは絶対条件。そこの部分は素人時代の
技術面さっぱり解らないの時からバイクは
良い物を選ぶセンスがあったと思います。

その次に、例えば専門店で買うような
やや特殊なものであれば、その店のスタッフに
注意点、使用方法を聞き、それを忠実に守る。
これについては徹底します。

大げさなことではないですが、
例えばハイオクのガソリンを入れて
くださいと
言われればそれを守りますし、
たとえば車庫入れで車を前後させる、
DからRに切り替えるというときには
完全にそれぞれ車の動きが停止してから
してくれと言われればそれを守る。

その方がミッションが痛まないと
言うのです。
それ以外にもステアリング回りが
荒れるのであまりすえぎりはしないなど、
そんな簡単なことです。
難しい考える必要もないことを
あれこれ考える前にこれだけは
守ってくださいてきな操作方法を
守る。

そして一番の肝は気持ちの面で
引きずらないことです。

車なんかで自分では解らない箇所に
もし気になった点が出てきたとしても
エンジンが止まった、などその場で
すぐに解決しないといけない時以外は
難しく考えたりしません。

その場でしつこく考えず
悪ければ治せばよい。と考えます。

自分の希望しないことが
起きた時にいかに早く頭を切り替え
られるか。
優秀な人でもなかなか
できない方も
おられます。
ですがこういう切り替えるということは
技術ですので、日々小さなことで
練習しておけばできるようになります。

私がそれを痛感したのは
ビトーR&Dで働いていた時。
社長の切り替えの早さにびっくりしました。
これはもちろん性格もあると思いますが、
レースメカニックの時にきっと必要な
技術だったのではないかと思います。

一緒に取材を受けた時、
担当の広告代理店の方がはっきりと、
もうどうにもならないような
ミスをしたときにも全然動じて
いませんでした。
「あっそう」みたいな感じです。

上手くいかなかったとしても
その時の気持ちを引きずっていては
勝てない。
ということではないかと
思うのです。

当社のお客様で、私に何の実績もない時に
一番最初にフルコンプリートZ1を
購入していただいたS様がいます。
来店して実にあっさりとご注文いただき
帰って行かれました。来店する前に
購入することを決めていたのでしょう。

納車後、
このS様の友人の方に自由な感じの
走りをされる方がいて、
(とにかく運転上手)
ロードモデルなのに一緒に走っていたら
道のとても悪いところにどんどん入っていき、
ついていったらはねた石でテールパイプが
へこんだ。とのこと。
確かに明確にへこんでます。

「ガンッ」て言ったとのことで、
私なら「え~もう一緒に走らん」と
言いそうですが「まあしょうがない」
みたいな感じでニコッと笑いながら
言われ、20年そのままです。

その方のZ1も見事にトラブルなし。
ホーンのステーが1度折れたのみです。

ガンガン走るタイプで、
そろそろ20年くらいですので、
エンジンを開けた方がいいかなとお勧め
する方が良いかなと思っていますが。

S様を見ていても、
そうそう、そういうことですよね。
と思わずにはいられません。
こういう方のバイクは故障が少ない、
トラブルに合いにくい。

結局気持ちの切り替えが早いので
目の前の必要なこと、楽しむべきことに
集中できる、

ということだと思うのですが。

要はきちんと治せる整備屋がいれば
難しく考える必要もなく、
お金に余裕ができたら治そう、
気にならなくなったら治さなくてもいい。

そうして暮らしていると
些細なトラブルもだんだん
不思議となくなっていきます。
長く気にする必要なんてないわけです。
その方が間違いなく
故障も、トラブルも減っていきますよ。
そうすればもっとバイクも車も楽しめます。

 

 

 

 

 

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