ニンジャの納品前のテストを行っています。
その時の印象がとても良かった。走り出してすぐにこれはいい!と思いました。
今回のニンジャは、約走行距離2万キロ位で持ち込んでいただいた車両で、コスワースピストンを使ってエンジンのオーバーホールやホイールの交換、
カウル内に収まる当社製マフラーの取り付け(手間がかかりすぎるのでこの1本しか製作していません)リヤショックの交換、ブレーキ回りの一部変更、両マスターシリンダーの交換、スプリングレート変更、外装の塗装、ステップ、ハンドル回りの変更など他にも細々あります。
マフラーがいつものタイプと違いますから、キャブレターのセッティングにかなり時間を使いました。セッティングだけで走った距離は約70キロ、半日、走ってはセッティングを変え、走ってはセッティングを繰り返しました。
その後高速道路でさらに約130キロほど走り、200キロほど走って各部を確認。
セッティングをただ出すだけでなく、納品後に乗り方によって多少セッティング変更をしないといけない場合に備え、違うものも確認しておきました。
ニンジャというバイクは今見てもカッコがよく、デザインが多くの人に好まれるバイクではあるものの、はっきり言ってノーマルは乗りにくい。
重たいし、曲がりにくいし、乗り心地も悪く突き上げはガンガンくるし、アクセルに対しての反応も後伸びのような感じです。ブレーキは効きがいまいちで、クラッチのつながりは自然でいいのですが現代の基準ではやや重いですね。
そこで今回のニンジャですが、ノーマルのカウルそのままで、(完成形はセンターカウル、アンダーカウルを外さない)最初に書いたように手を加えています。
まず車体が軽く、素直に曲がりひらひら走れます。ノーマルのニンジャが苦手な下り坂も思ったように曲がれます。エンジンはアクセルの開け閉めに素直に反応。ひとたびアクセルを開ければ、ノーマルとは勢いの違う加速をします。
また車の流れについて走る時によく使う3000~4000回転で、振動少なくフィーリングがとても良い。純正とはまるで違います。そこからスパっと軽くシフトできるようになったギヤを一段落としてアクセルを開ければ吸い込まれるような感じで加速します。ノーマルのニンジャはギヤシフトが引っかかるような感じなので、夢のような感じです。
今回、ハンドルはパイプハンドルにせず、セパレートタイプのハンドルで、削り出しのややアップタイプのものに変更。
ライディングステップはビトーR&D製ですが、チェンジのリンクが通常のものと逆のタイプで上についており(ノーマルのマフラーでも付けられるタイプ)そのおかげなのか、交換すると元々良いシフトフィーリングがなおさら良くなっている様。
ただ今回はエンジンのオーバーホールも同時に行っているのでリンクの違いなのか、ミッション回りのオーバーホールが効いているのか正確なところは解らないのですが。
マフラーはカウル内に収まるタイプのものは、もう作る気がないのですが、ニンジャもここまで良くなるんだとあらためて思いました。久しぶりに乗ったオーバーホールエンジンも純正とは全く違い、こんなに違ったっけと、自分で作業しておきながら今さら再確認。
ニンジャを持っている方はこれを知らずして手放すのはもったいない。部品があるうちに入手しておくのがいいですよ。
今回のものはポートも研磨していますし、カムシャフトも純正ですが新品です。やっぱり手間とお金をかけるべきところはかけないと良くならないわけです。
すべて完成したら皆さんに写真を紹介したいと思います。
いつも完成した車体に乗ると、手間をかけ、お金もかけたものはその分確実に成果となって返ってきているなと感じます。旧車バイクの世界は本当に面白いのです。バイク乗りとしてこの世界を知らないのは全くもったいない。お金はあの世には持っていけませんよ。作業する側も大変ですけど。
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