知っておいて欲しいこと3選

組みたて車両3台の直前準備でなかなか時間がない状況なのですが、乗る機会が増えてきましたので事前にトラブルに合いにくいよう、以前からの繰り返しにはなりますが、忘れておられる方も多いようなので知っておいて欲しいことを3つ書きます。

それは車体のねじボルト類が緩んでいないかの確認、エンジン始動時の手順、走行中にエンジンの調子が悪くなった時の対応について知っておいて欲しいことです。

納品時に詳しくお話ししておりますが、どうも皆さん納車時は頭に入らないようです。注文して長く待たされて納品ですから、そりゃ当然です。これはうちが悪い。

全ての旧車バイク、キャブレター付きの水冷車にも当てはまりますから必ず頭に入れておいて欲しいことです。

まず一つ目は旧車バイクは定期的にネジ、ボルト、ナット類が緩んでいないか確認が必要です。足回りなどに使われる大きなボルト、ナットのシャフト部分などはそれほど緩んだりしませんが、それ以外の箇所は現在のバイクより緩みやすいので、定期的に確認が必要です。

これは車検時に行うのは当然のことですが、それ以外にもご自身で定期的に行う必要があります。工具を持っていない方でも車載工具などで、できる範囲でも良いですし高い物を買う必要はないので最低限緩んでいないかを確認できる工具をコツコツとそろえるのも良いです。

どれぐらいの頻度で行うかは走行距離、使い方にもよりますが、毎週末200キロ走るなどという方は2~3回走行ごとに行うぐらいはして欲しいですし、それが無理なら1か月に一度くらいは確認してほしいです。

そうではなく月に200キロ以下などと少なめの方も、1ヶ月に一度くらいは緩んでいないか確認してほしいです。走行距離が少なめの方は緩まないような気がしますが、そのような方はおとなしく走る方が比較的多く、同じような回転数を使用されるようで(使う回転域の幅が狭めの意味)走行距離の割には緩みが多くでます。
共振しやすい回転をキープされたりするのかもしれません。

もし1ヶ月に一度が無理でも2~3か月に一度は必ず確認してほしいです。1年に一度も行っていないなんてのはダメです。

緩みの確認をする時、当然すべてのネジボルトナット類にアクセスできませんから、(奥の方など)外から見て触れる部分だけ、持っている工具でできる限りでも良いです。またケーブル類、テールランプ、エンジンに近いボルト類は緩みやすいです。

増し締めというと慣れていない方は締めすぎる方が多いので、緩んでいないか確認する意識で行ってください。

作業自体はボルト、ネジ、ナット類の一つ一つに工具をあてはめて、一つ一つ緩んでいないか確認してください。テールランプ、カウルのスクリーンを止めるボルトのような、金属ではなく、樹脂、プラスチック類などが相手の時は強く閉めれば当然壊れます。優しく、締めすぎないように確認してください。

何でも頃合いが大切です。

2つ目はFCRキャブレターがついているバイクのエンジンの始動についてですが、下で紹介している動画で確認してください。正規できちんと作ったものではなく旧車バイクに慣れていない方向けに、とりあえず解るようにと短時間で撮ったものなのでいまいちなのはご勘弁を。どうすればいいかは解ると思います。

当社で販売したZRX1200で撮影していますが、カワサキZ系などでも燃料コックが違うだけで同じような感じで始動できます。

ZRX1200は負圧コックですが、カワサキZ1などはそうではありません。燃料コックをOFFからONに回して30秒ほど経ってから動画のように指導してください。

エンジンが暖まっている時は、始動時にアクセルと大きく開けて加速ポンプのノズルからガソリンを出してしまうと始動しにくくなりますし、エンジンにもよくありません。始動前にアクセルをあおるのは冷えている時のみです。誤解しないようにお願いします。

https://drive.google.com/file/d/105yF92ZvJpWofsEjXzKHlPoEQHP9VkjH/view?usp=sharing

4バルブエンジンは長く乗らずに置いていると、ややかかりが悪くなります。2バルブでもハイチューンのエンジンは時々かかりにくくなってしまうことがあります。

ですが基本オーバーホールエンジンなどはたいていすぐにエンジン始動できるはずなので、そうでない場合は始動の仕方が間違っていることがほとんどです。
ぜひ動画を確認してください。

エンジン始動の際に長くセルを回していると、スタータクラッチが痛みます。これを治すのは費用も手間も結構かかるので、なるべく短い時間で始動できるのが理想です。
また車種によってはセルのピニオンギヤが摩耗してしまうものもあります。どちらにしても傷むのです。

当社で販売した車両で純正の点火系のものはすぐにかかりますが、社外品の点火系は純正点火系に比べややセルを回す時間が長くなります。それで正常です。

また他社さんで購入されたバイクでこの方法でエンジン始動してもすぐにかからない場合はどこかに問題があることが多いです。アホみたいにセルを回さないとエンジンがかからないバイクを何度も見ていますが、それは調子が悪い証拠ですね。

CRキャブレター付きの場合は加速ポンプがついていないので、FCRのように始動前にアクセルをあおる動作がありません。

ただ、CRはスロー系が濃い目のセッティングですので、チョークを引かなくてもかかる時が多いです。チョークを引かなくて始動できる時は引かずに始動してください。

また冬にチョークを引かないとかからない時は、引いて始動して、その後徐々に戻してください。長くチョークを引いているとプラグがかぶってしまうので、かかれば早めに戻すのがコツです。
それでエンジンが止まる時は少しアクセルを少し開けて回転を維持して止まらないようにしてください。

では3つ目、当社で販売したバイクで走行中に突然エンジンの調子が悪くなっている時のほとんどは、キャブレター内のガソリンがなくなっている時がほとんどです。

つまりバイク自体の不具合ではなく、燃料がないわけです。マフラーからパンパンアフターファイヤーがでたり、エンジン回転を下げた時にエンジンが止まってしまったりで簡単に言えばガス欠状態です。

ただこれがガソリンタンク内にガソリンがない本当のガス欠ではなく、ガソリンタンク内に充分にガソリンが残っている時も起きます。またガソリンコックがON状態でガソリンが減っていき、リザーブに切り替えるタイミングでも起きやすいです。

理由は使う燃料の消費量が少ないと、キャブレターのフロートバルブ部分が閉じて燃料が流れなくなってしまったり、燃料ホース内に空気が噛んで、燃料ホース内の圧力が下がって燃料が流れにくくなってしまったりして、こういう状況が起きやすくなります。(それ以外の原因の時もあります)

どちらにしても燃料が流れていないわけです。当然調子が悪くなります。これは純正そのままの無改造バイクでも起きる現象で、どういう時に起きるかと言えば、おとなしいメリハリのない運転、燃料の消費が少ない運転をしている時に起きやすいです。ZZ-Rなどで燃料ポンプがついているモデルはこのような現象は起きていません。

ですので、慣らし運転でおとなしく走っている、高速道路で100キロ巡行のようにアクセル開度一定で走っている。普段から飛ばさない人でギヤチェンジの回数が少なめの方が起きやすいです。

旧車バイク(水冷のキャブ車含む)はややメリハリのある運転をする前提で作られていますから、それから大きく違う走り方だとこのような現象が起きます。

それを防ぐには飛ばさない人でもやや、メリハリのある運転をする意識を持つこと。これは加速、減速をする運転です。

それが苦手な方は時々シフトダウン、シフトアップをしながら走行すれば、そのたびにアクセルをあおってシフトダウンしますからガソリンの流れる量にメリハリが出て、このようなガソリンタンク内にガソリンがあるのにもかかわらず燃料が流れにくくなってガス欠のような症状が出るのを減らせます。

飛ばし屋さんや、それなりにメリハリのある運転をされる方にはこのような現象がほとんど出ませんから、ぜひ知っておいて欲しいです。

現象が出た時の対処法は、エンジンを止め、負圧コック式のバイク(ニンジャ、ZRXなど)はコックをPRIに回して、ガソリンタンクからキャブレターにつながっている燃料ホースをつまんで、はなしてを10回ほど繰り返し、30秒~1分ほど待ってキャブレター内に充分にガソリンが溜まってからエンジン再始動すれば良いです。負圧コック式燃料コックはエンジン始動後にをONや、リザーブに戻してください。

キャブレター内に充分に燃料が溜まるまで待って再始動すのがコツで、溜まりきらないですぐにスタートすると調子が悪いままで改善されません。

燃料ホースをつまんで、はなしてをするのは、それがきっかけになって燃料ホース内をガソリンが流れ出すきっかけを作るためです。

ここで燃料ホースをつまんで、はなしてをあまりたくさんしすぎるとキャブのオーバフローにつながることも(キャブのジェット類からガソリンがあふれ出てきます)ありますから、10回程度で充分です。オーバフローの方が厄介ですから。

対処の仕方を知っていれば慌てることはないと思います。ただし、バイクを止めて作業することになりますから、安全なところに止めて作業するようにお願いします。

またこの現象はエンジンの調子が悪いほうが出にくく、エンジンの調子、効率がよく燃料消費が少ない物の方が出やすいです。

エンジンの調子や、キャブの調子が悪いと無駄な燃料消費が増えるので燃料ホース内を流れる量も増えます。それによってエア噛みや、フロートバルブが閉じっぱなしになることが少ないからです。

以上、ぜひ覚えておいて欲しい3例でした。

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