これについては答えは簡単。
店を開くのも整備士になるのも簡単に誰にでもできるから。とにかく敷居が低い。
例えばあなたの友人がバイクや車好きで、「俺、店開くわ!」と言えば店を開くことができる。私のように2級、3級の整備士資格と古物の資格を持っているとしても、実際に資格を取った経験から、これら免許をとるのは全く難しくないことを知っています。学校の試験より簡単です。形だけのものですね。何の自慢にもならない。
もしこれら免許を持っていないと店を開けないとしても、持っている人を雇えばよい。たとえその人が学校でそれら免許取り立てで、実務経験が一切なくったっていいわけです。
もし、たいしたこともできない店が新しくあなたの家の近くにできた。とりあえず行ってみる。店主と話してみると人当たり、愛想が良く、「エンジンオーバーホールでもなんでもできますよ」と言われたらどうだろうか。その場の勢いで注文してみたりしないだろうか。
これが現実です。難しい資格が必要でも何でもなく、小さく始め、必要なものが何かも解らない素人状態であれば開業資金もそれほど必要ではない。どんな資格でもそうですが資格をとったから優れた仕事ができるようになるわけではない。そこからがスタートです。
私がただのディーラーの整備士で一通りできるようになった時、その技術では古いバイクの整備はできないと強く思いました。ディーラーの整備士と古いバイクの重整備やチューニングは、全く異なる技術が必要だと実際に整備士として働くことで解ったからです。
私の唯一良かった点はそのことに自分で気づいたところ。
そこで足りない部分を学ぼうとビトーR&Dに働きに行ったのですが、実際に旧車バイクの整備とディーラーの整備とは仕事の内容がまるで違いました。これは両方経験した人でないと解らないことです。
例えれば野球とサッカーのように多人数で行うスポーツというくくりでは同じものの、競技が全く違う、というくらい中身が違います。
私は今だにエンジンの組み立ては人に作業を任せることができずにいます。
古いバイクは1台1台余りにもコンデションが違い、臨機応変に対応する部分があまりに作業としては難しいからです。センスも経験から得られるなどと聞いたりすることもありますが、私たちにとっては仕事の中の一台でも、お客さんにとってはその一台が唯一の一台なので私には人任せにして実験台にするような気にはとてもなれないのです。
いかに人の気付かない点に気付くか。気づいたらそれに対して実際にどのように対処、行動するか。口で言うのは簡単だけれども、本当に難しいです。
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